憐編のテイストを最初からやっていれば

 ウルトラマンネクサスの特徴は本来なら大人向けで深夜にOAする
ような内容を子供も見る早朝にOAされたという事だろう。

 大人向けで深夜にOAされた作品といえばネクサスが終了した半年
後に始まった牙狼=GAROがあるが、これを子供が見る早朝にOA
しても人気は出ないだろうと思う。

 平成に入ってウルトラはティガからガイアまでの3部作として製作
されて人気を博していたがガイア自体が集大成的な内容だったので、
21世紀に入るとリセットされて‘癒しのウルトラ’ともいえるコス
モスの次の作品がネクサスだった。

 仮面ライダーでもメカニカルなXの後に野生キャラのアマゾンが
製作されたようにモロに子供向けであるコスモスの次は、大人向け
テイストの強いネクサスになるのは自然な流れだし‘子供達のトラ
ウマになるような’という製作スタッフのコメントにあるように確信
犯的に‘怖い’ウルトラを作ったという事になるだろう。

 とはいえノスフェル編をピークに過激に走り過ぎた感が強く、さす
がに視聴者からも‘こんなのウルトラではない’という拒絶反応が出
たのではないかと思われる。

 ただし憐編からはファンタジー色の強い太田愛がメインライターに
なったという事もあって元のテイストに戻ったわけだ。

 思えば第2期ウルトラ最初の作品だった帰ってきたウルトラマン
では防衛チームMATで第1期では見られなかった隊員同士の対立や、
上層部との対立が描かれていたので第1期を見慣れた視聴者達には
凄い違和感を感じたわけだ。

 ただ それが人気の出ない原因と判断したスタッフ達は徐々に不人
気要素を外していったわけで、ネクサスの姫矢編から憐編への路線
変更も同じような形だったのではないだろうか。

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