久しぶりにドン・キングを見た

 先日WOWOWエキサイトマッチでWBCヘビー級タイトルマッチが
OAされ、挑戦者のデオンテイ・ワイルダーがバーメイン・スティバー
ンに大差の判定勝ちし8年前にシャノン・ブリッグスが敗れて以来の
アメリカ国籍の世界ヘビー級王者が誕生した。

 アメリカ勢の世界ヘビー級タイトルマッチでの20連敗をもストップ
した事になる。

 驚いたのはラスベガスでの世界ヘビー級タイトルマッチは06年以来
だけでなく、会場のMGMグランドガーデンでの同タイトルマッチは
97年にマイク・タイソンがイベンダー・ホリフィールドの耳を噛みち
ぎった試合以来というのだから いかにヘビー級の主流がアメリカ
から遠ざかっていたかという事になる。

 そして画面では久しぶりに悪名高いドン・キングプロモーターの
姿が映ると、妙に懐かしく思えたのだった。

 考えてみるとドン・キングの出世興行は今から41年前にザイールの
首都キンシャサで行なわれた世界ヘビー級タイトルマッチで、32歳の
モハメド・アリがジョージ・フォアマンをロープアドープ戦法で8R
KOして劇的な王座返り咲きを果たした試合。

 これをきっかけに法律家上がりのボブ・アラムと並ぶ2強時代を
築き上げ、アリ引退後はラリー・ホームズやマイク・タイソンという
ヘビー級のスター選手を中心に興行を手がけた。

 ただ選手とのトラブルも頻繁でタイソン凋落後はクリチコ兄弟を
中心にしたヨーロッパ勢がヘビー級を席捲すると、中量級に有力な
手駒を抱えるアラムとは対照的に徐々に影が薄くなっていった。

 先述したように先日ようやくラスベガスで久しぶりに世界ヘビー
級タイトルマッチが開催されアメリカ人の世界ヘビー級王者が誕生
した事により、久しぶりに特徴あるキングの姿を見る事ができたの
は妙に懐かしいものがあった。

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