今から10年前の今頃OAされていたウルトラマンネクサスが、打ち
切られるという話が出ていた。
他のウルトラとは一線を画した独自の世界を持っていたネクサス
だが視聴率やグッズの売り上げが低迷したため、本来なら1年続く
ところを3ヶ月早く打ち切りという形になってしまった。
たしかにネクサスは姫矢編を中心に子供が見るには難解だったり
残酷なシーンがあったりとリアルさを前面に出したゆえ子供への
受けが悪く、それゆえグッズの売り上げが低迷という形になって
いたわけで ある意味で打ち切られても仕方なかっただろう。
ただし個人的にはネクサスは大人が見ても面白い作品だったし、
実際にDVDの売り上げや貸出率も悪くなかったようだ。
こういう異色作の場合は一般のファンには受け入れられづらい
ので視聴率低迷や、グッズの売り上げ不振などがあると必ず路線
変更というテコ入れが来る。
実際に仮面ライダーアマゾンはネットチェンジという事情から
半年で打ち切りという形になったのだが1クール目に腰蓑のみで
行動していたアマゾンがベストを着用したり、2クール目の終盤
では当初は使われてなかったキック技で倒すようになるなど独自
性を維持できなくなりかけていた。
平成では仮面ライダー響鬼が太鼓のバチなどの音撃で敵を倒し
ていたのが、途中から剣を振り回して戦うようになったのも然り。
つまり異色作というのは受け入れられづらいし世間一般から不評
だとセオリー通りの設定に路線変更させられるわけで、ネクサスも
路線変更を受け入れれば1年間の放送期間を全うできただろう。
しかしスタッフは路線変更をよしとせずに3ヶ月間の短縮を受け
入れたわけで、かなり異例の事だろうし当初の予定のEPを上手く
まとめながら残りの話数に収めるという難解な作業にも挑まなく
てはならなかった。
にも関わらず終盤は やっつけ仕事とは思えないぐらいクォリ
ティの高い内容が続き、ウルトラ史上に残る見事な最終回を迎えて
終わらせたのだからネクサスのスタッフは素晴らしいと思うのだ。
それを考えるとネクサスは3ヶ月早く打ち切られても独自の世界
を貫けた稀有な作品だろう。