きかんしゃ やえもんの作者逝く

阿川弘之氏死去=作家、端正な鎮魂文学―「山本五十六」「雲の墓標」、94歳

 先日作家の阿川弘之氏が94歳で老衰のため亡くなったというニュー
スが載っていた。

 阿川弘之氏といえば山本五十六や米内光政などの提督作品の作者と
いう形で報道されているのだが、我々の世代としてはエッセイストの
阿川佐和子の父親と同時にきかんしゃ やえもんの作者というイメー
ジになる。

 きかんしゃやえもんは小2の国語下巻にスーホの白い馬や、みかんの
木の寺などと一緒に掲載されていた。

 私が小学校2年だった当時は蒸気機関車は既にコチラでも珍しい車両
となっており、これまで鉄道の主役だった蒸気機関車が電車に取って
変わられる時代だったので主役から追われる者の悲哀を描いていた事
から子供心に印象深く残っている。

 この作品の授業が全て終わった後に先生から‘交通博物館に展示
されている やえもんさんに手紙を書きましょう’と言われ、手紙と
称した作文を書かされたのを覚えている。

 とりあえず担任の先生は‘交通博物館に送る’と言っていたのだが
母親に言わせれば‘作文のテストみたいなものだから、先生の机の中
にあるんじゃない’と後日言われて妙にガッカリした覚えがある。

 何とか言いながら小学校低学年は多感な時期なので やえもんの境
遇に妙に同情していたのを覚えているが、今にして思えば子供にそう
思わせるだけの筆力を作者の阿川氏は持っていたという事になるの
だろう。

 こういう作品を小学校低学年時に巡り会えたのは幸運だったと
思う。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 2015夏の甲子... 2015夏の甲子... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。