2016夏の甲子園 第8日

履正社、横浜との注目対決制す　雷雨中断明けに８番・山本逆転３ラン

　大会8日目の注目カードは第4試合の横浜－履正社の東西横綱
決戦だが選抜準優勝が1度という実績の履正社に対し勝負強さを
誇る横浜の方が、藤平&石川という2枚看板を抱えているという
事もあって有利か。

　第1試合は念願の初勝利を挙げた いなべと同じく強力打線を
誇る山梨だけに打ち合いが予想される。

　第2試合は初戦で打ち勝った中京が常総の左腕・鈴木をどう攻
略するかで、試合巧者の常総をねじ伏せる事ができるか。

　第3試合は東邦・藤嶋を光星の打線がどこまで攻略できるかだ
ろうが、初戦で大勝した東邦打線に‘後遺症’が出ないか。

　第1試合：山梨学院大付 2－7 いなべ総合

　2回に いなべは2つの四球でチャンスを掴み9番のゴロエラーで
先制すると、山梨も5回にエラーで出塁した2人のランナーを4番の
2ベースで逆転。

　その裏に いなべは1アウトから9番&1番の短長打で追い付くと
8回に2番&4番の短長打で1点を勝ち越し、更にヒットと四球で2
アウト満塁から8番のタイムリーの後に9番が走者一掃の2ベース
で一挙5点を上げて逃げ切った。

　ヒット数は共に8本でエラーも絡んだりしたのだが1イニングに
5本集中した いなべと、バラけた山梨の違いが出た形で特に7回の
1アウト1・3塁で得点できなかったのが痛かった。

　第2試合：常総学院 8－3 中京

　1回に中京が四球で出塁した2番が3番&4番の連打で還って先制
すると四球と1ゴロで2点目を上げる。

　ところが常総も2回にエラーで出塁した4番を7番のタイムリーで
返すと3回にはヒットで出塁した9番が盗塁し1ゴロと犠牲フライで
追い付き、5回には9番&1番の長短打で1アウト1・3塁から2番のス
クイズで勝ち越す。

　こうなると常総が完全にペースを握り6回に4番のヒットから四死
球で満塁から8番の2点タイムリーで突き放すと、7回にもヒットで
出塁した3番を5番&6番の連続2ベースで還し勝負を決めた。

　中京は3回以降立ち直った鈴木に抑え込まれ7回に2アウトから1番
&2番の短長打で1点返すのがやっとだった。

　中京にとって悔やまれるのは1回に1番が2ベースを打ちながら捕手
けん制で刺された事で、2回にも2アウトからヒットと2つの四球で満
塁など立ち上がり不安定だった鈴木相手に2点しか取れずに立ち直ら
せてしまった事だろう。

　第3試合：東邦 10－9 八戸学院光星

　1回に光星は1番がバントヒットで出塁し盗塁などで2アウト2・3塁
から5番の内野安打で先制すると、3回にも1番がヒットで出塁し死球
と4番のヒットで満塁から5番の2点タイムリーに押し出しで4－1と
リードを広げる。

　東邦も2回に4番が四球で出塁し5番&7番のヒットで追い付くと3回
にも2アウトから2番&4番の長短打で2点差に追い上げる。

　5回に光星が5番の2ランで待望の追加点を上げると7回には1アウト
から5番以下の3連打で1点を追加し、死球で満塁から9番の3ゴロエラ
ーで更に2点を上げて9－2とする。

　東邦もその裏に3安打に盗塁を絡めて2点返すと8回にも2ベースで
出塁した5番を2ゴロと犠牲フライで1点返し9－5と4点差に追い上げ
る。

　そして9回にはヒットで出塁した1番が盗塁し3番のタイムリーで
3点差にすると2アウト後連打で1点返し、更に7番の2ベースで遂に
追い付き8番のタイムリーで奇跡の逆転サヨナラ。

　東邦の粘りは素晴らしかったが何といっても大量リードされながら
2－9から、3イニング連続でヒットで出塁したランナーが盗塁をする
ギャンブルが成功したともいえる。

　第4試合：横浜 1－5 履正社

　1回に横浜は1番が内野安打で出塁するとバント野選でチャンスを広
げて1アウト2・3塁から4番の犠牲フライで先制する。

　履正社は2回に横浜先発・石川を攻め4番がヒットで出塁するとバン
トで2塁に進め2アウト後7番のヒットで1・3塁から8番の3ランで逆転
すると、更に四死球で1・2塁とし代わった藤平から2番の2ベースで
2点を追加し5－1とする。

　2回以降横浜は寺島相手にランナーは出すものの2度の併殺でチャン
スを広げられず、一方の履正社も3回と8回以外は毎回ランナーを出し
ながら藤平が踏ん張って追加点を許さず。

　結局9回に横浜が6番&7番の長短打で1アウト1・3塁とするものの
後続を断たれて履正社が逃げ切った。

　横浜にとって悔やまれるのは2回裏の守備で2度の雷雨による中断が
あった事で、これで先発・石川のリズムが微妙に乱れたと思われる。