76年 選抜高校野球2回戦・智辯学園 4-3 岡崎工

　初戦の札幌商戦で12奪三振の全員奪三振を達成した智辯の左腕・
阪本が4月1日に風邪による39度の発熱でダウン。
　急遽2年生右腕の山口が先発するハプニングになった。

　一方チャンスの集中打が持ち味と言われた岡崎工は初戦の宇部工戦
では左腕・山内が4安打完封した反面、打線は上位打線は2安打と今
ひとつのでき。
　阪本のアクシデントで登板した山口と岡崎打線というのが、この試合の
見所だった。

　1回表に智辯は1番・米田がセンター前に打ち返すと、2番・熱田も二遊間
への内野安打で1,2塁から3番・宮崎がバントすると3塁前に小飛球で内野
安打とノーアウト満塁のチャンスを迎える。
　ここで4番・松村は強い当りの2塁ゴロ、これをホームゲッツーを焦った
2塁手の黒田がはじき2者生還し更に1,3塁から5番・松本もライト前にタイム
リー。
　山内は1アウトも取れずに3点を失うが、それ以降は何とか凌いで2回
以降は追加点を許さない。

 　阪本に代わって登板した186㌢の長身右腕の山口は球威抜群の外角
へのストレートと球速が違う2種類のカーブを投げ分け好投。
　2回に先頭の4番・高橋からヒットを打たれるが、7回まで2安打に岡崎
打線を抑える。

　7回に智辯は米田を2塁に置いて宮崎がレフト前ヒットで待望の追加点を
挙げて4-0とリードを広げる。

　8回に岡崎は先頭の6番・中根がヒットで出塁すると1アウト後、 8番・
市川も続いて1アウト1,2塁のチャンス。
　ここで9番・黒田は2塁ゴロで2アウト1,3塁になるが1番・成瀬がライト前に
タイムリーを放ちようやく1点を返すと2番・榊原もセンターオーバーの
3ベースで2人を還し一気に1点差まで追い上げる。
　なおも2アウト3塁で3番・日下が倒れ同点ならず。

　9回にも先頭の4番・高橋がヒットで出塁するとバントで1アウト 2塁、
内野ゴロで2アウト3塁と一打同点のチャンスを迎えた。
　しかし7番・山内は3塁ゴロに倒れ一歩及ばず、智辯が4-3で逃げ切った。 　

　従来なら1回表ノーアウト1塁ならバントで1アウト2塁にするのだろうが、
山口が急遽登板という事で取れるだけ取りたいという思いから2番の
熱田にも強打させたのかもしれない。
　2・3番の幸運なヒットでチャンスが広がったのが、立ち上がりの 3点に
つながったのではないかと思われる。

　終わってみれば1回表の3点が最後まで効いてしまったのだから、
2番・熱田での強打が試合の流れを智辯に引き寄せた感が強い。

　智辯学園　３００　０００　１００　４
　岡崎工　　 ０００　０００　０３０　３