脱過酷な減量神話

 昨年の大晦日に行われたボクシングはWBA:Sフライ級王者フェ
ルナンド・マルチネスのインフルエンザでメインの世界戦が中止に
なる異例の事態だったが、急遽メインに昇格したSフェザー級挑戦
者決定戦で9位の堤駿斗が14位レネ・アルバラードを8Rでレフェリ
ーストップに追い込みTKO勝ちした。

 堤といえば以前フェザー級で体重超過をやらかしてSフェザー級
にクラスを上げていたのだが、相手のレベルはさておき見事な試合
ぶりを見せておりSフェザー級こそ堤のベスト階級になっている感
を強くした。

 こうなると何でフェザー級でやっていたのかという事になる。

 日本では昭和の時代から厳しい減量を乗り越えて戦う事を神経が
研ぎ澄まされ、特にファイティング原田など厳しい減量に勝てずし
て敵に勝てるかという理論で肯定的に捉えられていた。

 ところが以前も記したように今から10年前に井上尚弥がLフライ
級から一気に2階級上げたSフライ級に上げると水を得た魚の如く
素晴らしい試合ぶりで、ダウンすらしたことのないオマール・ナル
バエスを4度倒してKOしたのには驚いたのだが無理にLフライ級に
落として戦力までそぎ落としていた感が強い。

 現在バンタムまで上げたWBC王者の中谷潤人もフライ級やSフラ
イ級で王者になっていたのが無理して落としていた感が強く、クラ
スを上げても体格のハンデどころかパワーアップしている感が強い。

 実際最近の世界戦は厳しい減量でクラスを落とすより上げた方が
勝つ確率が高く、それを考えると無駄な減量神話から脱却していく
事こそ健康管理の面からも有効ではないだろうか。

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