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こーじ苑
金メダリストボクサー・桜井孝雄死す
桜井孝雄氏死去=東京五輪ボクシング金メダル(時事通信) - goo ニュース
今日の夕刊に東京五輪ボクシングで日本人唯一の金メダリストの桜井孝雄が
死去したというニュースが載っていて驚いた。
プロの世界では65人もの世界王者を輩出している日本のボクシング界だが
アマチュアではメダリストが桜井の金を含めてローマ五輪の田辺清とメキシコ
五輪の森岡栄治の3つしかないのだから いかに偉大な事だか分かるだろう。
プロは相手を選べるがアマチュアの場合は基本的に純粋なトーナメントだから
相手を選べないため、相性の悪い相手にも勝たないといけないという特徴がある
のだ。
つまりアマチュアで金メダルを取ろうと思ったら しっかりした防御テクニックと
ポイントを取れるワン・ツーを打てないとダメ。
そういう意味では桜井が東京五輪の金メダルを手土産にプロ転向した時には
世界王者間違いなしと思われたのは分かるし、実際に東京五輪から8ヵ月後に
プロデビューし22連勝を飾ってファイティング原田からタイトルを奪ったライオ
ネル・ローズに挑戦できたのをみると今風に言えば‘持っている’と思った。
代役挑戦者として原田に挑戦したライオネル・ローズは評価が今ひとつだった
ので原田の負けは番狂わせ扱いだったし、負けた原因が過酷な減量苦だった
からフェザー級に階級を上げる事になったため桜井にチャンスが回ってきたのだ。
そして2Rに見事な左ストレートを決めてダウンまで奪い‘楽勝’と思われたもの
の倒しに行かず、当時の感覚からいえば‘消極的な試合運び’になって逆転で
僅差の判定負けを喫したのだった。
アマチュアボクシングに批判的な面々に言わせると‘アマ特有の消極さ’という
事になるのだが
‘例えKO勝ちしてもダメージを被って引退した後に後遺症を
負うよりも倒せなくても打たれずに判定勝ちした方がいい’
という考えは桜井の考えは今でこそ理解されるが、当時とすれば‘根性のない’という
考えになる。
ただテクニックは素晴らしいものがあったので次は・・・・と思われたのだが、
ローズに勝って世界を取ったのが‘怪物’と言われたルーベン・オリバレス。
桜井は世界挑戦に失敗した後ロス遠征してオリバレスと対戦しているがコン
ディションを崩していただけでなくフットワークを使うには柔らか過ぎるキャンバス
などを考慮して粘らずにTKO負けしていた。
だから‘日本でなら’と思われたが折り悪く腰痛が悪化してローズ戦のような
コンディションでリングに上がれなくなり東洋タイトルは取ったものの2度防衛して
返上し引退してしまった。
皮肉にもローズ戦まで順風満帆だったのがローズに敗れてから暗転した形だ。
意外に現在のラウンドマスト・システムで桜井が戦っていれば案外勝っていた
かもしれないと思うだけに、早過ぎたボクサーだったのかもしれない。
ちなみに所属していた三迫ジムはアマチュアの名だたる選手達が所属して
いたが、最初に世界を取ったのがアマ経験なしで我流の変則ボクシングをやった
輪島功一だったというのも歴史の皮肉かもしれない。
今年は桜井が金メダルを取って48年目。
昨年の世界選手権で日本人初の銀メダルを獲得した村田諒太あたりに桜井以来
の金メダルを期待したいし、それが桜井への いい供養になると思う。
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勉強になりました。
生前のインタビュー等は所持しているのですが。
東京オリンピックも遠くなりにけり……
という感じですね。
死ぬ前に、夏季オリンピックを日本で観戦したい、
と思っておりましたが、もうムリみたいですね。
むしろ桜井氏は私などはプロ入りしてからの事の方が詳しい感じです。
今の現状では夏季五輪が30年以内に日本で開催されるのは厳しいですね。
私は東京五輪の年生まれですから、本来なら もう1度夏季五輪の自国開催を見たいのですけど。