【マラソン】野口みずきが引退、栄光と挫折の名選手
アテネ五輪の女子マラソンで金メダルを獲得した野口みずきが、
今日 引退を表明した。
野口みずきといえば03年の世界陸上で銀メダルを獲得してアテネ
の代表を決め、本番ではキャサリン・ヌデレバを25㌔過ぎからの
ロングスパートで突き放してシドニーの高橋尚子に続く金メダルを
獲得したレースが印象深い。
野口は独特のストライド走法ゆえ上り坂には強いものの下り坂を
苦手にするという特徴がありアテネのコースは32㌔ぐらいまでは
上り坂だが、それを過ぎると下り坂になるため金を取るために常識
では考えられない25㌔過ぎからのロングスパートという作戦を立
てたのだった。
仮に32㌔過ぎまでにヌデレバらに付いて来られていたら、金は
おろかメダルすら逃すというギャンブルだったわけで賭けに勝って
の金メダル獲得だったわけだ。
ただアテネで金を獲得し翌年のベルリンマラソンを2:19:12の日本
新記録で優勝した後はケガに悩まされて北京ではエントリーしながら
故障のためスタートラインにすら立てず、棄権する憂き目に遭っている
し以後は高橋尚子と同様に堰を切ったように故障に悩まされるように
なった。
高橋尚子がシドニーで金を取ったのが28歳で野口がアテネで金を
取ったのも29歳と30前で栄光を掴みながら、以後は故障に悩まされ
るというのは金を取るまでに壮絶な練習を積んでいたというのが分か
るのだが30歳を越えてからも20代の頃と同じ練習を行なっていた
ゆえに故障を誘発させたのではないかと思ってしまう。
本来なら30歳を越えて経験を積み更なるレベルアップしていく
海外のランナーに比べると対照的だし、海外の賞金レースに出て稼
ぐ事ができる資格を持っていただけに惜しい話だ。
高橋尚子に続いて野口みずきまでが同じパターンで不遇な晩年を
送る事が繰り返されたのを見ると陸連やジャーナリストも‘最後は
ケガ続きで不運だった’で終わらせるのではなく、1年でも長くケガ
なく競技生活を送れるような知恵を出すべきではないだろうか。