手倉森監督感慨「歴史逆転させた」ドーハでイラク相手にロスタイムV弾
日本時間の昨日深夜にドーハで行われたリオ五輪男子サッカー
アジア最終予選を兼ねたU-23アジア選手権準決勝で日本はイラク
相手に試合終了間際原川力がミドルシュートを決めて2-1で勝ち
決勝進出すると共に、3位までに与えられる五輪の出場権を獲得し
た。
26分にカウンターから鈴木武蔵が上げたクロスを久保裕也が決め
先制するものの、43分にCKからの混戦で頭で押し込まれて追い付
かれると一気にイラクペースになり準々決勝のイラン戦同様ボール
を支配される場面が続く。
それでも何とか凌いで75分過ぎからボールを持てるようになり、
イラン戦同様延長かと思われたロスタイムに南野拓実が上げたクロ
スをGKがはじいたボールを原川が決めたのだった。
この年代最強といわれたイラクに3連敗している事から相性の悪
さを危惧されていた日本だが、中2日の日程を巧くメンバーを入れ
替えるターンオーバー制で臨み休養日が1日多いというアドバンテ
ージを生かせばと思われた一戦は予想通り厳しい戦いになった。
ただし今回のチームが長年阻まれてきたベスト8の壁を破ったと
いう事から得た自信は大きかったようで、苦戦したもののイラン戦
よりは危ない場面も少なかったし延長になれば1日休養日が長いと
いうアドバンテージも生きてくると思っていた。
ちなみに先制して追い付かれ一方的に押しまくられるというのは
ドーハの悲劇といわれた93アジア最終予選と同じ展開だったが、
違ったのはロスタイムに入って最後のプレーで決めた事で23年前
とは真逆の結末となった。
手倉森ジャパンに関してはU-20W杯への出場を逃し続けていた
世代が中心なので勝負弱さを声高に言われていたし最終予選が これ
までのホーム&アウェーから中東での一箇所集中開催になった事
から特に危機感が充満していたのだが、グループステージ初戦の北
朝鮮戦を1-0で凌いで勝ってからチームは勢いに乗りトーナメント
に入ってからは別のチームのように勝負強さを発揮したのだった。
相手ペースになった時は全員が守備に回って泥臭く守るなどメリ
ハリの効いたスタイルは‘いいサッカーをするけど勝負弱い’という
昨今の代表チームとは対極のスタイルを構築したわけで、これこそ
日本が世界で勝ち抜くスタイルではないかと思うのだ。