王者が受難となったボクシングW世界戦

岩佐、小国破り新王者=田中は2度目防衛に成功―ボクシング世界戦

 エディオンアリーナ大阪で行われたボクシングのW世界戦はWBO:
Lフライ級王者の田中恒成は逆転KO勝ちで2度目の防衛に成功したが、
IBF:Sバンタム級王者の小國以載は岩佐亮佑に6RTKO負けし初防衛
に失敗した。

 今回の2試合のうちセミファイナルに行われたWBO:Lフライ級タイ
トルマッチは最短キャリアでタイトルを奪取し2階級制覇に成功した
田中が年末に予定されているWBA王者・田口良一との統一戦に向けた
前哨戦という位置付けだったし、メインのIBF:Sバンタム級タイト
ルマッチは昨年大晦日に強豪ジョナタン・グスマン相手にダウンを
奪うなどで完勝した小國が高校時代に敗れている岩佐相手の指名試
合となっていた。

 中京の怪物と呼ばれている田中だが過去4度の世界戦は全て中部
ローカルでのTV中継だったため今回が初めての全国ネットでの中継
だったし、先述したように大晦日には田口との統一戦を控え自らの
力をアピールする一戦だっただけに13位のパラポン相手に勝って
当然と思われたのだが・・・

 試合は1Rに挑戦者の右を貰って田中がダウンする波乱の立ち上
がりで、右目の上をパンチでカットされ左目は腫れるなど思わぬ
苦戦を強いられる。

 それでも5Rあたりからボディブローを中心に攻めてペースを取
り戻すと8R終盤にコンビネーションブローを決めてグラつかせる
と、9Rに右ストレートでダウンを奪うと一気に連打でたたみかけ
レフェリーストップを呼び込んだ。

 調整試合的な意味合いの雰囲気で始まった一戦だけに1Rのダウ
ンは思わぬ不覚だったし意外な苦戦となったわけだが前回最強の
挑戦者に完勝し、次回は国内のライバルとの統一戦が予定されて
いる時にこういった内容の試合になる事は多々あるしプロ入り10
戦目というキャリア不足も出た形だ。

 天才肌の田中だけに1ランク力が落ちる相手ゆえの苦戦とも言え
るので、大晦日にも予定されている田口との統一戦で真価が問われ
る事になるだろう。

 メインの小國-岩佐戦は学生時代に敗れているだけでなく日本人
Sバンタム級王者は西岡利晃以外に防衛に成功してないとか、角海
老宝石ジムの日本人世界王者は防衛に成功してないなどというネガ
ティブなジンクスがあり小國はそれらの呪いも解く必要があった。

 試合は1Rに岩佐が左ストレートを決めてダウンを奪うと2Rにも
同じ左ストレートで2度のダウンを奪い優位に試合を進め、逆転を
狙う小國も距離を詰めて反撃するが6Rに口から激しく出血しドク
ターチェックを受けた末にダメージを考慮してストップされた。

 WBCバンタム級タイトルを12度防衛した山中慎介に敗れはした
ものの好試合を演じた岩佐は特異の左ストレートを連続してヒット
したのに対し、サウスポーが苦手といわれていた王者の小國は岩佐
の左ストレートを無為無策で貰い続けた。

 小國は試合後に引退を表明したようだが、ここまでサウスポーに
弱いと世界相手には厳しいだろう。
 

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