EP34でTLTの記憶操作はビーストとウルトラマンに対する記憶しか消せない
という事が判明。
その理由としてビーストが捕食するのは人間そのものではなく最も高度な生命
が抱く恐怖心という事になり、恐怖が広がれば広がるほどビーストが出現しやす
くなるので人々にビーストの存在を認識させてはいけないという事での記憶操作
だったわけだ。
ここで問題になるのが恐怖に対する克服法。
特に子供の時に目の前で両親を人間体ビーストに惨殺された凪はビーストに
対する憎しみを強く持つ事により恐怖を克服しているのが分かるし、その旨を
沙羅に告げるのだが意外にも沙羅の答えは違った。
‘恐怖を乗り越えるために必要な思いは憎しみではなく人を愛し人を慈しむ事。
それをウルトラマンから教わった’と言うのだ。
沙羅は5年前に婚約者だった有働貴文をビーストから乗っ取られてザ・ワンに
姿を変えてしまい、その抹殺を最初のデュナミスト・真木舜一に依頼していた事を
凪に話すのだが、当然のように凪は沙羅が自分同様ビーストに対する憎しみを
抱くはずと思っていた。
しかし沙羅はビーストを憎む思いだけでは ここまで戦って来れなかったとも
言う。
劇場版のULTRAMANでの沙羅は当初かなりの冷酷な女という感じだったの
だが、実はビーストに取り込まれて婚約者を失った悲しみを背負っていたのを
真木舜一がウルトラマンとして戦う姿を見て凪に語った憎しみより慈しみこそが
恐怖を乗り越えられる強さだと悟り対バイオテロ組織の科学担当官からTLT
北米本部の査察官になっていたのだろう。
思えば沙羅と凪は大切な人をビーストによって殺害されるという共通点を持って
いる。
だから沙羅には凪の危うさが分かるのだろうし、自分の体験した事をアドバイス
したのだろうと考える。