男子スピードスケートは世界の流れに置いて行かれた

【ソチ五輪】条治5位&長島6位…日本勢初メダルならず、オランダ勢が表彰台独占(サンケイスポーツ) - goo ニュース

 ソチ五輪の男子スピードスケートで唯一無二のメダル獲得への希望があった
500mで加藤条治が5位、長島圭一郎が6位に終わって8年前のトリノ以来の
メダルなしが決まった。


 大会前の予想は混戦だった事から こういう結果も想定の範囲内だったが
トリノの時と違って日本スピードスケート界の落日を印象付けた。


 というのもトリノの時は現エースの加藤が若手バリバリで世界記録を叩き出し
たりしていた事から‘次回へ期待’と希望もあったのだが、あれから8年経って
出場選手の4人中3人がトリノ4位の笈川を含めて同じメンバーで唯一初出場の
上條有司も27歳と決して若くない。


 さらに深刻なのが88カルガリーで青柳徹が5位に入った1500や02ソルト
レイクシティで白幡圭史が4位に入った10000などの長距離だけでなく、92
アルベールビルの宮部行範や98長野で清水宏保が銅を取った1000までが
世界から水を開けられている事だ。


 1000は かつて500のスピードを維持できる者が勝っていたのから1500で
スプリント力のある者が主流になってきていたのだが、500にも その流れが
来た形なのだ。


 前回バンクーバーで長島と加藤が銀と銅を獲得した時に清水宏保が読売
新聞の評論で
‘今の500は1日に2レースするので1000で勝負できる選手でないと勝て
ないし、実際 金のム・テボンは1000にも出るし銀の長島は1000の日本
記録保持者’と1000の重要性を力説していたのを覚えている。


 あれから4年経ってエースの加藤は1000で好記録を出すどころか500の
スペシャリスト化してしまっただけでなく、長島までが1000での出場権を失う
結果になったのだから皮肉なもので今回500での出場者で1000に出る者も
いない。


 今回500を見ていたら日本選手4人は全て最初の100はいいものの第2
コーナーを出たところで失速してム・テボンやオランダ勢にゴール前で引き離
されているのが目立ったが、
これなど500のスペシャリスト化が招いた事態
だろう。


 前記したように1000が1500のスプリント力がある者が主流になった事
同様、500も1000のスプリント力のある者が主流で、500のスペシャリストが
勝てなくなっているのはオランダ勢が500で表彰台を独占した事から明らか
ではないだろうか。


 84サラエボで日本が初めて銀を獲得して以来 男子500は8年前のトリノを
除いて必ずメダルを獲得しておりサラエボ以降では金こそドイツ・アメリカ・
ロシアの2個には及ばないものの総獲得メダル数は金:1、銀:4、銅:4の計
9個でロシアの4個を上回っていたし今回 表彰台独占したオランダは前回
まで500は88カルガリーの銀のみだった。


 短距離は今ひとつだった中長距離王国のオランダが500でも表彰台を独占
するというのは意外だったが、これこそ4年前に清水が訴えていた1000重要
論の正しさが証明されていると思う。


 スケート連盟もベースになる1500の強化をしていかなければ日本男子の
メダルはバンクーバーが最後という事態になりかねない。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
アルト・シェンク (柴田真紀)
2014-02-12 03:53:09
オランダのスケート界には、アルトシェンクって怪物がいましたよね~。
昔は、あんなオールラウンダーがいたんだな、と思います。
ソチの500mについては、拙ブログにも記載したように、100のラップはトップなのに、最後のカーブを曲がったところで、いきなり失速しましたよね~。
体力的な問題なのでしょうか?
 
 
 
エリック・ハイデンも (こーじ)
2014-02-12 23:23:33
>柴田真紀様
 札幌のアルト・シェンクやレークプラシッドのエリック・ハイデンなどがオールラウンダーとして印象深いですね。

 私も最終カーブを曲がったところでの失速に疑問を持っていたら4年前の清水や今回の黒岩俊幸に三宮らが
1000mを強化しないからと評論してました。
 
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