あしゅら男爵&ブロッケン伯爵を知らない子供達

　先日小学生と話をしていた時に‘私の髪を誰が切るのか？’と聞
かれたので‘女房に切ってもらっている’と答えたのだが、‘理容師
だから自分の髪は切れないのか？’と言われたもののハッキリ言っ
て自分の髪を鏡を見ながら切るというのは かなり難しい。

　そこでマジンガーZに登場する敵キャラ・ブロッケン伯爵のごと
く自分の首から上を外してウィッグのようにセットして切れれば
できるのだろうが、物理的にそれは無理なので‘オレはブロッケン
伯爵じゃねぇぞ’と言ったら‘ブロッケン伯爵って誰？’と不思議そう
に聞かれたのだ。

　確かにブロッケン伯爵などが登場するマジンガーZは、今どきの
小学生は知らない方が当たり前だ。

　ブロッケン伯爵とくればあしゅら男爵という事で‘ロボットアニメ
のマジンガーZに登場する敵キャラで、自分の首を持って回るブロッ
ケン伯爵と右が女で左が男のシンメトリーキャラのあしゅら男爵が
いるのでググって見てみたら’と伝えた。

　そして翌日マジンガーZ INFINITYのパンフレットに載っているブ
ロッケン伯爵と、あしゅら男爵の姿を見せると‘キモい～！’‘思い出
したら食欲がなくなる’などと大不評だったのだ。

　他にもアフリカ原住民がモデルの巨人のボディの上に小人がいる
ピグマン子爵というキャラもいたのだが、こういった異形のキャラ
こそ永井豪の真骨頂である。

　特に原作では あしゅら男爵のシャワーシーンが出て来るのだが、
右側は女性の肌なのに対し左側は男性の毛むくじゃらの体という今
考えると凄まじいシーンまであるのを思い出した。

　今どきの子供達は昭和と違って表現の不自由な作品しか見てない
ので、あしゅら男爵やブロッケン伯爵のようなキャラは見た事がな
いのかと思ったりする。

　そういう意味では我々は、いい時代に子供時代を過ごしたと実感
するのである。