今日OAされた明日のエースは君だがウルトラマンエースの最終回で1年間
まるごとウルトラマンエースを見続けた事になる。
思えばエースは最初にOAされた時から裏番組で変身忍者嵐がOAされていた
事もあり、面白味のないEPの時は嵐の方を見たりしていたからで蒲田時代にも
平日の早朝にOAされていた時にも内容を知っていたため面白味のないEPは
見る気がしなかった。
ただし今回は息子と一緒に見ていたので初めて1年間通して見ていたのだが、
こういう形で見ていたら面白くないと思われたEPでも それなりの味があると
思ったのだ。
エースはメインライターの市川森一が独自のキリスト教的な世界を持ち込んだ
とされる異色作で、実際にティガまでのウルトラでは唯一のレギュラーの敵・
ヤプールが登場したり男女合体変身など異質な物が多い。
更にウルトラ兄弟という設定が最初からできた作品だったのでウルトラ兄弟の
共演という要素に最初に手を付けたのだが、あくまで助っ人に過ぎないので
ゾフィですら強くなく やられ役的な形になったのが第1期のファンから嫌われた
原因の1つになるだろう。
しかも1クール目でメインの市川森一が降板し2クール目で帰ってきたウルトラ
マンのメインライターだった上原正三も降板したので設定が迷走を始め、レギュ
ラーの敵・ヤプールが滅びて南夕子まで月に帰るなど独自性が28話でなくなって
しまう。
代わりに梅津ダン少年とのふれ合いという帰ってきたウルトラマンの次郎君
キャラも不発に終わり途中からフェイドアウトしてしまうなど迷走した感が強い
のだ。
とはいえOAされた72年はヒーローものが乱立した時期だったのでミラーマン
などにもいえるのだが、他の作品との差別化を目指したものの違和感からテコ
入れが入り最終的に最初とは全く違う世界になってしまうというケースが多々
あるのは事実で‘迷走’と軽々しくは言いづらい事もある。
そんな中で市川森一が作った独特の世界は残っていたし、ウルトラ一族ネタや
‘怨念’の怪物化などは後番組のタロウや80にも引き継がれた要素で平成に
入ってメビウスでウルトラ兄弟が復活した時にヤプールをはじめバキシム・ドラ
ゴリー・ベロクロンといったエースの登場キャラがリメイクされて使われた事を
見ても優れた作品だったというのが分かる。
そういう意味で今日 全話を見終わった時には一昨日メインライターだった市川
森一が亡くなったという事もあり、感無量だった。