イズモ計画強硬派の共通項は

 宇宙戦艦ヤマト2199の16話ではイズモ計画派が艦内でクーデ
ターを起こす。

 首謀者は技術科の新見薫と保安部の伊東真也らで移住可能と
思われた惑星ビーメラ4に到着したタイミングでの決行となった
わけだ。

 イズモ計画はヤマト計画の前身だった地球脱出計画で当初は
優れた地球人の一部を乗せる予定だったのだが、イスカンダル
から波動エンジンが供与されワープ可能になった事で地球と
同じような環境の人類が生存できる惑星を発見し次第 地球に
帰還して より多くの人類を救おうとするものだった。

 ただしイズモ計画を遂行する者には純粋に人類を救いたいと
考える新見に対し、計画を遂行するためには手段を選ばない
主義の伊東との間で温度差があり未遂に終わる。

 イズモ計画の主導者は芹沢虎鉄極東管区軍務局長で小説版
では伊東の上司でもある。

 芹沢は最初にガミラス艦隊と遭遇した時に先制攻撃の命令を
出し、従わなかった沖田を解任し島大介の父親・島大吾が艦長の
ムラサメに攻撃させるなど異星人に対し かなりの敵愾心を燃や
していた。

 また伊東も異星人に強い不信感を持って嫌っているのが劇中
でも語られていた。

 これをみるとイズモ計画強硬派の芹沢や伊東の共通項は異星
人に対する不信感というのが分かるし、互いを理解しようとし
ない心理こそが戦争を引き起こす事になるのではないか。

コメント ( 5 ) | Trackback ( 0 )
« 今の中学の教... 中学でのパン... »
 
コメント
 
 
 
古の人間の考え方 (こうちゃん)
2014-04-17 00:43:10
イズモ計画派の主要人物・芹澤や伊東に共通しているのは、述べられた様に異星人に対する理解が無く、敵愾心に満ち溢れている事。これは古の人間が持つ考え方に似ています。どちらかと言えば、昭和の軍国主義時代、更に遡れば武家支配時代の閉鎖的な島国根性が根底に有るものと考えられます。来る者は取り敢えず疑え、怪しい奴は殺せみたいな感じですね。自分達の力量の見極めが未熟な上に相手の力量を見極めない、交渉等で相手を理解しないから、戦争を引き起すべきして引き起こしたですね。新見はイズモ計画派の中では現実派で、ヤマト計画とイズモ計画を両天秤に掛ける学者肌だけに、伊東らとは共闘を維持するには不安定要素が付きまとい、表面化した感じです。これは人間が、歴史を紡ぐ上で避けては通れぬ道の様な気がします。果たして、どれだけの人がこの考え方に辿り着くか、若しくは気付くかです。
 
 
 
言うは易しですが (こーじ)
2014-04-17 21:56:43
>こうちゃん様
 自分達とは違う価値観を認めようとしないイズモ計画強硬派がヤマトでは悪役になってますし、相手の異文化や価値観を認める事が大事という教訓になってますけど
現実問題として難しいものがありますね。

 特に宗教戦争などは最たるものですから頭では分かっていても、いざ自分がとなると意外に難しいものですよね。

 地球の人民がそれを理解できれば戦争は起きないはすですから。
 
 
 
Unknown (Unknown)
2014-04-22 11:04:33
この件、異民族(ネイション=民族・国民、つまり「異民族」とは「異国民」とのニュアンスも。)との共生、または文化相対の可否・当否という価値観の対立と同時に、専守防衛、専制攻撃の具体的な射程範囲という国際法上の技術的な面も論じています。

つまり、恒星間航行可能な艦隊が太陽系(いわば地球人類政府(?)の主権領域)内に侵入した場合に、圧倒的に劣勢(と思える)地球側の自衛権の行使として、許容される要件とは。ということです。
現実の国際法に照らせば、仮想敵が、弾道ミサイルに燃料注入を始めた場合に、当該基地に対する先制攻撃は、国際法上の「自衛権」行使の範囲か、という問題ですね。

この意見、ずっと誰かに言いたかったのでうれしいです。(ノーマルなカミサンに言ってもオタを見る目であしらわれるだけw)

ほかにも2199は、「政体」や「統治」といった面においても、法学の側面を捉えていて、興味深いです。
きっと、綿密な設定があるのでしょう。
残念なのは、徳川さんと島の会話で「事実」と「真実」を真逆に言わせてしまった点。
講学的意味からいえば、本来「事実が真実とは限らない、事実が虚偽の場合もある」とでもすべきところでした。
製作者の勘違いでしょうね。おしかった。
 
 
 
Unknown (あれれ)
2014-04-22 11:07:39
あ、すみません↑名前忘れてました。
 
 
 
いろいろと配慮が (こーじ)
2014-04-22 22:49:47
>あれれ様
 名作には魅力ある悪役が必要ですから、2199の特徴としてガミラスにスポットを当てるケースが多いですよね。

 ガミラスをインディペンデンスデイの侵略者のような
形にしなかったのも そこでしょう。

 ただ拙ブログは政治的や思想的なネタは極力避けてますので、コメントに対するレスも同様になりますから悪しからずご了承ください。
 
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。