帰ってきたウルトラマン17話・怪鳥テロチルス東京大空爆

　テロチルス編の後編で前回テロチルスの巣である悪島に乗り込ん
だ郷秀樹はウルトラマンに変身してテロチルスと戦うものの、スペ
シウム光線は通じずテロチルスの出す光線で目をやられて海に墜落
する形で敗れ去る。

　その後テロチルスの出す白い粒子が降り積もって新たな巣となっ
たビルに三郎が由紀子をさらって立てこもる形になり、婚約者の横
川浩に説得をしてもらおうとするが浩は三郎に殺されるのを恐れて
逃走した事で由紀子は自らの判断の誤りを痛感する。

　そして改めて本当に大事なものを見つけ出すが時既に遅くテロチ
ルスが暴れ始め、三郎は由紀子を助けるため自らの体に巻いたダイ
ナマイトを投げつけるが瓦礫に巻き込まれて命を落とす。

　本来ならラドンのような飛行怪獣であるテロチルスとの攻防戦が
描かれるところに三郎と由紀子の人間ドラマを入れているのだが、
前回も記したように石橋正次演じる三郎の存在感が大き過ぎてテロ
チルス対MAT&自衛隊&ウルトラマンの戦いがかすんでしまってい
るのだ。

　テロチルスが口から吐く硫黄の臭いのする白い粒子は自らの巣の
元になっているのだが車などの排気ガスと化合すると強力な毒ガス
を発生させるため、東京に巣を造られるというのは大変な事になる
わけで文明の天敵といえるわけだから強力な敵キャラである。

　仮に三郎が由紀子を人質に巣のあるビルに立てこもらなければ、
熱線砲車の放つ熱線で巣を焼き払って終わりではあるものの本能で
熱線砲車の存在を知ったテロチルスが襲撃しようとするなどの攻防
戦が描かれていたのではと思ったりする。

　それを考えると石橋正次という人気俳優を起用したからこその展
開かもしれないのだが、だからこそウルトラシリーズでも代表的な
エピソードになったのかもしれない。

　もっとも三郎がテロチルスをダイナマイトで攻撃するシーンを見
ると、後にアイアンキングを見ていた我々としたら静弦太郎ならば
テロチルスを倒していたのでは…と妄想してしまうのだ。