便利になると想像力が退化する?

 今から40年前の今頃は福岡市内で修行中だったのだが部屋の
TVが壊れたため、部屋で寝る前の1時間ばかり地球防衛軍シリー
ズというウルトラ警備隊のような存在のオリジナルストーリー
を考えて書いていた。

 オリジナルストーリーといってもゴジラシリーズやウルトラQ、
ウルトラマンやウルトラセブンでのストーリーをベースにしたり
似たようなEPをつなぎ合わせたりして84年1月から87年3月ぐらい
までに51話ほど作っていたのだ。

 そして参考になったのは金城哲夫や上原正三に、佐々木守らの
シナリオ集だったわけである。

 このシナリオ集には金城哲夫の‘人間泥棒’や上原正三の‘300年間
の復讐’などの未公開シナリオもあったので、これらを自分なりに
変更して作るなど正しく想像力を働かせて書いていたのだ。

 ところが88年の3月下旬から蒲田で働き始めると懐具合にも余裕
ができてTVとビデオを購入できたので、あらゆる作品をレンタルし
て見る機会が増えオリジナルストーリーの参考になって筆が進むと
思いきやピッタリ止まってしまった。

 蒲田では多忙になったのもあるが映像をふんだんに見られるよう
になると意外にも想像力が欠けてしまうわけで、できないからこそ
できる事を想像してというのを実感した。

 思えば蒲田時代に初めて円谷プロの旧社屋を訪問したのだが、実
相寺昭雄監督の星の林に月の舟で記されているように‘こんな建物の
中でウルトラマンができたのか’と正直思った。

 逆にいえば旧社屋のような建物だったからこそスタッフの想像力
が全開になり、ああいった名作ができたのではと考えたのだ。

 先日最終回を迎えたウルトラマンアークで‘知性が進化し過ぎると
想像力が退化してしまう’と解釈したが、不自由だからこそ想像力が
働くのではないかと思ったりするわけだ。

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