やはり‘期待’？を裏切らなかった稀勢の里

綱とり稀勢の里３敗目、日馬富士が単独トップ

　13日目を迎えた今年の大相撲名古屋場所は綱取りを目指す大関・
稀勢の里が横綱・日馬富士に敗れ3敗目を喫し、期待された今場所
優勝して横綱昇進が絶望的になった。

　両者とも2敗で並んでいた事から勝った方が優勝に近づく大一番
は立ち合いから日馬富士が低い姿勢で鋭い当たりで深く差し稀勢
の里の左差しを許さず、焦って左上手を取るべく巻き替えに入った
タイミングで前に出て寄り倒したのだった。

　場所前に横綱昇進の条件として13勝以上で白鵬に勝っての優勝
だった稀勢の里にとって、例え明日コンディションの悪い白鵬に
勝って最終的に逆転優勝しても12勝での優勝というのは落第だ
から綱取りはかなり厳しいものになった。

　名古屋場所は北の湖をはじめ千代の富士や稀勢の里の師匠の
隆の里らが横綱昇進を決めた縁起のいい場所だし、2場所連続
準優勝だけに先述したような白鵬に勝っての13勝以上の優勝で
横綱昇進というのを期待したものだった。

　そして4日目まで危なげない相撲で快調なスタートだと思われ
たのだが5日目に栃煌山を土俵際まで押し込みながら突き落とさ
れて敗れると取り口が怪しくなり、6日目以降は内容的にパッと
せず10日目に松鳳山の立ち合いの変化で突き落とされて2敗目を
喫した。

　今場所は横綱の鶴竜が4日目から休場すると大関の琴奨菊も7日
目から休場と合い口の悪い2人がいなくなったし5日目に稀勢の里
が敗れた直後に最大のライバル・白鵬も敗れると、9日目には白鵬
と日馬富士という両横綱も敗れて星1つリードを奪う理想的な展
開になったのだ。

　ところが翌10日目に松鳳山の立ち合いの変化に対応できず敗れ
横綱の白鵬が昨日、照ノ富士に敗れて3敗となった事で日馬富士と
並び2敗でトップに立っていたので日馬富士と白鵬相手に勝つ事で
横綱昇進が現実的な流れになるはずだった。

　それを敗れたのだから勝負弱さが売りの稀勢の里ならではの
展開という事になるのだろうし、年齢的にも横綱として活躍
するのは最早厳しいと言わざるを得ない。