国際試合の難しさ

　昨日は星野ジャパンが、台湾に快勝して見事にアジア最終
予選を1位通過して北京五輪の出場権を獲得して盛り上がった。
　ところで勝ったから不問に記しているが‘やはり国際試合は
一筋縄ではいかない’と思わされるシーンが、いくつかあった。
　最たる例が韓国戦で、試合開始直前にオーダー変更をするし
バッターはインコースをよけようとせずに、わざと足を出して
当たりに来る。
　これで2度ほどデッドボールで出塁されたのだが、国内では
‘アイツラ卑怯だ！’と怒りの声が上がったようだ。
　ただハッキリ言って国際試合では、こんな事は日常茶飯事。
　
　95年に野茂英雄が、MLB入りしてから衛星放送でMLB中継を
見る機会が増えたが正直言ってMLBの審判のレベルは低い。
　前の打者の時のストライクが、同じコースでもボールになる
ケースは枚挙に暇がない。
　そう、何と審判レベルは日本が世界一なのだ。
　つまり国内試合は判定基準がしっかりしているので、投手達は
安心して投げる事ができるが、MLBですら対応はマチマチなのだ。

　だから国際試合では、なれないと審判とケンカするハメになる。
　かつて五輪がアマのみで戦っていた時代は、打倒キューバに
燃えていたので、いろんな国際試合を戦うために遠征していた。
　だからアトランタまでは、日本代表OB達のレベルが高かった。
　一方で高卒選手達は国際試合は親善試合がほとんど、国際試合の
真剣勝負を経験していない。
　プロが参入してもイマイチの成績だった理由の１つが、こういう
究極のアウェーの試合をやってないというのが分かる。
　
　今回でも涌井はともかく、成瀬にダルビッシュら高卒先発3人が
慣れない国際審判のジャッジ基準にどれだけアジャストできるかが
カギを握ると思っていた。
　特に成瀬は、韓国の例の戦い方をやってきたのにペースを乱され
たのだろう。
　ダルもシーズン中の快投は見る事が、できなかった。
　ただダルは、悪いなりにも抑えていった。
　それがこれからのキャリアに、絶対にプラスになるだろう。
　少々のミスジャッジにナーバスには、ならないだろうから。

　ちなみに野茂はMLBで大活躍したが、伊良部が今ひとつだったと
いうのも彼が高卒で国際試合の真剣勝負での経験が、あまりなかっ
たというのが理由の１つだろう。
　もっとも同じ高卒でも、吉井のようなタイプもいるから一概には
言えないが。