志村喬最後の特撮映画出演

 昨日扱ったネタではエビラが登場する南海の決闘が水野久美の昭和特撮
映画最終作になったと記していたが、他にフランケンシュタイン対バラゴンが
最終出演作品となった大物俳優が志村喬だ。

 冒頭のドイツからUボートで運ばれてきたフランケンシュタインの心臓が
運び込まれた広島の衛戍病院軍医として登場し‘もう少し早くこれが届いて
いたら’ と呟いていたが、移植手術?を施していた日が8月6日で原爆投下
の日。
 そういう状況だから そのまま亡くなったのだろう。

 ただし戦前のシーンのみの登場ながら存在感が際立っているのは、その
重厚感が醸しだすムードだろうか。

 黒澤明作品の常連である志村喬が最初に出演した特撮映画が54ゴジラ。 古生物学者の山根恭平博士を演じ、続編であるゴジラの逆襲にも同じ役で
出演していた。

 続いて地球防衛軍では佐原健二や平田昭彦の師である安達謙治郎
博士を演じ、平田昭彦演じる白石亮一博士の「遊星ミステロイドの研究」と
いうレポートを確証がないという懸念を振り切って発表し侵略者・ミステリ
アンの存在を世界に発表した。

  一方モスラでは主役のフランキー堺の上司として登場し、人情味溢れる
役柄を演じていた。

 そしてキングギドラのデビュー作となった三大怪獣地球最大の決戦では
精神医学の権威・塚本博士を演じ金星人の霊が憑依した若林映子演じる
サルノ王女の鑑定を行ったりしていた。

 科学者から新聞社のデスクなど多岐にわたる芸域の広さを見せ、当時
子供だった我々に重厚な演技の魅力を教え、特撮作品を‘ゲテモノ’や
‘子供向け’と言ってバカにする連中を黙らせてくれた人物でもある。   
        

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
また負けた…… (柴田真紀)
2010-08-28 00:29:44
 勝ったのは、農民たちだ……われわれは負けたな。


 また……生き残ったな……


『七人の侍』でも、明言を残してくれていますね。
 
 
 
志村氏は (こーじ)
2010-08-29 00:07:10
>柴田真紀様
 志村氏のセリフは名言の宝庫ですよね。
 まさしく名優ですよ。
 
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