対戦相手の実力をネームバリューだけで判断してはいけない

 Number350はサッカーベストゲームでドーハの悲劇やジョホールバルの歓喜
などをはじめとした日本サッカーの印象的な試合が語られていた中で中田英寿と
金子達仁の対談があり、その中でジョホールバルでの対戦相手だったイランに
ついて自信があった旨のコメントの中で‘イランは虎のような感じで負けるかも
しれないけど勝てない相手ではなかったけど、UAEの方が負ける気はしないけど
勝てる気もしない’と語っていた。


 実際97年に行われたアジア最終予選で日本が唯一勝てなかったのがUAE
だったのだが、たしかにUAEは強くないけどやりにくい相手だったのは間違いない。


 それから4年後にトルシエジャパンはヨーロッパ遠征でセネガルに0-2で完敗
した後にナイジェリアには2-2で引き分けたのだが、当時のメディアの評価は
‘セネガルに完敗するとは’‘ナイジェリアとはよく引き分けた’的な論調だった。


 それについてトルシエは
‘アフリカ勢で強豪といわれるナイジェリアやカメルーンなどはコレクティブな
サッカーをさせようとしても身体能力の高い選手が多いので肝心な所で決まり事を
無視して個人技に走る傾向があるのに対し、セネガルやブルキナファソの方が
身体能力では劣るからコレクティブなサッカーを最後までやりきる事ができる。


 ただセネガルやブルキナファソがナイジェリアやカメルーンに比べて身体能力が
落ちるとはいえ日本人に比べれば遥かに高いのだからセネガルなどの方が
ナイジェリアと戦うよりもやりにくい‘
と語っていたのを思い出す。


 また02W杯の組み合わせが決まり初戦の相手がベルギーで2試合目が
ロシアになった事から‘ロシアが影のシード国だから負けを覚悟しないといけない
ので初戦のベルギーには何としても勝って勝ち点3が欲しい’というのがセルジオ
越後氏をはじめとしたマスコミの論調だったから、初戦のベルギー戦で一旦逆転
したものの追い付かれ勝ち越しゴールを取り消されての引き分けにはW杯で初の
勝ち点を挙げたにも拘らず失望感の方が強かった。


 ところが最終的にベルギーはロシアとの直接対決で勝ってグループ2位でベスト
16に進むと、ブラジル相手に敗れたものの幻の先制ゴールなどで食い下がるなど
意外に強かったので初戦を引き分けたにも拘らずトルシエが上機嫌だったのは
分かるような気がした。


 とかく日本のマスゴミは対戦相手をネームバリューのみで判断しているとしか思え
ないのでおかしな報道が増えるし、一般ファンをミスリードしてしまいがちだ。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 年代が分かっ... 最後の生活発表会 »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。