意外に難しい守備的な試合のテスト

 先日20年前に行われたフィリップ・トゥルシエ監督率いる日本
代表が敵地コルドバでスペイン代表と対戦し、終了間際にゴール
を決められ敗れたものの1カ月前に0-5で惨敗したフランスに勝っ
ているスペインを90分間無得点に抑えられたのは収穫だった。

 ただし攻撃サッカー大好きな日本のメディアは‘消極的’と叩いて
いたのだが、これは本大会で強豪国相手位に勝ち点1をもぎ取りに
行く時には絶対に必要なシュミレーションだ。

 これがパラグアイやチリのような南米勢ではブラジルやアルゼン
チンにチェコやベルギーなどのヨーロッパ勢ではドイツやオランダ
などの強豪国相手に、普段からこういった戦い方をせざるを得ない
から選手達やマスコミも心得ているので別段難しい事ではない。

 ところがこういった戦い方は意外に難しく元々アジアでは日本は
強豪国なのでボールを保持する時間が長く引いて守るという戦いは
できないし、かと言って強豪国をホームに招いて戦ってもやりづら
いわけで強豪国とアウェーで戦う時にしかできない。

 しかもプレーする選手達も攻撃的なポジションの選手は守備的な
戦い方に納得せずに攻めたがるわけで、これは97年秋のフランスW
杯アジア最終予選で韓国やカザフスタン相手に終了間際に失点した
というのが代表的だし06W杯ドイツ大会のオーストラリア戦も然り。

 だからこそフランス&スペイン相手のアウェー2連戦というのは
格好のマッチメイクで、特に初戦のフランス戦では従来の戦い方で
臨み大敗する事によってスペイン戦では守りへの意識が選手達にも
強固になったわけだ。

 ところが日韓W杯終了後に監督に就任したジーコは守備的な戦い
方を忌み嫌うタイプだったし、アルベルト・ザッケローニ監督も主
力選手達の攻撃的に行きたいという主張を抑えきれずに守備的な戦
いのシュミレーションすらしなかった形だ。

 結果的にトゥルシエ時代はスペイン戦の後に行われたコンフェデ
レーションズ杯でカナダとカメルーンに勝ち、控え中心とはいえブ
ラジル相手に0ー0で引き分けて1位通過する事ができたわけだ。

 そういう意味で守り倒す戦いをする機会のテストマッチも、組む
必要があるという事ではないだろうか。

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