キリヤマはダンの正体を知っていた・最終章

 キリヤマ隊長がダンの正体を知っていたという仮説の最後は、最終EP
から。
 瀕死の状態でパンドンとの最後の戦いに臨んだセブンに対し、ウルトラ
警備隊の隊員とクラタがホーク1号に分乗して援護するシーンがある。
 この戦いに臨む前にアンヌからダンの正体を聞かされた隊員達はホーク
1号でパンドンを攻撃しつつ‘セブン’ではなく‘ダン’と呼んでいた。
 彼らの言葉はダンに対する思いに溢れていた。

 特にクラタは、さんざんダンを愚弄する言葉を吐いていたのを悔いて
‘モロボシ許してくれ’と言っていたのが印象深いが、キリヤマ隊長だけ
‘体の具合が悪ければ悪いで、なぜはっきり言ってくれなかったんだ’
と言う。

 最初に聞いたとき‘言ったら正体バレるぞ、アホだ!’ と思った。

 しかし、このセリフこそがキリヤマがダンの

正体を知っていた証拠に他ならない。

 最初に記したようにクール星人との戦いでの論功行賞でウルトラ警備
隊の隊員になったダンだが、通常は地球防衛軍のエリート部隊に最初
から入れるとは思えない。
 ましてやレントゲンを撮られると正体がバレるのだから ‘X線検査すら
受けずによくぞ入隊できたな’と不思議に思えた。

 キリヤマはダンに対して全幅の信頼を置いていた。
 だから最終EPの前編のラストでクラタがダンを罵倒してもダンに対する
態度は変わらなかったし、ダンが脱走した時もキリヤマは何も言ってない
のに注目したい。
 だからこそ‘体の調子が悪いなら・・・’というセリフが出て来たのだろうと
思うのだ。 

 他にも‘散歩する惑星’や‘月世界の戦慄’でもキリヤマは擬似空間での
時同様にダンを見捨てて脱出しようとしていた。
‘超兵器R1号’では新型のR2号計画を中止したのはダン自らが ‘血を吐き
ながら走り続けるマラソン’といううわ言を聞いていたからというのが正式
な理由だ。

 通常なら一隊員のうわ言で計画は中止されないだろう。

 また‘盗まれたウルトラアイ’では弾道ミサイル迎撃作戦に向かう前に
キリヤマが わざわざダンの肩を叩いて‘ダン頼んだぞ’というシーンも
あった。
 2号に乗り込んでダンが乗り込まず、アンヌになった時も後から咎められ
なかった。
 通常ならビデオシーバーがあるのだから、ダンに催促の連絡をするはず
ではないか?

 こうして見て行くと、キリヤマだけでなくヤマオカ長官以下防衛軍の首脳
がダンの正体を知っていたという仮説があれば、これまで記した矛盾点が
矛盾点にならなくなるのだ。 

 ホントにセブンは奥が深い。   

コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
おもしろいですね。 (いとま)
2008-09-14 22:54:56
本当、解説読むとおもしろいですね。
確かに、ダンが警備隊の一員になったという最大のつっこみネタまで解消されますね。
しかし、アンヌからダンがセブンだと伝えられた瞬間のストップモーションの表情は、愕然としてましたが(笑)
とにかく、こーじさん、すごいです。
いったい、そのような分析をいつどこでやっているんですか(笑)
そういえば、mixiのウルトラセブンのコミュが荒れて、交代する管理人を募集しているようなので、名乗りを上げられたらどうですか(笑)
 
 
 
こういう解説は (こーじ)
2008-09-15 16:50:09
>いとま様
 20年ほど前に樺沢雅哉さんという方が、円谷のファンクラブの会報にこういう解説を掲載されてました。
 これに影響を受けたのですよ。

 こういった分析は100回近く見てストーリーを暗記するぐらいないとダメですね。
 だから私もエース以降は無理ですよ。
 
 
 
もう何も申しません・・・ (トクタサツオ)
2008-09-15 21:06:01
いや、いとま様と全く同じ意見です。

これまたすごいですね♪

なるほど、そうか知っていたのですか・・・。

面白いです。

セブンは奥が深いですが、こーじ様の御分析はと知識はさらにまた底が見えませんね。
 
 
 
他では (こーじ)
2008-09-16 00:15:22
>トクタサツオ様
 新マン以降の他の作品では、ここまで解説する気にならないのですよ。
 やはりセブンという作品ならではだと思います。

 
 
 
 
そこのとこよりも (いとま)
2008-09-16 23:04:25
アンヌ:「ウルトラセブンの正体は、私たちのダンだったのよ」
キリヤマ:「ガーーン」
この愕然としたキリヤマの顔の解説もお願いします。
納得させてね(*^_^*)
 
 
 
あえて言うと (こーじ)
2008-09-16 23:50:54
>いとま様
 難しいですが、あえて言うと「あちゃ~、とうとう
極秘事項を喋ってしまった!」という感じかもしれません。
 今ひとつ説得力はないでしょうが・・・・
 
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