宝石ざくざく◇ほらあなJournal3

ロシア語をはじめ、外国語学習に関するあれこれを書いておりましたが、最近は…?

新譜を聴く

2010年02月11日 | 音楽


2/9CD『音楽堂』(矢野顕子)購入。聴いている。
(↑フライングゲットというやつである)

まず、このアルバムに『いい日旅立ち』のカヴァーが収められると知って
「やっぱり、セールスって大切だからなぁ…」
と思った自分を、(誰にというわけではないが)深く詫びたい。

いやーだって山口百恵さんの往年の名曲ですよ。
国鉄(!)の「DISCOVER JAPAN」キャンペーンソングですよ。
年代のせいもあるけど、私には百恵ちゃん以外の歌唱はありえないうただったのだ。(作詞作曲の谷村新司氏でさえもありえない感じ)

しかし、一聴、ぶったまげた。
「他人の曲、やのがうたえばやのの曲」(でしたっけ)とは、以前から言われていたが、これは本当に、今現在の矢野さんがうたうべき曲、という以外のなにものでもない。

当時から、このうたの歌詞はかなり謎だったのだ。
「でもまぁ、最初にコマーシャルありきのうただしな(国内旅行を促すコピーとして)」と、一応納得はしていたが、『いい日旅立ち』というすがすがしいタイトルのわりに、百恵ちゃんは思いつめた表情でうたっているし、よく分からなかった。

ところが、矢野さんがうたっているのを聴くと、これはすみからすみまで矢野さんのためにある歌詞なんじゃない? と思えて、本当にびっくりした。
それでいて、聴き手のこともちゃんと思っていてくれて、思わず知らず滂沱の(は大げさだけど)涙が…

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『ほぼ日』のコンテンツにある調律のお話を読んで、聴くと、うんうん「微妙なずれというか崩れ」というのが、なんだか分かるような気がする。
過去の弾き語りアルバムとはまた違った空気感。
『へびの泣く夜』の一節に、「悲しみのサイハテ」というのがあるけど、悲しみではないかもしれないけど、何かのサイハテまで行って、また来ましたよっていう感じかな…なんだか違うような気もするけど。
でもサイハテまで行ってきた人って、「同じだけど違う」感じがするよね。

ともあれ、これから聴きこむのがほんとに楽しみ。
聴いてると他のことができなくて困るけど。