東京多摩借地借家人組合

アパート・賃貸マンション、店舗、事務所等の賃貸のトラブルのご相談を受付けます。

借地借家問題市民セミナー IN立川

2025年04月04日 | 法律知識
借地借家人のためのやさしい法律の学習会と相談会 相談しておけばよかった!………というケースが必ずあります。

こんな問題で悩んでいませんか?
◎賃貸借契約の更新、更新料の請求
◎大地主の死亡や地主の相続で発生する問題
◎地代・家賃の増額請求の対応
◎賃貸住宅の老朽化・耐震不足を理由とする明渡し
◎ブラック地主問題(借地の底地の不動産業者への売却)
◎賃貸住宅の原状回復、敷金の返還
◎大規模災害が起きた場合の借地権・借家権

日時 4月27日(日)午後1時30分から

会場 立川市女性総合センター第2会議室(立川駅北口徒歩7分 参加無料)

講演 「知っておくと役に立つ法律知識」

講師 東京借地借家人組合連合会 会長 細谷紫朗

※組合役員が親切に相談にのります。 借地借家人の権利は借地借家法・消費者契約法などで守られています。


東京多摩借地借家人組合

電話 042(526)1094


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東借連の運動方針 更新料・明渡し・原状回復問題に対する取組み

2025年04月03日 | 法律知識
③更新料・一時金を根絶させる運動
 更新料は借地借家法や民法にも法律上の規定はなく、法律上も慣習上も支払い義務のない金銭である。賃貸借契約書に一義的かつ具体的に更新料を支払う旨の合意がある場合のみ更新料の支払い義務が生じる。更新時に更新料を具体的に支払う金額が計算できる特約がなければ、支払いを拒否できる。最近では、貸主側も東借連と常任弁護団が2012年に発行した「更新料解決マニュアル」(旬報社)などを読んで研究し、一義的かつ具体的な更新料支払い特約が明記した賃貸借契約書を作成することが多くなっている。今後、賃貸借契約書の作成には十分注意する必要ある。
賃貸借契約の更新するに当たっては、契約書を作成して合意で更新する場合と、契約書を作成せず法定更新する場合と二通りの更新の方法が、借地借家法で認められている。法定更新を選択しても、更新ができることを多くの借地借家人に知らせ、契約の更新についての法律知識を学習しよう。
 なお、定期借家契約は契約期間が満了すると賃借人には更新を請求する権利はなく、無条件で借家を明け渡さなければならない。再契約が可能と契約書に書いてあっても再契約できるとは限らない。再契約と更新との言葉の意味も理解していない借主も多く、定期借家契約について十分に注意が必要である。
④明渡し・原状回復他の取り組み
 建物の老朽化・耐震性不足等を理由にした借家の明渡し問題は、依然として深刻な問題である。借家の転居先が見つかっても、家賃が値上がりして高額で家賃の支払い能力を超えている場合があり、高齢世帯は貸主が敬遠して借家を貸してくれない、連帯保証人がいない・緊急連絡先がないと保証会社の審査で落とされる、家賃保証会社と保証委託契約を結ばないと借家を貸してもらえない等の困難問題が起きている。立ち退き料をもらっても、解決ができない問題である。
 借家の明渡しは、借家人の住まいの権利の問題である。借地や借家の明渡しは、地主・家主に明渡しを請求する「正当事由」がなければ、明渡しを請求する権利はなく、借地借家人には住み続ける権利がある。明渡しの裁判の中で、一定の立退料を正当事由が足りない分を補完するとの裁判例もみられる。立退料をもらえれば、借主が以前と同じように生活を維持できるとは限らない。
 借地借家人の住み続ける権利を守るために、借地借家法の正当事由制度を守り、お金の力で賃借人の権利を弱める「立退料によって正当事由を補完する」ことに反対しよう。
 借家の退去後に発生する原状回復トラブルは依然として多い。原状回復問題は、民法と特約について2つの点から考える必要がある。第1に、民法が2020年4月の改正で、民法621条で賃借人の原状回復義務は「通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く」と明文化された。国交省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(2011年再改定版)では「賃借人の故意過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・棄損を復旧すること」と定義された。賃借人が普通に使っていて、建物や設備が痛んだものは原状回復する必要はなく、どのような場合が通常使用を超えるのかガイドラインで整理されている。
 第2に、特約については、民法上の規定と異なり、賃借人にとって不利な特約が有効か否かを判断した2005年12月16日の最高裁第2小法廷判決が非常に重要であり、「(賃借人に不利な特約が)賃借人が負担する契約書の条文に具体的に明記されているか、賃貸人が口頭で説明し、賃借人が明確に認識し、明確に合意されていることが必要である」とされ、また消費者契約法違反になっていないかも問われるなど、特約を契約書に書くだけでは無効になるケースが多い。
 ガイドラインでは、建物の設備等の減価償却の考え方が取られており、ガイドラインをしっかり学習し、原状回復トラブルに対応していくことが重要である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東借連の運動方針 底地買い・地上げ問題、賃料増額請求に対する運動

2025年04月03日 | 法律知識
①底地買いと地上げ問題に対する取り組み
 東借連常任弁護団と協力して2023年7月30日に「地上げ110番」を実施した。NHKのお昼の首都圏版ニュースで放送され、約2時間に38件の電話相談があった。
地上げ以外の相談も多数あり、賃貸のトラブルで困っている人達から切実な相談が寄せられた。底地買いや地上げの相談は、当事者が組合に相談しない限り、泣き寝入りするケースが多い。2年前にNHKのクローズアップ現代で放送されて以降、以前のような悪質な地上げ屋の嫌がらせはなくなりつつあるが、地上げそのものが減ったわけではなく、東京など首都圏全体で起こっている。路線価の上昇で相続税の負担が重く、借地で貸している土地を手放す地主も増えており、底地売買が増加する背景となっている。
 地上げ屋から借地人は、「底地を買うか、借地権を売るか」二者択一を迫られると、底地を買い取る借地人も多く、売買行為を禁止する法律はなく、地上げ屋にとっては地主から市場価格の半分以下で仕入れて、市場の底地価格で売れば、倍以上の利益が出るために、確実に利益を生み出すおいしいビジネスであり、底地買いビジネスは今後も増えていくことは必至だ。
 借地人は底地の買い取りを拒否しているのに、無理やり業者が買い取りを迫る行為は、宅地建物取引業法上の違法な勧誘行為に当たる。深夜や長時間の勧誘も禁止されている。文書などで明確に買い取りを拒否し、再度勧誘行為をしたら宅建業法違反であると明確に告知することが重要である。
 買い取りを拒否すると、地代を大幅に値上げ請求し、調停や訴訟になるケースもある。引き続き組合に結集し、粘り強く頑張っていくしかない。地上げ・底地買いを受けた組合員を大いに励まし、経験の交流を深めていくことが必要である。
②賃料増額請求に対する取り組み
 地価の上昇、固定資産税・都市計画税の増税、物価の上昇の影響で、継続賃料の大幅な値上げ請求が多発している。地価が長く安定していたが、東京の都心区と周辺区はバブル期並みの地価上昇が続くと、賃料値上げラッシュが起きかねない状況であり、固定資産税等を調査し、不当な便乗値上げにはきっぱりと拒否しよう。
 借地借家法では、貸主から賃料の値上げを請求されても、無条件で認める必要はなく、賃料増額の根拠を求め、賃料増額が相当か否かをただし、根拠のない不当な値上げであれば値上げを拒否し、協議が成立しなければ借主が相当と考える賃料を支払えばよく、貸主が賃料の受領を拒否すれば、法務局に賃料を供託することができる。賃料の増額は貸主が勝手に決めることはできない。調停・裁判で確定して賃料の増額が認められる。
 賃貸住宅の管理会社から一方的に家賃を大幅に値上げ請求され、値上げを認めなければ次回の更新はしないと脅かす事例も起きている。値上げを争っても、貸主には賃貸借契約の更新を拒否する根拠はなく、借主には正々堂々と交渉する権利があることを借地借家人に周知・宣伝し、交渉の仕方が分からない借地借家人を組合に組織していこう。東借連では、本年5月に賃料増額問題と不動産鑑定について、常任弁護団を講師に研修会を開催する。組合員を対象に参加を呼びかけよう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

立ち退き問題と原状回復問題に対する組合の運動

2025年03月28日 | 法律知識
 建物の老朽化・耐震性不足等を理由にした借家の明渡し問題は、依然として深刻な問題である。借家の転居先が見つかっても、家賃が値上がりして高額で家賃の支払い能力を超えている場合があり、高齢世帯は貸主が敬遠して借家を貸してくれない、連帯保証人がいない・緊急連絡先がないと保証会社の審査で落とされる、家賃保証会社と保証委託契約を結ばないと借家を貸してもらえない等の困難問題が起きている。立ち退き料をもらっても、解決ができない問題である。
 借家の明渡しは、借家人の住まいの権利の問題である。借地や借家の明渡しは、地主・家主に明渡しを請求する「正当事由」がなければ、明渡しを請求する権利はなく、借地借家人には住み続ける権利がある。明渡しの裁判の中で、一定の立退料を正当事由が足りない分を補完するとの裁判例もみられる。立退料をもらえれば、借主が以前と同じように生活を維持できるとは限らない。
 借地借家人の住み続ける権利を守るために、借地借家法の正当事由制度を守り、お金の力で賃借人の権利を弱める「立退料によって正当事由を補完する」ことに反対しよう。
 借家の退去後に発生する原状回復トラブルは依然として多い。原状回復問題は、民法と特約について2つの点から考える必要がある。第1に、民法が2020年4月の改正で、民法621条で賃借人の原状回復義務は「通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く」と明文化された。国交省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(2011年再改定版)では「賃借人の故意過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・棄損を復旧すること」と定義された。賃借人が普通に使っていて、建物や設備が痛んだものは原状回復する必要はなく、どのような場合が通常使用を超えるのかガイドラインで整理されている。
 第2に、特約については、民法上の規定と異なり、賃借人にとって不利な特約が有効か否かを判断した2005年12月16日の最高裁第2小法廷判決が非常に重要であり、「(賃借人に不利な特約が)賃借人が負担する契約書の条文に具体的に明記されているか、賃貸人が口頭で説明し、賃借人が明確に認識し、明確に合意されていることが必要である」とされ、また消費者契約法違反になっていないかも問われるなど、特約を契約書に書くだけでは無効になるケースが多い。
 ガイドラインでは、建物の設備等の減価償却の考え方が取られており、ガイドラインをしっかり学習し、原状回復トラブルに対応していくことが重要である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

地上げ・底地上げ問題に対する運動を強化します

2025年03月28日 | 法律知識
 東借連常任弁護団と協力して2023年7月30日に「地上げ110番」を実施した。NHKのお昼の首都圏版ニュースで放送され、約2時間に38件の電話相談があった。
地上げ以外の相談も多数あり、賃貸のトラブルで困っている人達から切実な相談が寄せられた。底地買いや地上げの相談は、当事者が組合に相談しない限り、泣き寝入りするケースが多い。2年前にNHKのクローズアップ現代で放送されて以降、以前のような悪質な地上げ屋の嫌がらせはなくなりつつあるが、地上げそのものが減ったわけではなく、東京など首都圏全体で起こっている。路線価の上昇で相続税の負担が重く、借地で貸している土地を手放す地主も増えており、底地売買が増加する背景となっている。
 地上げ屋から借地人は、「底地を買うか、借地権を売るか」二者択一を迫られると、底地を買い取る借地人も多く、売買行為を禁止する法律はなく、地上げ屋にとっては地主から市場価格の半分以下で仕入れて、市場の底地価格で売れば、倍以上の利益が出るために、確実に利益を生み出すおいしいビジネスであり、底地買いビジネスは今後も増えていくことは必至だ。
 借地人は底地の買い取りを拒否しているのに、無理やり業者が買い取りを迫る行為は、宅地建物取引業法上の違法な勧誘行為に当たる。深夜や長時間の勧誘も禁止されている。文書などで明確に買い取りを拒否し、再度勧誘行為をしたら宅建業法違反であると明確に告知することが重要である。
 買い取りを拒否すると、地代を大幅に値上げ請求し、調停や訴訟になるケースもある。引き続き組合に結集し、粘り強く頑張っていくしかない。地上げ・底地買いを受けた組合員を大いに励まし、経験の交流を深めていくことが必要である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

院内集会「高齢者、単身者、若者の居住保障を考える」 4月11日に衆議院第2議員会館

2025年03月27日 | 法律知識
《4月11日・院内集会》

高齢者、単身者、若者の居住保障を考える―家賃補助、公営住宅、マンション居住―

日 時 2025年4月11日(金) 11時30分~14時   
会 場 衆議院第二議員会館・地階・第1会議室  (11時から通行証配布) 
                                   
<プログラム>  司会 綾達子・全借連事務局次長

■ 主催者あいさつ  若者の住まい、マンション法など 坂庭国晴・住まい連代表幹事 

■基調講演  「高齢化、単身化と居住支援―政策の動向と課題」
    祐成保志・東京大学大学院准教授(人文社会系研究科)

■各党国会議員からのあいさつ

■報告  
   細谷紫朗・全国借地借家人組合連合会事務局長、小山謙一・東京公営住宅協議会会長、
   金子裕行・マンション管理士(NP0建築ネット)、 

■特別発言 「桐生市事件と住宅問題」―稲葉剛・つくろい東京ファンド代表理事

どなたでも参加できます。予約不要

【開催団体】 国民の住まいを守る全国連絡会(住まい連)、住まいの貧困に取り組むネット
ワーク(住まいの貧困ネット)、日本住宅会議・関東会議

〈連絡先) NPO住まいの改善センター 
℡03-3836-2018、Fax03-6803-0755


「高齢者社会対策大綱」(2024年9月閣議決定)での「居住支援の充実」など

「一人暮らしの高齢者が増加する中、高齢者がその特性に応じて適切な住宅を確保できるよう・・・・・、居住支援法人等が入居中の見守り等のサポートを行う賃貸住宅の供給を促進するとともに、公営住宅の入居に際して保証人を求めないよう地方公共団体に要請することを含めて、公的賃貸住宅の活用を進める。」

若者向け家賃補助制度―「若者たちに『住まい』を」、日本住宅会議編・岩波ブックレット

 「大都市圏での民間賃貸住宅の高家賃のもとで若者の住宅確保と安定を実現するには家賃補助制度が必要である。・・・若者の住宅保障の実現は、若者たちと、若者を社会的に支えようとする多様な市民の努力と闘いによってこそ、可能となる。」 (2008年)
 
マンション関係法の改正(3月4日閣議決定、4月国会審議)

「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化を図るための建物の区分所有等に関する法律の一部を改正する法律案」。 (1)マンションの管理の円滑化等、(2)マンションの再生の円滑化等、(3)地方公共団体の取組みの充実。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アパートを買い取った新家主が賃貸借契約の途中で明渡し請求 賃借人は明渡しの正当事由ないと調停裁判で頑張り有利な条件で和解

2025年03月26日 | 法律知識
 国立駅近くのⅠKのアパートに2023年5月に入居した谷合さん(仮名)は、翌年の2024年6月に突然家主が足立区の建設会社に変わりました。変わった途端に新家主から家賃がいらないので同年12月一杯で立ち退くよう請求してきました。谷合さんは、今のアパートに引っ越す前にも立ち退き問題が起き、賃貸住宅の法律知識もなく、言われるままに退去させられました。
今のアパートは駅に近く、家賃も相場より安く、大変気に入っていました。今の非正規の仕事から正社員になるため就職活動を始めたばかりで立退き請求は二重の意味でショックでした。困窮していた矢先に友人の紹介で多摩借組に相談し、早速に組合に入会しました。
谷合さんは組合を間に入れて交渉すると家主に通知しましたが、谷合さんが組合に入ったことで、家主から何も連絡が来なくなりました。
 すると家主は弁護士を代理人に立て、10月に簡易裁判所に建物明渡しの調停を申立ててきました。谷合さんは組合と顧問弁護士と相談し、裁判所に詳細な回答書(答弁書)を作成し提出しました。回答書は、家主の請求は借地借家法に違反し、明渡請求の正当事由がない。賃借人は家主の明渡請求で希望した職種を断念させられ、キャリアアップの機会を台無しにさせられた。ここ数年で国立駅近くの賃貸物件は家賃が高騰し、転居したら生活することは困難である等を反論しました。
 調停には、組合役員が調停の控室で待機し、谷合さんと打合せしながら対応しました。調停委員から裁判になると、立退料が請求通り認められるか分からないと、妥協するよう説得されましたが、谷合さん自分の主張を貫きました。やむを得ず立ち退く場合の条件として①現行家賃と近隣の物件の家賃との差額の10年分、②賃貸契約の初期費用全額+新家賃の2ヵ月分、③供託で支払い済みの家賃と共益費の返還、④引越代とレンタル倉庫代、⑤引越し作業の日給分等を請求しました。
 結局、3回目の調停で家主は谷合さんの条件を全て認め、今年の5月初旬までに立退くことで和解しました。家主側は賃借人側の条件を全て認めることは異例だが、国立駅前のアパートに近接する土地の開発を急いでいた模様です。谷合さんは組合の新年会に参加し、参加した組合員から励ましを受け、頑張りぬくことができました。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

活発になる東京の都市再開発 開発の陰に令和の地上げが横行

2025年03月25日 | 法律知識
 高度経済成長期に建てられたビルなどが更新時期を迎える中で、古い建物をまとめて取り壊し、高層ビルやタワーマンションなどを建てる再開発事業が各地で活発になっている。
 こうした開発の陰に、悪質な地上げが横行している。ある不動産会社の行為がテレビでも大きく報道され話題となった。立ち退きを求める雑居ビルの1階入り口に生肉や魚をぶら下げたり、立ち退きを迫る隣の土地で、男たちがテントを張って朝まで大音響で音楽を流したり、住民が外出する時に後をつけたり等悪質な嫌がらせを行った。バブル時代の地上げ屋は、もっぱら札束で追い出しを行ったが、令和の地上げ屋はお金を出さず、嫌がらせで立ち退きを迫るなど、より悪質である。しかし、テレビで報道されたことによって、悪質な地上げによって購入した土地という負のイメージを恐れたデベロッパーや企業は地上げ屋との取引を停止するなど地上げ屋は大きな打撃を受けることになった。
 一方、地権者の3分の2の同意を受けて行う再開発は、再開発法という法律で合法的に行う地上げであり、地権者に入らないテナントなど弱小権利者は再開発されたビルには入居できず、補償金をもらって移転するか廃業するしかないのが現実である。
また。権利関係が複雑な雑居ビルなど早期に再開発を進めるために地上げ屋が介入することは今後も増えてくることが予想される。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マンションの管理・再生の円滑化等のための改正法案が閣議決定

2025年03月25日 | 法律知識
 築40年を超える分譲マンションが137万戸と全体の約2割を占め、今後10年で倍増し、建物と住民の「二つの老い」が進行しています。
国土交通省は、マンションの管理・再生の円滑化等のための改正法案を3月4日閣議決定し、通常国会の最重要法案として審議される予定です。
法律案は①マンションの管理の円滑化、②マンションの再生の円滑化、③地方公共団体の取組みの充実等14本の法律が一括して改正されます。
 建物区分所有法の関係では、賃貸借の終了請求(第62条第2項)が加わり、「イ建替え決議があったときは、建替え決議に賛成した各区分所有者等は、専有部分の賃借人に対し、賃貸借の終了を請求することができるものとし、当該請求があったときは、当該賃貸借は、請求がった日からから6カ月が経過することによって終了するものとする」、「ロ当該専有部分の区分所有者は、当該専有部分の賃借人(転借人を含む)に対し、賃貸借の終了により通常生ずる損失の補償金を支払わなければならない」、「ハ専有部分の賃借人は、ロの規定による補償金の提供を受けるまでは、当該専有部分の明渡しを拒むことができる」としています。
 賃借人に重大な影響を与える区分所有法改正を含む14本の一括した法律案が国会でまともな審議ができるのか、はなはだ疑問です。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

jシンポジウム「東京の居住問題~現状とこれから」開催

2025年03月25日 | 法律知識
 日本住宅会議・住まい連・住まいの貧困ネットの三団体主催によるシンポジウム「東京の居住問題~現状とこれから」が3月8日午後1時半から新宿区内で40名以上の参加で開催されました。
 5名の報告者から東京における公的住宅の現状と課題、セーフティネットと居住支援、生活困窮者の居住問題について詳細な報告が行われました。
 北村勝義氏(都庁職住宅支部)は、都営住宅の実態について、石原都政以降、小池都政まで26年間都営住宅の新規ゼロ建設を続け、都営住宅の敷地を大手企業に貸し付け儲けを助ける都市再生事業を推進していると指摘。また、都営住宅の空き家募集の倍率は毎回10数倍を超えているにも関わらず、戸数を増やすのではなく管理の適正化を強め、「真に困窮した都民に公平かつ的確に供給する」として、都民の困窮度を競い合わせていると批判しました。

 高家賃化進む公社UR住宅
 奥脇茂氏(東京公社住宅自治会協議会)は、地方住宅公社住宅居住者の生活実態についてアンケート調査を行った結果(4966世帯が回答)について、世帯平均年齢は71歳、一人暮らし51・6%、世帯年間収入(税込み)261万円、平均家賃額5万285円、平均居住年数23・9年との回答があり、居住者の高齢化、低所得化か進んでいます。一方、東京23区にある古い住宅を建替えると、60㎡で15万から25万円に高家賃化が進んでいます。建替え後に入居した従前居住者の家賃は3年毎に値上がりし、近傍同種家賃の考え方により市場家賃化が図られ、居住者の生活が無視されていると指摘しました。
 江国智洋氏(東京23区自治会協議会副会長)は、23区のUR賃貸住宅居住者のアンケート(8433戸)の結果について、世帯主年齢75歳以上が51%を占め、高齢化が進んでいます。収入が減って家賃を支払うことが大変であり、公営住宅への住み替えを希望する人が13%を占めているとの報告がありました。

 生活困窮者支援の現場から
 稲葉剛氏(一般社団法人つくろい東京ファンド)は、生活困窮者の住宅支援の取組みについて報告し、路上生活者は減ったがネットカフェ等で生活する若者が増え、お金がなく住まいがない人に対する支援が増えています。支援現場における住宅の課題では、75歳以上の単身高齢者や身寄りのない精神障害者に対する入居差別は依然として厳しいと指摘しました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「家が狭すぎて子どもが持てない」 少子化の原因に住宅問題が

2025年03月14日 | 法律知識
2024年に生まれた子供の数は72万988人で9年連続減少し、過去最少で、少子化のペースが進んでいる。少子化の原因はいろいろ指摘されているが、住宅の問題が大きい。NHKのテレビの報道でも「理想の数の子供を持たない理由」についてのアンケートによると、第1位に「子育てや教育にお金がかかりすぎる」が77・8%で、第3位に「家が狭い」21・4%と高い数値を示している。国の誘導居住面積水準では3人世帯で75㎡、4人世帯で95㎡とされている。この水準の新築マンションが1億円を超え、家賃は月額20万円を超える。東京の家賃や住居費は高過ぎる。子育て世帯の経済的な支援だけではなく、住宅政策があまりにも無策だ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大修繕が必要な賃貸マンションの合意解約で損害賠償請求、立退料請求できるか

2025年03月14日 | 法律知識
板橋区内に賃貸マンションを借りている山場さん(仮名)は建物が老朽化していて家主が満足に修理修繕してくれないと池袋西武百貨店の相談会にやってきた。
 漏水で何度か修理したが,これ以上は大修繕になるので現状無理ですと家主から言われたことへの対応策としての相談だ。山場さんは家主の対応に対し合意解約の申入れをし、尚且つ精神的苦痛を理由に損害賠償請求と立退き料の請求をする構えだ。取れますよねと言う山場さんの考えに対し組合のアドバイスは、借り主から合意解約を申入れた場合は立退き料を家主が支払う義務はなく善意に任せるしかない、損害賠償も拒否されたら支払われない、どうしても支払いを求めるならば別途損害賠償請求訴訟を起こさねばならないと説明。
これに対し山場さんは随分借り主は弱いのですねと言った。弱いのではなく家主も借り主も一方的な主張は法律上認められないので公平な裁判で決着させるのが法治国家のあり方と説明し、組合に入会し知識を学んでみてはどうかと
リーフレットを渡し入会を促した。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東京の住宅数の4割は民営借家 民営借家の家賃、平均で月額9万4800円

2025年03月13日 | 法律知識
 総務省が5年毎に実施している「住宅・土地統計調査」が昨年9月に発表された。
 東京都の居住世帯のある住宅数は令和5年10月現在723万5400戸と5年前より42万9900戸増加している。この内、持ち家は323万5200戸で全住宅数の44・7%を占める。借家は公営住宅が24万1300戸で3・3%、UR・公社住宅は20万2700戸で2・8%、民営借家は286万8500戸で39・7%で東京の住宅数の約4割は民営借家である。
 全国では持ち家が約6割に対し、民営借家は28・2%と民営借家は少ない。公営借家は176万戸で3・2%を占める。東京では民営借家が全国より1割以上多いのに、公営住宅は全国と変わらない。明らかに東京の公営住宅は少なすぎる。
 東京の家賃は、民営借家は平均で月額9万4800円、全国の6万5496円と比較すると1・5倍高い。UR・公社も東京は平均8万9986円と高い。東京は地区によって家賃がかなり違う。最高は港区の21万604円、10万円を超える区は11区もある。家賃補助が早急に必要である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

地代増額請求から土地明渡しの訴訟は借地人が勝訴

2025年03月13日 | 法律知識
 足立借地借家人組合事務所前の土地は千坪の一筆の借地でT地主が所有し、足立区内のT建設会社が地主から管理を任されている。足立の組合長もここの借地人である。
 先日、組合長から本年4月から地代が1坪あたり700円の値上げ要求の話を管理会社の社員から聞かされたと報告を受けた。
 組合事務所の家主も同地主から賃借しているが、現在の地代は坪あたり570円で供託中である。前回の一律値上げ前は坪あたり480円であった。事
務所の家主は地主の代理人弁護士から平成23年7月調停申し立てを受ける。
弁護士は更新料を20年の分割払いにした坪865円の値上げ要求されたが不成立になった。
 その後、同代理人弁護士から建物収去土地明渡請求裁判を申立てられるも組合弁護士の尽力で賃借権の時効取得が認められた。
 地代の変遷をみると平成5年12月までは330円、平成18年3月までは400円、平成23年9月までは480円、平成30年11月までは540円、平成30年12月以降現在までは570円の地代である。
 今月の役員会で周辺の借地人に地代増額要求に対してまずは地主・管理
会社と話合いをしてから結論を出すように、問題があれば組合が対応する
旨のビラを配布する予定している。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東借連第39回定期総会開催

2025年03月10日 | 法律知識
 東京借地借家人組合連合会の第39回定期総会が3月2日の午前10時から中野区の東京都生協連会館で開催され、都内6組合から代議員25名、評議員2名が参加した。午後の討論では、5人の代議員から発言があり、今後若い借地借家人を組合に組織するための活動をどう展開するか等について活発で有意義な意見が提出された。
 総会は、斎藤勝副会長の司会と挨拶で開会され、多摩借組の寺崎敏明代議員と大田借組の小泉次雄代議員が議長に選出され、議事が進行した。
 主催者を代表して細谷紫朗会長は「東借連もかつて70年代、80年代には不動産バブルで組合に相談が殺到した。今日バブル期と同様にマンションが高騰し、家賃や地代の値上げ問題が多発している。物価も値上がりし、家賃や地代をこれ以上値上がりすると支払うことができない等の悲鳴が上がっている。今後の運動として住まいに困っている若者を組織するためにSNSの活用など創意と工夫が必要である」と挨拶しました。
 来賓には、坂庭国晴住まい連代表幹事、日本共産党都議会議員団の原田あきら都議、東借連常任弁護団の西田穣弁護士より連帯の挨拶があった。その他、8つの団体からメッセージが寄せられ、議長団より東京消費者団体連絡センターと京都借地借家人組合連合会のメッセージが披露された。

 若い組合員を
 増やすために
 資格審査報告が川合謙二資格審査委員長より
行われ、総会が規約に基づき成立していることが報告された。引き続き、運動方針案のはじめに、私たちをとりまく情勢の特徴、運動の成果と課題が細谷会長より、組織の拡大強化と組織改革、私たちの要求が高橋雅博事務局長より報告された。今後の組織の改革に向けて、組合の名称の変更やホームページの改善、SNSの活用など若い組合員の拡大や情勢の変化に対応できる組合活動の改善等が強調された。
 その他、決算報告・予算案が若色栄一会計担当より詳細に報告され、会計監査報告は芝崎貴子会計監査より報告がされた。
また、規約一部改正案の提案が高橋事務局長より」報告され、規約改正に関連した城北借組の動議が報告された。今回の規約改正では、全借連の会費と新聞代の値上げで反対意見があり、東借連が全借連に一括加入する規定を削除し、全借連に加盟するか否かは各組合が決める。また、現状の組織の実態に対応して評議員会を設ける規定を削除し、理事会が決議機関として理事会の機能を強化することが主な改正点である。
 運動方針と規
 約改正案採択

 午後の討論では、多摩借組の藤田代議員よりインターネットを使った家賃支払い等の実態調査の取組みや区議会や都議会に対する家賃補助創設等の要求運動の取組みが報告された。大竹代議員より羽田空港の再拡張と再開発問題や大田借組の総会の5年ぶりの開催と組織体制の整備について報告された。城北借組の小熊代議員より、地上げ屋と賃貸住宅の明渡し請求に対する取組みが報告された。足立借組の若色代議員より区が率先して、再開発の促進を進め、32階を超える高層ビルが足立区内に林立している実態を報告した。
城北借組の大和代議員より組合の認知度を高めるために、組合の名称の変更や組合がどういう組織なのか透明化する。若い人に協力してもらうためにボランティアだけではなく、対価を支払える組織に改善する等様々な意見が出された。
 討論のまとめが細谷会長より行われ、運動方針案・決算報告・会計監査報告・予算案・規約一部改正案が満場一致で採択された。次に、大竹役員選考委員長より次期役員推薦案が報告され、推薦案(1面参照)通り新役員15名が選出された。最後に浅子義光副会長より閉会の挨拶があり、総会は終了した。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする