東京都は27日、東京の土地の価格推移や利用状況等の情報を掲載した資料集「東京の土地 2008(土地関係資料集)」を発表した。
1975年以降毎年発行しているもので、今年で35回目。
地価が東京都全域の平均で、住宅地、商業地、全用途ともに前年より下落したことや、都内の大規模土地取引の届出件数は前年より減少し、届出面積が36%減少していること。都内の不動産証券化の届出件数や、新規分譲マンションの供給戸数も前年より減少していること等が記載されている。
同資料集は都民情報ルーム刊行物販売コーナー(東京都新宿区西新宿2丁目8-1 都庁第一本庁舎3階北側)で購入可能(1部580円)。なお概要については、東京都ホームページで閲覧可能。
1975年以降毎年発行しているもので、今年で35回目。
地価が東京都全域の平均で、住宅地、商業地、全用途ともに前年より下落したことや、都内の大規模土地取引の届出件数は前年より減少し、届出面積が36%減少していること。都内の不動産証券化の届出件数や、新規分譲マンションの供給戸数も前年より減少していること等が記載されている。
同資料集は都民情報ルーム刊行物販売コーナー(東京都新宿区西新宿2丁目8-1 都庁第一本庁舎3階北側)で購入可能(1部580円)。なお概要については、東京都ホームページで閲覧可能。
家賃の督促手段として、玄関ドアに退去を迫る文書などを張り付けられて居住権を侵害されたとして、兵庫県宝塚市の借り主が家賃保証会社に慰謝料など計120万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が28日、大阪簡裁であった。山本晃與(あきよし)裁判官は張り紙による督促を不法行為と認定し、同社に20万円の支払いを命じた。
支援団体「全国追い出し屋対策会議」事務局長で、原告代理人の堀泰夫司法書士は「業者に追い出し行為の禁止を迫る判決で、抑止効果が期待できる」と評価している。
原告は元飲食店アルバイトの女性(28)、被告は「日本セーフティー」(大阪市)。
判決によると、女性は05年、賃料10万5千円のマンションに入居。その際、同社を連帯保証人とする保証委託契約を結んだ。体調を崩して入院し、08年8~11月分の家賃を滞納。同社が家主側に家賃を立て替えたが、女性は同10月中に完納した。
だが同社従業員は同11月、滞納していないのに、女性宅の玄関ドアに「あらゆる強制手段を行使してでも、貴殿の債務を全額回収致します。その折には、貴殿の交渉には一切応じられません」と記した催告書などを張り付けた。
判決は催告書について「原告が心理的圧迫を受け、日々不安な生活を送らざるを得ないのは明らか」と指摘。「文言は決して穏当なものでなく、社会的相当性を著しく逸脱したものだ」と批判した。
同社は「判決文を見ていないのでコメントできない」としている。 (8月28日 朝日)
支援団体「全国追い出し屋対策会議」事務局長で、原告代理人の堀泰夫司法書士は「業者に追い出し行為の禁止を迫る判決で、抑止効果が期待できる」と評価している。
原告は元飲食店アルバイトの女性(28)、被告は「日本セーフティー」(大阪市)。
判決によると、女性は05年、賃料10万5千円のマンションに入居。その際、同社を連帯保証人とする保証委託契約を結んだ。体調を崩して入院し、08年8~11月分の家賃を滞納。同社が家主側に家賃を立て替えたが、女性は同10月中に完納した。
だが同社従業員は同11月、滞納していないのに、女性宅の玄関ドアに「あらゆる強制手段を行使してでも、貴殿の債務を全額回収致します。その折には、貴殿の交渉には一切応じられません」と記した催告書などを張り付けた。
判決は催告書について「原告が心理的圧迫を受け、日々不安な生活を送らざるを得ないのは明らか」と指摘。「文言は決して穏当なものでなく、社会的相当性を著しく逸脱したものだ」と批判した。
同社は「判決文を見ていないのでコメントできない」としている。 (8月28日 朝日)
賃貸マンションの借り主だった京都市北区の男性(54)が契約更新時に支払った過去5年分の更新料計50万円の返還を家主に求めた訴訟の控訴審判決が27日、大阪高裁であり、成田喜達裁判長(亀田広美裁判長代読)は「更新料の支払いを定めた特約は、借り主の利益を一方的に害し、消費者契約法により無効」と判断、借り主敗訴の一審京都地裁判決を変更し、家主に対し、同法施行後の4年分の40万円の返還を命じた。
更新料制度の有効・無効が争われた同種訴訟の判決はこれまで地裁レベルで4件あり、うち今回の一審も含めた3件が有効と判断した。7月の京都地裁で初めて無効判断が示され、今回は初の控訴審判決として注目されていた。
成田裁判長は、一審が「賃料の前払い」と認めた更新料の法的性質について、「契約条項に説明がなく、借り主、家主双方とも、賃料として認識していたとは言えない」と判断し、「対価性の乏しい支払いを義務づけ、借り主の義務を加重している」と指摘した。
その上で「一見、安い賃料であるかのような印象を借り主に与えるとともに、更新料を支払わなくても、契約が更新され得ることを気付かせにくくしている」と、借り主と家主の情報力の格差にも触れた。
判決によると、男性は2000年8月、1年ごとに更新料10万円を支払う契約で左京区内の賃貸マンションに入居し、05年8月までに計50万円を納めた。
家主側の弁護団は「貸主の事情を考慮しない不公正な判決だ」として、上告する方針。
【更新料】 賃貸物件の借り主が1、2年ごとの契約更新の際に家賃の1、2カ月分を家主に支払う慣習。1960年前後に定着したとみられ、地価の高騰に対応した「賃料の補充」的な性格などがあったとされるが、成立の経緯ははっきりしない。国土交通省の2007年3月の調査では、管理物件に更新料を設定している不動産業者は、神奈川、千葉、東京、埼玉、京都の5都府県で90~55%に上った一方、大阪、兵庫ではゼロだった。 (京都新聞 8月27日)
更新料制度の有効・無効が争われた同種訴訟の判決はこれまで地裁レベルで4件あり、うち今回の一審も含めた3件が有効と判断した。7月の京都地裁で初めて無効判断が示され、今回は初の控訴審判決として注目されていた。
成田裁判長は、一審が「賃料の前払い」と認めた更新料の法的性質について、「契約条項に説明がなく、借り主、家主双方とも、賃料として認識していたとは言えない」と判断し、「対価性の乏しい支払いを義務づけ、借り主の義務を加重している」と指摘した。
その上で「一見、安い賃料であるかのような印象を借り主に与えるとともに、更新料を支払わなくても、契約が更新され得ることを気付かせにくくしている」と、借り主と家主の情報力の格差にも触れた。
判決によると、男性は2000年8月、1年ごとに更新料10万円を支払う契約で左京区内の賃貸マンションに入居し、05年8月までに計50万円を納めた。
家主側の弁護団は「貸主の事情を考慮しない不公正な判決だ」として、上告する方針。
【更新料】 賃貸物件の借り主が1、2年ごとの契約更新の際に家賃の1、2カ月分を家主に支払う慣習。1960年前後に定着したとみられ、地価の高騰に対応した「賃料の補充」的な性格などがあったとされるが、成立の経緯ははっきりしない。国土交通省の2007年3月の調査では、管理物件に更新料を設定している不動産業者は、神奈川、千葉、東京、埼玉、京都の5都府県で90~55%に上った一方、大阪、兵庫ではゼロだった。 (京都新聞 8月27日)
8月27日15時10分配信 産経新聞
賃貸マンションの更新料は消費者契約法に違反し無効として、京都市の男性会社員がマンションの家主に、支払った5回分の更新料など55万5千円の返還を求めた訴訟の控訴審判決が27日、大阪高裁であった。成田喜達裁判長(亀田廣美裁判官代読)は、原告側の返還請求を退けた1審京都地裁判決を変更、家主側に4回分の更新料など45万円の返還を命じた。
一連の更新料返還訴訟で高裁による判断は初めて。今年7月には京都地裁が消費者契約法に照らして更新料特約を無効との初判断を示し、家主に全額返還を命じていた。
成田裁判長は判決理由で「更新料は単に契約更新時に支払われる金銭で、賃料の補充の性質を持っているとはいえない」と認定。消費者の利益を一方的に害する契約条項を無効とする消費者契約法10条に該当するとした。
(毎日新聞 8月27日)
賃貸マンションの更新料は消費者契約法に違反し無効だとして、借り主の会社員男性(54)=京都市=が貸主に更新料5回分など約55万円の返還を求めた訴訟の控訴審で、大阪高裁は27日、男性の請求を棄却した1審・京都地裁判決を変更し、貸主に45万5000円の返還を命じた。成田喜達裁判長(亀田広美裁判長代読)は「更新料の約定は消費者の利益を一方的に害しており、消費者契約法に反し無効」と指摘した。更新料返還を認める判決は、7月の京都地裁以来2件目で、高裁では初めて。貸主側は上告する方針。
判決によると、男性は00年8月、月額家賃4万5000円、更新料毎年10万円で、同市左京区のマンションを借りる契約を貸主と締結。06年11月に退去するまで6回更新し、うち5回更新料を支払った。
1審判決は「更新料はいわば賃料の前払いで、契約期間や家賃に照らし過大でなく、消費者の利益を一方的に害するものではない」として男性の請求を棄却、男性が控訴していた。【北川仁士】
賃貸マンションの更新料は消費者契約法に違反し無効として、京都市の男性会社員がマンションの家主に、支払った5回分の更新料など55万5千円の返還を求めた訴訟の控訴審判決が27日、大阪高裁であった。成田喜達裁判長(亀田廣美裁判官代読)は、原告側の返還請求を退けた1審京都地裁判決を変更、家主側に4回分の更新料など45万円の返還を命じた。
一連の更新料返還訴訟で高裁による判断は初めて。今年7月には京都地裁が消費者契約法に照らして更新料特約を無効との初判断を示し、家主に全額返還を命じていた。
成田裁判長は判決理由で「更新料は単に契約更新時に支払われる金銭で、賃料の補充の性質を持っているとはいえない」と認定。消費者の利益を一方的に害する契約条項を無効とする消費者契約法10条に該当するとした。
(毎日新聞 8月27日)
賃貸マンションの更新料は消費者契約法に違反し無効だとして、借り主の会社員男性(54)=京都市=が貸主に更新料5回分など約55万円の返還を求めた訴訟の控訴審で、大阪高裁は27日、男性の請求を棄却した1審・京都地裁判決を変更し、貸主に45万5000円の返還を命じた。成田喜達裁判長(亀田広美裁判長代読)は「更新料の約定は消費者の利益を一方的に害しており、消費者契約法に反し無効」と指摘した。更新料返還を認める判決は、7月の京都地裁以来2件目で、高裁では初めて。貸主側は上告する方針。
判決によると、男性は00年8月、月額家賃4万5000円、更新料毎年10万円で、同市左京区のマンションを借りる契約を貸主と締結。06年11月に退去するまで6回更新し、うち5回更新料を支払った。
1審判決は「更新料はいわば賃料の前払いで、契約期間や家賃に照らし過大でなく、消費者の利益を一方的に害するものではない」として男性の請求を棄却、男性が控訴していた。【北川仁士】
家賃保証会社や管理会社等による不当な滞納家賃の取立てや鍵交換・家財道具の処分等の被害の急増、賃貸住宅の原状回復や管理を巡るトラブルの増加を受けて、国土交通省は社会資本整備審議会の民間賃貸住宅部会は今年2月から審議を始め、7月31日の第6回目の審議で「中間とりまとめ」を発表した。
貸主側の論理が通る審議会
民間賃貸住宅部会は、委員の大半は不動産業界や貸主側の代表が占め、追い出し屋の規制に対して「事柄の本質は滞納家賃の回収は法的リスクが大きく、時間と労力の費用も極めて高くつく」、「業者が強引な退去強制や違法な督促行為に走りがちとなるのは当然である」(福井秀夫政策研究大学教授)など、露骨な不動産業界擁護発言が目立つ。
中間のまとめでは、追い出し屋の規制はトーンダウンして業界団体の自主規制の案が浮上し、悪質滞納者の締め出しを口実に賃借人に関する信用情報の入手、滞納発生時の円滑な明渡しの方策の検討が打ち出されている。また、原状回復のガイドラインの見直し、通常損耗については保険・保証による損失・負担の防止する仕組みの検討まで言い出している。また、礼金など「各種一時金の考え方の整理」に言及し、法的な根拠のない一時金の容認の動きもある。とくに借家人の居住の安定を脅かす定期借家制度については、「制度の認知度が未だに低く、十分に活用されていない。……普及・促進に取り組んでいくことが必要」と全体にわたり「貸し手側の論理に埋めつくされている」(週間東洋経済8月15日号)とマスコミ関係者からも批判の声も上がっている。
年内の答申に向け運動強化
民間賃貸住宅部会では、9月18日に消費者団体等からのヒアリングを行い、10月以降残された論点について議論を行い、年内に答申を行なう予定でいる。全国追い出し屋対策会議と住まいの貧困に取り組むネットワークでは9月13日に追い出し屋の法規制実現をめざして集会を開催するなど、今後も審議会に対する運動を強める予定でいる。
借地借家の賃貸トラブルのご相談は
東京多摩借地借家人組合まで
一人で悩まず 042(526)1094
貸主側の論理が通る審議会
民間賃貸住宅部会は、委員の大半は不動産業界や貸主側の代表が占め、追い出し屋の規制に対して「事柄の本質は滞納家賃の回収は法的リスクが大きく、時間と労力の費用も極めて高くつく」、「業者が強引な退去強制や違法な督促行為に走りがちとなるのは当然である」(福井秀夫政策研究大学教授)など、露骨な不動産業界擁護発言が目立つ。
中間のまとめでは、追い出し屋の規制はトーンダウンして業界団体の自主規制の案が浮上し、悪質滞納者の締め出しを口実に賃借人に関する信用情報の入手、滞納発生時の円滑な明渡しの方策の検討が打ち出されている。また、原状回復のガイドラインの見直し、通常損耗については保険・保証による損失・負担の防止する仕組みの検討まで言い出している。また、礼金など「各種一時金の考え方の整理」に言及し、法的な根拠のない一時金の容認の動きもある。とくに借家人の居住の安定を脅かす定期借家制度については、「制度の認知度が未だに低く、十分に活用されていない。……普及・促進に取り組んでいくことが必要」と全体にわたり「貸し手側の論理に埋めつくされている」(週間東洋経済8月15日号)とマスコミ関係者からも批判の声も上がっている。
年内の答申に向け運動強化
民間賃貸住宅部会では、9月18日に消費者団体等からのヒアリングを行い、10月以降残された論点について議論を行い、年内に答申を行なう予定でいる。全国追い出し屋対策会議と住まいの貧困に取り組むネットワークでは9月13日に追い出し屋の法規制実現をめざして集会を開催するなど、今後も審議会に対する運動を強める予定でいる。
借地借家の賃貸トラブルのご相談は
東京多摩借地借家人組合まで
一人で悩まず 042(526)1094
衆院選立候補予定者に対して、全国クレジット・サラ金問題対策協議会及び高金利引き下げ及び多重債務対策全国連絡会による「改正貸金業法の完全施行に関するアンケート」、生活保護問題対策全国会議及び全国生活保護裁判連絡会による「生活保護制度に関するアンケート」、反貧困ネットワークによる「貧困問題に関するアンケート」の結果が公表されました。
小修繕は借家人が自らの費用で行うとの特約がある場合に、屋根等の修繕義務を認めた事例(東京地裁平3・5・29判決、判例時報一四〇八号八九頁)
(事案)
この事件は、築後約二四年を経た建物(居宅)の借家人が原告となり、家主に対し屋根、壁、雨戸など四箇所の修繕を求めたものである。これに対し家主は、借家人の要求する修繕は新築同様又は賃料の三年分の費用がかかり経済的に修繕不能であり、借家人の要求は権利の監用であると争った。
(判決の要旨)
第一点、「特約」との関係。建物の部分的な小修繕は借家人が自らの費用を負担して行う旨の持約がある場合は、家主の修繕義務を負う部分と借家人が自己の費用をもって修繕すべき部分との調整が必要である。第二点、修繕義務の負担。小修繕に当るものの修繕について家主に修繕義務はないが、建物の改造、造作、模様替等建物の基本構造に影響すべき現状を変更する修繕部分は家主の負担すべき義務の範囲に属する。第三点、家主の修繕義務の程度。(1)築後相応の建物としての使用継読に支障が生じない程度でよい。新築同様の程度まで修繕すべき義務はない。
(2)修繕に多額の費用を要するもののうち、現状のままでも借家人側の受ける損失が小さいものにあっては借家人において現状を甘受すべきであり、家主に修繕義務はない。(3)借家人側に原因のある部分についても家主には修繕義務はない。(4)本件においては、二階屋根のセメント瓦のずれないし割れの部分一階便所等の上のさしかけ鉄板葺屋根の部分南側外壁のひび割れ部分、雨樋の損傷破損部分、二階和室天井板の剥離・割れの部分など六箇所について、従前と同品質又は同程度の材料と交換したりして修繕する義務が家主にある。(5)右の家主の修繕は、少なく見積もっても賃料の数か月分を超える費用が必要だが、この程度では修理不能の域に達しているとは認められず、さらに、家主は本件建物新築以来修繕費も支出したことがないというのであるから、今回の支出がある程度の額となっても、それをもって賃料との均衡を欠くものということはできない(賃料との均衡を失するというのであれば、末だ建直しの時期が到来していない本件建物にあっては賃料の増額方法によって調整されるべきである)。
(短評)
小修繕は借家人が行うとの特約がある場合、それを超える修繕は家主の義務であるが(民法六〇六条一項)、その限界は微妙な場合が多い。また、老朽化の程度によっては物理的にも修繕が不可能だったり、物理的には可能だが賃料に比してあまりにも多額の費用を要するときは経済的に修繕不能とされ、家主の修繕義務はそれだけ軽減又は免除される。事案毎に具体的に判断するほかないが、その一つの判断基準が比較的詳細に示された先例として、この判決の意義がある。
(弁護士 白石光征)
借地借家の賃貸トラブルのご相談は
東京多摩借地借家人組合まで
一人で悩まず 042(526)1094
(事案)
この事件は、築後約二四年を経た建物(居宅)の借家人が原告となり、家主に対し屋根、壁、雨戸など四箇所の修繕を求めたものである。これに対し家主は、借家人の要求する修繕は新築同様又は賃料の三年分の費用がかかり経済的に修繕不能であり、借家人の要求は権利の監用であると争った。
(判決の要旨)
第一点、「特約」との関係。建物の部分的な小修繕は借家人が自らの費用を負担して行う旨の持約がある場合は、家主の修繕義務を負う部分と借家人が自己の費用をもって修繕すべき部分との調整が必要である。第二点、修繕義務の負担。小修繕に当るものの修繕について家主に修繕義務はないが、建物の改造、造作、模様替等建物の基本構造に影響すべき現状を変更する修繕部分は家主の負担すべき義務の範囲に属する。第三点、家主の修繕義務の程度。(1)築後相応の建物としての使用継読に支障が生じない程度でよい。新築同様の程度まで修繕すべき義務はない。
(2)修繕に多額の費用を要するもののうち、現状のままでも借家人側の受ける損失が小さいものにあっては借家人において現状を甘受すべきであり、家主に修繕義務はない。(3)借家人側に原因のある部分についても家主には修繕義務はない。(4)本件においては、二階屋根のセメント瓦のずれないし割れの部分一階便所等の上のさしかけ鉄板葺屋根の部分南側外壁のひび割れ部分、雨樋の損傷破損部分、二階和室天井板の剥離・割れの部分など六箇所について、従前と同品質又は同程度の材料と交換したりして修繕する義務が家主にある。(5)右の家主の修繕は、少なく見積もっても賃料の数か月分を超える費用が必要だが、この程度では修理不能の域に達しているとは認められず、さらに、家主は本件建物新築以来修繕費も支出したことがないというのであるから、今回の支出がある程度の額となっても、それをもって賃料との均衡を欠くものということはできない(賃料との均衡を失するというのであれば、末だ建直しの時期が到来していない本件建物にあっては賃料の増額方法によって調整されるべきである)。
(短評)
小修繕は借家人が行うとの特約がある場合、それを超える修繕は家主の義務であるが(民法六〇六条一項)、その限界は微妙な場合が多い。また、老朽化の程度によっては物理的にも修繕が不可能だったり、物理的には可能だが賃料に比してあまりにも多額の費用を要するときは経済的に修繕不能とされ、家主の修繕義務はそれだけ軽減又は免除される。事案毎に具体的に判断するほかないが、その一つの判断基準が比較的詳細に示された先例として、この判決の意義がある。
(弁護士 白石光征)
借地借家の賃貸トラブルのご相談は
東京多摩借地借家人組合まで
一人で悩まず 042(526)1094
Q1 生活保護はどんな場合に利用できますか?
国が定めている「最低生活費」以下の収入しかなく、手持金や貯金などもわずかになり、今!生活に困窮している状況であれば誰でも生活保護制度を利用できます。最低生活費は、地域や年齢で細かく決められていますが、家賃・医療費・介護費を別にした生活費が1人暮しで6~8万程度、2人で9~12万円程度、3人で12~15万程度がおおまかな目安となります。
Q2 福祉事務所で保護を断られたらあきらめるしかありませんか?
不当に追い返されている可能性もあるので、あきらめる必要はありません。申請権があるので、申請書を出してもらい、「申請」しましょう。
Q3 申請はどこにするのですか?
住民票に関係なく、今あなたがいる場所の市役所や役場で申請できます。
Q4 外国籍でも生活保護を利用することはできますか?
外国籍の場合は、永住ビザや日本人の配偶者ビザなどの定住性のあるビザを持っている場合は生活保護を利用することができます。申請は外国人登録証のある場所の福祉事務所に行います。
※ 就労ビザや留学生ビザなど定住性がないビザの方はこのページ下側の相談窓口にご相談下さい。
Q5 申請して生活保護が開始されるまでどれ位かかりますか?
本来は申請のあった日から14日以内に書面で通知されることになっていますが、実際には30日程かかることが多い状況です。また30日を過ぎれば却下されたとみなして不服申し立てもできます。
Q6 現金を持っていると生活保護は利用できないのですか?
現金や預金の合計がQ1の最低生活費以下であれば利用できます。ただし基準の半額を超える分は最初の保護費から差し引かれます。
Q7 収入があると生活保護は利用できませんか?
収入があっても、最近の3ヶ月の平均収入が最低生活費以下であれば足りない分が支給されます。また医療費や介護費がかかる場合はその分もプラスされます。
Q8 生命保険は解約しなくてはいけないのですか?
解約したときの払戻金がQ1の最低生活費のおおむね3ヶ月以下で、保険料が最低生活費の1割程度以下であれば解約しなくても良いことになっています。貯蓄性の高い保険などについては解約して払戻金を生活費に当てることを求められます。
Q9 学資保険を続けることはできますか?
解約返戻金が50万円以下である場合は続けることができます。また生活保護を利用し始めた後で新たに加入することもできます。
Q10 野宿生活でも生活保護は利用できますか?
今いる場所の福祉事務所で申請できます。通常の生活費とは別に、アパート暮らしを始めるための敷金や生活用品代も受け取れます。
Q11 住む所がないと最初は施設に入るのですか?
本人の希望する場所で暮らすことができます。施設を断って最初からアパート暮らしを始めることもできます。
Q12 家賃が高いと生活保護は利用できないのですか?
支給される家賃額に上限がありますが利用できます。保護が始まったあとに低額な家賃の住居に転宅するように言われることがありますが、その場合は転居に必要な敷金等も支給されます。
Q13 持ち家があるのですが生活保護は利用できますか?
住むための家や活用している農地などは問題ありません。ただし資産価値が大きい土地や豪邸は処分して生活費に当てることを求められることがあります。
Q14 住宅ローンが残っていても大丈夫ですか?
原則として生活保護費で住宅ローンの支払いをすることはできません。例外的にローンの残金が少ない場合はローンの支払いを認められる事があります。住宅ローンが払えず家を手放さざるを得ない状態の場合も生活保護を利用できます。
Q15 借金がありますが生活保護は利用できますか?
利用できます。ただし、保護費から借金を返済することは望ましくありませんので、法律家に相談して任意整理や自己破産などで借金を整理しましょう。法律家の費用は分割で払う制度もあります。
※ 借金の整理についてはこのページ下側の相談窓口にご相談ください。
Q16 自動車やバイクは持てないのですか?
自動車は保有も運転も原則として制限されているのが現状です。仕事で原動機付自転車を使っている場合は認められることがあります。
Q17 65歳未満だと生活保護は利用できないのですか?
年齢制限はありません。18歳~64歳は働ける年齢とされていますが本気で仕事を探しているのに就職できない場合や収入が少ない場合は誰でも生活保護を利用することが出来ます。
Q18 どうすれば本気で仕事を探していると認められますか?
求人情報誌や新聞の求人欄を見たり、ハローワークに行ったり、電話をしたり、面接に行ったりした日時や内容をメモに残して福祉事務所で確認してもらいましょう。
Q19 親族に連絡すると言われましたが、どういうことですか?
生活保護を申請すると福祉事務所は、親や兄弟に「○○さんが生活保護の申請をしましたが、経済的な援助ができますか?」と問い合わせをします。親や兄弟は出来る範囲で援助すれば良いことになっており、金銭的に余裕がない場合は自由に断ることができます。
Q20 親族に居場所を知られない方法はありますか?
虐待を受けたなどの場合は連絡しないように福祉事務所に伝えれば、居場所を知られないようにしてもらえます。
Q21 生活福祉資金貸付制度とはどんな制度ですか?
社会福祉協議会が、急にお金が必要になった場合や修学資金を一時的に貸してくれる制度です。返済しなくてはなりませんから、収入の見込みがはっきりしない場合は生活保護制度を利用するべきでしょう。なお住民票と連帯保証人が必要です。
Q22 生活保護が認められない場合はどうすれば良いですか?
もう一度申請することも不服審査請求をすることもできますのであきらめることはありません。福祉事務所で「生活保護申請の取下げ」をする様に言われる事がありますが応じる必要はありません。
Q23 生活保護は打ち切られることがありますか?
福祉事務所が生活保護を打ち切るには面倒な手続きが必要ですが、最近は収入が少なくても、「仕事を探す努力をしていない」などの理由による無謀な打ち切りが増加しています。このよう場合には都道府県知事に不服申し立てができます。
Q24 保護辞退届けにはどういう意味があるのですか?
生活保護の無理な打ち切りを隠すために、自分から生活保護はいらないと申し出たことにする「保護辞退届け」に署名・捺印をするように求められる事があります。辞退届を書く義務はありません。(生活保護問題対策全国会議より)
国が定めている「最低生活費」以下の収入しかなく、手持金や貯金などもわずかになり、今!生活に困窮している状況であれば誰でも生活保護制度を利用できます。最低生活費は、地域や年齢で細かく決められていますが、家賃・医療費・介護費を別にした生活費が1人暮しで6~8万程度、2人で9~12万円程度、3人で12~15万程度がおおまかな目安となります。
Q2 福祉事務所で保護を断られたらあきらめるしかありませんか?
不当に追い返されている可能性もあるので、あきらめる必要はありません。申請権があるので、申請書を出してもらい、「申請」しましょう。
Q3 申請はどこにするのですか?
住民票に関係なく、今あなたがいる場所の市役所や役場で申請できます。
Q4 外国籍でも生活保護を利用することはできますか?
外国籍の場合は、永住ビザや日本人の配偶者ビザなどの定住性のあるビザを持っている場合は生活保護を利用することができます。申請は外国人登録証のある場所の福祉事務所に行います。
※ 就労ビザや留学生ビザなど定住性がないビザの方はこのページ下側の相談窓口にご相談下さい。
Q5 申請して生活保護が開始されるまでどれ位かかりますか?
本来は申請のあった日から14日以内に書面で通知されることになっていますが、実際には30日程かかることが多い状況です。また30日を過ぎれば却下されたとみなして不服申し立てもできます。
Q6 現金を持っていると生活保護は利用できないのですか?
現金や預金の合計がQ1の最低生活費以下であれば利用できます。ただし基準の半額を超える分は最初の保護費から差し引かれます。
Q7 収入があると生活保護は利用できませんか?
収入があっても、最近の3ヶ月の平均収入が最低生活費以下であれば足りない分が支給されます。また医療費や介護費がかかる場合はその分もプラスされます。
Q8 生命保険は解約しなくてはいけないのですか?
解約したときの払戻金がQ1の最低生活費のおおむね3ヶ月以下で、保険料が最低生活費の1割程度以下であれば解約しなくても良いことになっています。貯蓄性の高い保険などについては解約して払戻金を生活費に当てることを求められます。
Q9 学資保険を続けることはできますか?
解約返戻金が50万円以下である場合は続けることができます。また生活保護を利用し始めた後で新たに加入することもできます。
Q10 野宿生活でも生活保護は利用できますか?
今いる場所の福祉事務所で申請できます。通常の生活費とは別に、アパート暮らしを始めるための敷金や生活用品代も受け取れます。
Q11 住む所がないと最初は施設に入るのですか?
本人の希望する場所で暮らすことができます。施設を断って最初からアパート暮らしを始めることもできます。
Q12 家賃が高いと生活保護は利用できないのですか?
支給される家賃額に上限がありますが利用できます。保護が始まったあとに低額な家賃の住居に転宅するように言われることがありますが、その場合は転居に必要な敷金等も支給されます。
Q13 持ち家があるのですが生活保護は利用できますか?
住むための家や活用している農地などは問題ありません。ただし資産価値が大きい土地や豪邸は処分して生活費に当てることを求められることがあります。
Q14 住宅ローンが残っていても大丈夫ですか?
原則として生活保護費で住宅ローンの支払いをすることはできません。例外的にローンの残金が少ない場合はローンの支払いを認められる事があります。住宅ローンが払えず家を手放さざるを得ない状態の場合も生活保護を利用できます。
Q15 借金がありますが生活保護は利用できますか?
利用できます。ただし、保護費から借金を返済することは望ましくありませんので、法律家に相談して任意整理や自己破産などで借金を整理しましょう。法律家の費用は分割で払う制度もあります。
※ 借金の整理についてはこのページ下側の相談窓口にご相談ください。
Q16 自動車やバイクは持てないのですか?
自動車は保有も運転も原則として制限されているのが現状です。仕事で原動機付自転車を使っている場合は認められることがあります。
Q17 65歳未満だと生活保護は利用できないのですか?
年齢制限はありません。18歳~64歳は働ける年齢とされていますが本気で仕事を探しているのに就職できない場合や収入が少ない場合は誰でも生活保護を利用することが出来ます。
Q18 どうすれば本気で仕事を探していると認められますか?
求人情報誌や新聞の求人欄を見たり、ハローワークに行ったり、電話をしたり、面接に行ったりした日時や内容をメモに残して福祉事務所で確認してもらいましょう。
Q19 親族に連絡すると言われましたが、どういうことですか?
生活保護を申請すると福祉事務所は、親や兄弟に「○○さんが生活保護の申請をしましたが、経済的な援助ができますか?」と問い合わせをします。親や兄弟は出来る範囲で援助すれば良いことになっており、金銭的に余裕がない場合は自由に断ることができます。
Q20 親族に居場所を知られない方法はありますか?
虐待を受けたなどの場合は連絡しないように福祉事務所に伝えれば、居場所を知られないようにしてもらえます。
Q21 生活福祉資金貸付制度とはどんな制度ですか?
社会福祉協議会が、急にお金が必要になった場合や修学資金を一時的に貸してくれる制度です。返済しなくてはなりませんから、収入の見込みがはっきりしない場合は生活保護制度を利用するべきでしょう。なお住民票と連帯保証人が必要です。
Q22 生活保護が認められない場合はどうすれば良いですか?
もう一度申請することも不服審査請求をすることもできますのであきらめることはありません。福祉事務所で「生活保護申請の取下げ」をする様に言われる事がありますが応じる必要はありません。
Q23 生活保護は打ち切られることがありますか?
福祉事務所が生活保護を打ち切るには面倒な手続きが必要ですが、最近は収入が少なくても、「仕事を探す努力をしていない」などの理由による無謀な打ち切りが増加しています。このよう場合には都道府県知事に不服申し立てができます。
Q24 保護辞退届けにはどういう意味があるのですか?
生活保護の無理な打ち切りを隠すために、自分から生活保護はいらないと申し出たことにする「保護辞退届け」に署名・捺印をするように求められる事があります。辞退届を書く義務はありません。(生活保護問題対策全国会議より)
(財)日本賃貸住宅管理協会(会長:三好 修氏)傘下の賃貸保証制度協議会(会長:井坂泰志氏)は20日、自主ルールの改定を行なったと発表した。
賃貸保証制度が普及する一方、賃貸保証会社の行き過ぎた督促(求償権行使)が一部で発生していることから、国土交通省と東京都から要請を受け、家賃債務保証業務の適正な実施について検討してきたもの。
「求償権の行使」については、(1)貼り紙、文書提示等により、契約者に賃料債務または求償債務の滞納が生じている事実を第三者に明らかにすること、(2)社会通念上不適当と認められる時間帯に契約者等に電話をかける等すること、(3)契約者等の勤務先その他の居宅以外の場所に電話をかける等すること、(4)契約者等の居宅または勤務先等を訪問した際に、契約者等から当該場所から退去すべき旨の意思を示されたのにも関わらず、当該場所から退去しないこと、(5)契約者等に対し、前述のいずれかに掲げる言動をすることを告げることなどにつき、法令上認められる場合、もしくは契約者等の承諾があるといった正当な理由なしにこれらの行為を行ない、契約者の平穏な生活を侵害してはならないとした。
さらに、(1)契約者の物件に立ち入ること、(2)物件への入居を完全に排除する物理的な措置を講ずること、(3)賃貸借契約上の解除権を契約者の代理行使すること、(4)物件の明渡完了前に動産の搬出・処分を行なうこと、なども行なってはならないと明記した。
今回の改定について、同協会会長の三好 修氏は「新しい自主ルールによって、協議会のメンバーに関しては、トラブルが大幅に減ると思う。賃貸保証業界の信頼が増すことを期待したい」とコメントしている。
(財)日本賃貸住宅管理協会
(8月21日 不動産最新ニュース)
賃貸保証制度が普及する一方、賃貸保証会社の行き過ぎた督促(求償権行使)が一部で発生していることから、国土交通省と東京都から要請を受け、家賃債務保証業務の適正な実施について検討してきたもの。
「求償権の行使」については、(1)貼り紙、文書提示等により、契約者に賃料債務または求償債務の滞納が生じている事実を第三者に明らかにすること、(2)社会通念上不適当と認められる時間帯に契約者等に電話をかける等すること、(3)契約者等の勤務先その他の居宅以外の場所に電話をかける等すること、(4)契約者等の居宅または勤務先等を訪問した際に、契約者等から当該場所から退去すべき旨の意思を示されたのにも関わらず、当該場所から退去しないこと、(5)契約者等に対し、前述のいずれかに掲げる言動をすることを告げることなどにつき、法令上認められる場合、もしくは契約者等の承諾があるといった正当な理由なしにこれらの行為を行ない、契約者の平穏な生活を侵害してはならないとした。
さらに、(1)契約者の物件に立ち入ること、(2)物件への入居を完全に排除する物理的な措置を講ずること、(3)賃貸借契約上の解除権を契約者の代理行使すること、(4)物件の明渡完了前に動産の搬出・処分を行なうこと、なども行なってはならないと明記した。
今回の改定について、同協会会長の三好 修氏は「新しい自主ルールによって、協議会のメンバーに関しては、トラブルが大幅に減ると思う。賃貸保証業界の信頼が増すことを期待したい」とコメントしている。
(財)日本賃貸住宅管理協会
(8月21日 不動産最新ニュース)
競売にかけられる不動産の数がこの1年余りでほぼ倍増したことが、不動産競売流通協会の調べで分かった。住宅ローン返済に行き詰まる人が増えているのが原因とみられる。競売までの手続きには1年弱かかるため、この夏のボーナス大幅カットの影響が出るのは来春ごろ。競売数はさらに増える可能性がある。
競売は、借金の返済が行き詰まり、担保物件の買い手が見つからないときに裁判所を通じて売りに出す手続き。裁判所ごとに物件情報を公告するが、全国の集計値は公表されていなかった。20日に不動産業者らでつくる不動産競売流通協会が初めてまとめた。
協会によると、08年3月の競売物件は3773件だったが、昨年夏から急増。今年3月には7千件を突破。7月は前年同月比70%増の7229件だった。毎月の競売の約半数は戸建て住宅、2割弱がマンション住戸、残りが土地や事業用不動産など。戸建ての競売は08年3月の1744件から09年7月には3512件まで膨らんだ。
都道府県別では、1千世帯あたり競売物件数(08年7月~09年6月)が最も多かったのは茨城と宮崎の34件。山梨32件、福井30件と続き、都市部より地方で競売物件が多い傾向がみられた。
協会の吉村光司代表理事は「一定期間たつと金利が上がる住宅ローンを組んだものの、予想していた昇進・昇給が実現せず、返済に行き詰まる世帯が増えている」と分析。また、不動産業界の資金繰りが悪化し、競売前の任意売却では買い手が見つかりにくくなっていることも、背景にあるという。 (朝日 8月21日)
競売は、借金の返済が行き詰まり、担保物件の買い手が見つからないときに裁判所を通じて売りに出す手続き。裁判所ごとに物件情報を公告するが、全国の集計値は公表されていなかった。20日に不動産業者らでつくる不動産競売流通協会が初めてまとめた。
協会によると、08年3月の競売物件は3773件だったが、昨年夏から急増。今年3月には7千件を突破。7月は前年同月比70%増の7229件だった。毎月の競売の約半数は戸建て住宅、2割弱がマンション住戸、残りが土地や事業用不動産など。戸建ての競売は08年3月の1744件から09年7月には3512件まで膨らんだ。
都道府県別では、1千世帯あたり競売物件数(08年7月~09年6月)が最も多かったのは茨城と宮崎の34件。山梨32件、福井30件と続き、都市部より地方で競売物件が多い傾向がみられた。
協会の吉村光司代表理事は「一定期間たつと金利が上がる住宅ローンを組んだものの、予想していた昇進・昇給が実現せず、返済に行き詰まる世帯が増えている」と分析。また、不動産業界の資金繰りが悪化し、競売前の任意売却では買い手が見つかりにくくなっていることも、背景にあるという。 (朝日 8月21日)
タイトル:処分事例虚偽の賃貸借契約書の作成
《要旨》
建物賃貸借に係る貸主代理において虚偽の賃貸借契約書を作成した等として、代理業者が9か月間の業務停止処分とされた。
(1)事実関係
貸主Xは、区分所有するマンションの一室を賃貸するに当たり、業者Yに媒介を依頼し、その管理も委託していた。
Xは、Yから、「前借主Aが退去し、その後空室であったが、借主Bが現れた。」として、Yの媒介により、Bとの間で賃貸借契約を締結した。しかし、それから6か月が経過すると、家賃がXに入金されなくなり、Xが調べたところ、当該物件にはAが入居したままであった。
Xは、Yが、Yの媒介により他の賃貸物件に住んでいるBに関する情報をもとに、Bからの入居申込書及び賃貸借契約書を偽造し、家賃を着服している可能性があるなどとして、行政庁に来庁した。
(2)事情聴取
行政庁で、Yに事情を聴こうとしたが、Yはそれに応じず、また、行政処分の聴聞にも欠席した。
(3)処 分
行政庁は、Yは、建物賃貸借に係る貸主代理において、当該物件に従前からの賃借人が居住しているにもかかわらず、貸主に、空室になったと称し、新規入居者との間で賃貸借契約を締結する旨の虚偽を告げて、自らが媒介者となり、関係の無い第三者を借主とする賃貸借契約を締結させた、また、当該案件に係る調査に応じなかったとして、Yを9月間の業務停止処分とした。
《要旨》
建物賃貸借に係る貸主代理において虚偽の賃貸借契約書を作成した等として、代理業者が9か月間の業務停止処分とされた。
(1)事実関係
貸主Xは、区分所有するマンションの一室を賃貸するに当たり、業者Yに媒介を依頼し、その管理も委託していた。
Xは、Yから、「前借主Aが退去し、その後空室であったが、借主Bが現れた。」として、Yの媒介により、Bとの間で賃貸借契約を締結した。しかし、それから6か月が経過すると、家賃がXに入金されなくなり、Xが調べたところ、当該物件にはAが入居したままであった。
Xは、Yが、Yの媒介により他の賃貸物件に住んでいるBに関する情報をもとに、Bからの入居申込書及び賃貸借契約書を偽造し、家賃を着服している可能性があるなどとして、行政庁に来庁した。
(2)事情聴取
行政庁で、Yに事情を聴こうとしたが、Yはそれに応じず、また、行政処分の聴聞にも欠席した。
(3)処 分
行政庁は、Yは、建物賃貸借に係る貸主代理において、当該物件に従前からの賃借人が居住しているにもかかわらず、貸主に、空室になったと称し、新規入居者との間で賃貸借契約を締結する旨の虚偽を告げて、自らが媒介者となり、関係の無い第三者を借主とする賃貸借契約を締結させた、また、当該案件に係る調査に応じなかったとして、Yを9月間の業務停止処分とした。
賃貸住宅入居者の連帯保証を請け負っている家賃保証会社が共同で、滞納者らの信用情報の一括管理に乗り出す。情報のデータベース(DB)化を進める社団法人を今月末に設立する。家賃滞納者のブラックリストをつくり、滞納常習者を締め出す。家賃を一度でも滞納してリストに載ってしまえば、その後の住まい探しが困難になる恐れがある。
DB化は、家賃保証会社約40社でつくる「賃貸保証制度協議会」が19日にも方針を決め、31日までに「全国賃貸保証業協会」を発足させる。当初は家賃保証会社15社前後の参加を見込む。上部組織で、賃貸住宅管理者ら約1100社が加盟する「日本賃貸住宅管理協会(日管協)」も信用情報を共有する構想もある。実現すれば、約1260万戸の民間賃貸市場の4分の1をカバーしたDBができる。
会員となる会社は、保証している入居者の滞納額など家賃支払い状況を登録。当初参加する15社の新規契約は年約120万件を想定。滞納の発生率は1割前後とされるため、年12万件の滞納情報が蓄積される見込みだ。
保証会社が今後契約する分が対象で、入居者の同意を得て登録する。更新契約も対象になる。ただ、立場の弱い入居者が契約時に登録を拒むことは実際は難しいとみられる。明け渡し訴訟の情報は過去のデータも記録される。
制度の詳細は未定だが、入居者は個人情報保護法に基づき、自分の登録データの開示を求め、間違いがあれば訂正することも可能になる見込みだ。だが、そうした手続きをとらなければ、入居者がリストの内容を知ることはない。契約の際、家主側から一方的に拒まれる恐れは消えない。
DB構想の背景には、不況で収入が減り、家賃を払えない入居者が増えている事情がある。保証会社が家賃を肩代わりするケースが続出し、保証会社による悪質な「追い出し」も社会問題化した。このため、家賃滞納などのトラブルを未然に防止する方策として、DB構想が浮上した。
業界側は、家賃をきちんと払っている入居者の信用力を高め、職業や年齢、国籍などを理由に門前払いされるケースを防止できると強調している。ただ一時的な家賃滞納でも、いったんDBに載れば、常習者と同様に賃貸住宅を借りにくくなる可能性がある。
日本では、「住まい」は様々な権利の基点とされる。住居がないと住民票が作れず、国民健康保険や年金が得られなかったり、選挙に行けなくなったりする恐れがある。
生活困窮者のアパート入居の際の連帯保証人になっているNPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」の湯浅誠事務局長は「業者から一方的に『悪質』と認定され、ホームレスになる人が増える恐れがある。雇用政策や福祉対策も考えないと、社会を不安定にする要素がさらに増えてしまう」と批判する。(織田一、久保智)
◇
■家賃保証会社 賃貸住宅の契約時に入居者から一定の保証料を取り、連帯保証人となる。入居者が家賃を滞納した場合、肩代わりする。立て替え分は後日回収する。滞納が続くと、明け渡し請求手続きを代行することもある。
連帯保証人を見つけられない低所得者が増えたうえ、滞納を避けたい家主側の需要もあり、業界は急成長。国土交通省によると全国で約70社。民間賃貸契約の約4割にかかわっているとのデータもある。民間信用調査会社の調べでは把握できる29社の売り上げは08年は約218億円で、2年前の2倍以上に達した。
(朝日 8月15日)
DB化は、家賃保証会社約40社でつくる「賃貸保証制度協議会」が19日にも方針を決め、31日までに「全国賃貸保証業協会」を発足させる。当初は家賃保証会社15社前後の参加を見込む。上部組織で、賃貸住宅管理者ら約1100社が加盟する「日本賃貸住宅管理協会(日管協)」も信用情報を共有する構想もある。実現すれば、約1260万戸の民間賃貸市場の4分の1をカバーしたDBができる。
会員となる会社は、保証している入居者の滞納額など家賃支払い状況を登録。当初参加する15社の新規契約は年約120万件を想定。滞納の発生率は1割前後とされるため、年12万件の滞納情報が蓄積される見込みだ。
保証会社が今後契約する分が対象で、入居者の同意を得て登録する。更新契約も対象になる。ただ、立場の弱い入居者が契約時に登録を拒むことは実際は難しいとみられる。明け渡し訴訟の情報は過去のデータも記録される。
制度の詳細は未定だが、入居者は個人情報保護法に基づき、自分の登録データの開示を求め、間違いがあれば訂正することも可能になる見込みだ。だが、そうした手続きをとらなければ、入居者がリストの内容を知ることはない。契約の際、家主側から一方的に拒まれる恐れは消えない。
DB構想の背景には、不況で収入が減り、家賃を払えない入居者が増えている事情がある。保証会社が家賃を肩代わりするケースが続出し、保証会社による悪質な「追い出し」も社会問題化した。このため、家賃滞納などのトラブルを未然に防止する方策として、DB構想が浮上した。
業界側は、家賃をきちんと払っている入居者の信用力を高め、職業や年齢、国籍などを理由に門前払いされるケースを防止できると強調している。ただ一時的な家賃滞納でも、いったんDBに載れば、常習者と同様に賃貸住宅を借りにくくなる可能性がある。
日本では、「住まい」は様々な権利の基点とされる。住居がないと住民票が作れず、国民健康保険や年金が得られなかったり、選挙に行けなくなったりする恐れがある。
生活困窮者のアパート入居の際の連帯保証人になっているNPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」の湯浅誠事務局長は「業者から一方的に『悪質』と認定され、ホームレスになる人が増える恐れがある。雇用政策や福祉対策も考えないと、社会を不安定にする要素がさらに増えてしまう」と批判する。(織田一、久保智)
◇
■家賃保証会社 賃貸住宅の契約時に入居者から一定の保証料を取り、連帯保証人となる。入居者が家賃を滞納した場合、肩代わりする。立て替え分は後日回収する。滞納が続くと、明け渡し請求手続きを代行することもある。
連帯保証人を見つけられない低所得者が増えたうえ、滞納を避けたい家主側の需要もあり、業界は急成長。国土交通省によると全国で約70社。民間賃貸契約の約4割にかかわっているとのデータもある。民間信用調査会社の調べでは把握できる29社の売り上げは08年は約218億円で、2年前の2倍以上に達した。
(朝日 8月15日)
■賃借人破産の場合
賃借人が破産した場合には,民法旧621 条が,破産法の特則として,賃貸人の解約権を認めていたが,今般の改正に伴い,同規定は削除された。その結果,賃借人の破産の場合についても,破産法53 条が当然に適用され,管財人が解除,契約の履行の選択権を有し,賃貸人からの解約権は認められないこととなった。
■賃貸人破産の場合
賃貸人破産の場合の主な改正点は,①賃借人に対抗要件のある場合の解除権の制限,②賃料債権の処分等の制限廃止,③賃料相殺の制限廃止・敷金の取扱い,
の3 点である。
①賃借人に対抗要件のある場合の解除権の制限改正前破産法において,賃貸借契約に同規定が適用されるか否かについては見解が分かれていたが,破産法56 条1 項において,賃貸人が破産した場合,契約の相手方たる賃借人が賃借権につき対抗要件を備えている場合には,破産法53 条1 項及び2 項が適用されず,管財人による解除選択の対象とならないことが明文化された。
②賃料債権の処分等の制限廃止
改正前破産法63 条1 項は,賃貸人破産の場合において,賃貸人が破産宣告前に賃料の前払いを受け,または賃料債権を譲渡していた(以下,これらを併せて「処分等」という)場合に,破産宣告の時における当期及び次期に関するもの以外はその効果を管財人(破産財団)に主張することができないものとしていた。しかし,現代社会における将来の賃料の経済価値を利用する取引の保護の必要性,及び通常の取引や個別執行の場合の取扱いとの平仄を図る必要性から,破産法は,改正前破産法63 条を削除して,賃料の処分等は,無制限に管財人(破産財団)に対抗できることとした(ただし,賃料債権譲渡については第三者対抗要件が必要である)。
③賃料相殺の制限廃止・敷金の取扱い
改正前破産法103 条1 項は,賃料債務を受働債権とする賃借人からの相殺を当期・次期分しか認めず,ただ,敷金がある場合には,その返還請求権の限度で,当期・次期を超える賃料部分との相殺も認められるものとしていた。しかし,破産法は,賃料の処分等の制限のみならず,賃料を受働債権とする相殺の制限も廃止した。また,破産法は,賃借人は管財人に対して賃料を弁済する際に,敷金の債権額を限度として,賃料弁済額の寄託を請求することができることを明確化した(破70 後段)。
■賃貸人が民事再生・会社更生の場合
賃貸人が民事再生・会社更生の場合においては,各法において従来準用していた改正前破産法63 条,103条が削除されたため,破産の場合と同じく,賃料の処
分等・相殺の制限はなくなった。ただし,破産の場合とは異なり,今般の改正により,相殺ができるのは,手続開始後に弁済期が到来すべき賃料債務のうち,手
続開始時の賃料の6 ヶ月分相当額の限度内のものに制限され,また,相殺されなかった場合には,同限度内の敷金が共益債権化されることとなった(民再92 条2
項3 項,会更48 条2 項3 項)。
借地借家の賃貸トラブルのご相談は
東京多摩借地借家人組合まで
一人で悩まず 042(526)1094
8月14日~8月20日まで相談業務はお休みいたします。
賃借人が破産した場合には,民法旧621 条が,破産法の特則として,賃貸人の解約権を認めていたが,今般の改正に伴い,同規定は削除された。その結果,賃借人の破産の場合についても,破産法53 条が当然に適用され,管財人が解除,契約の履行の選択権を有し,賃貸人からの解約権は認められないこととなった。
■賃貸人破産の場合
賃貸人破産の場合の主な改正点は,①賃借人に対抗要件のある場合の解除権の制限,②賃料債権の処分等の制限廃止,③賃料相殺の制限廃止・敷金の取扱い,
の3 点である。
①賃借人に対抗要件のある場合の解除権の制限改正前破産法において,賃貸借契約に同規定が適用されるか否かについては見解が分かれていたが,破産法56 条1 項において,賃貸人が破産した場合,契約の相手方たる賃借人が賃借権につき対抗要件を備えている場合には,破産法53 条1 項及び2 項が適用されず,管財人による解除選択の対象とならないことが明文化された。
②賃料債権の処分等の制限廃止
改正前破産法63 条1 項は,賃貸人破産の場合において,賃貸人が破産宣告前に賃料の前払いを受け,または賃料債権を譲渡していた(以下,これらを併せて「処分等」という)場合に,破産宣告の時における当期及び次期に関するもの以外はその効果を管財人(破産財団)に主張することができないものとしていた。しかし,現代社会における将来の賃料の経済価値を利用する取引の保護の必要性,及び通常の取引や個別執行の場合の取扱いとの平仄を図る必要性から,破産法は,改正前破産法63 条を削除して,賃料の処分等は,無制限に管財人(破産財団)に対抗できることとした(ただし,賃料債権譲渡については第三者対抗要件が必要である)。
③賃料相殺の制限廃止・敷金の取扱い
改正前破産法103 条1 項は,賃料債務を受働債権とする賃借人からの相殺を当期・次期分しか認めず,ただ,敷金がある場合には,その返還請求権の限度で,当期・次期を超える賃料部分との相殺も認められるものとしていた。しかし,破産法は,賃料の処分等の制限のみならず,賃料を受働債権とする相殺の制限も廃止した。また,破産法は,賃借人は管財人に対して賃料を弁済する際に,敷金の債権額を限度として,賃料弁済額の寄託を請求することができることを明確化した(破70 後段)。
■賃貸人が民事再生・会社更生の場合
賃貸人が民事再生・会社更生の場合においては,各法において従来準用していた改正前破産法63 条,103条が削除されたため,破産の場合と同じく,賃料の処
分等・相殺の制限はなくなった。ただし,破産の場合とは異なり,今般の改正により,相殺ができるのは,手続開始後に弁済期が到来すべき賃料債務のうち,手
続開始時の賃料の6 ヶ月分相当額の限度内のものに制限され,また,相殺されなかった場合には,同限度内の敷金が共益債権化されることとなった(民再92 条2
項3 項,会更48 条2 項3 項)。
借地借家の賃貸トラブルのご相談は
東京多摩借地借家人組合まで
一人で悩まず 042(526)1094
8月14日~8月20日まで相談業務はお休みいたします。
日本経団連は2009年度規制改革要望で、「定期借家制度の見直し」、「借地借家法における正当事由制度の見直し」を発表し、借地借家法の改悪に向けて「有効な措置を取るべき」と提言しています。また、現在審議中の国土交通省の民間賃貸住宅部会でも「定期借家制度の普及促進が賃貸トラブルの防止や賃貸住宅ストックの向上につながる」の見解を中心的なテーマにしようと、年内に答申をまとめる作業を進めています。こうした動きに連動して、政党の中には総選挙のマニフェストに「定期借家制度の普及推進」を公約に掲げるなど、定期借家制度が住宅政策の大きなテーマになっています。定期借家制度は賃借人の居住や営業の安定を脅かす制度であり、何としてもこうした動きをストップさせなければなりません。定期借家制度の問題点を学習し、借地借家法改悪反対の運動を大いに国民の中に広げていきましょう。
■日時 9月5日(土)午後1時30分開会
■会場 港勤労福祉会館(JR山手線、京浜東北線田町駅西口徒歩5分 地下鉄浅草線、三田線三田駅徒歩1分)
■基調報告 全国公団住宅自治会協議会 多和田代表幹事
■その他各団体の報告
■日時 9月5日(土)午後1時30分開会
■会場 港勤労福祉会館(JR山手線、京浜東北線田町駅西口徒歩5分 地下鉄浅草線、三田線三田駅徒歩1分)
■基調報告 全国公団住宅自治会協議会 多和田代表幹事
■その他各団体の報告