東京多摩借地借家人組合

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底地買い業者が通路を補修したら、無断でやったと契約解除通知 

2023年03月31日 | 明渡しと地上げ問題
 三鷹市内で約29坪の土地を借りている山内さん(仮名)は、6年前に地主が土地をT株式会社に売却し、山内さんは高齢のため3人の娘さんたちが心配して、相談できるところはないかインターネットで調べ、多摩借組に入会した。 
        
 T株式会社との交渉は組合が間に立ち、地代もT社の社員が集金に来ていたが、土地の買い取りも借地権の売却も拒否すると、地代の集金に来なくなり、現在は地代を法務局に供託している。

 山内さんは高齢で要介護状態のため、私道の通路がガタガタで通行することが危険なため、昨年介護保険を使って通路を補修しようとT社に許可を求めたが、T社は理由も示さず拒否してきた。そこで、昨年8月に介護保険は使わず、自費で通路を安全に通行できるよう補修した。

 するとT社は、今年2月に入り、突然内容証明郵便で「賃借人の住宅改修は承諾しない旨を通知したにもかかわらず、改修が行われた。賃借人との信頼関係が崩壊したことは明らかであり、本契約を解除する」と一方的に通知してきた。

 組合では、山内さん達と相談。直ちに内容証明郵便で「信頼関係破壊に当たらす契約の解除は認められない」と反論した。(東京借地借家人新聞より)


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最高裁判決を受け、家賃保証業者の早期の法規制を求めて院内集会を開催

2023年03月28日 | 追い出し屋被害 家賃保証会社
 住まい連・全借連など住宅運動4団体の共催で3月27日「最高裁判決から賃貸住宅契約、保証人、保証業者問題を考える」が衆議院第1議員会館で開催され、参加者はオンライン含め44名が参加しました。家賃保証業者が野放し状態で、多くの賃借人の権利が脅かされ、早期の法規制を求める声が強く上がりました。

 院内集会の総合司会は綾達子全借連事務局次長が担当し、初めに坂庭国晴住まい連代表幹事が開会挨拶を行い、「公営住宅に保証人を必要とする自治体が市区町村で6割以上あり、保証人規定を削除する運動が必要」と訴えました。  
基調講演は「最高裁判決の意義と居住者の権利~家賃保証業者の法的規制」と題して、適格消費者団体主任弁護人の増田尚弁護士が講演しました。

 増田弁護士は大阪地裁・大阪高裁の判決と最高裁判決を比較し、最高裁判決でとくに無催告解除の条項について、「無催告での解除を認めることは、賃借人の生活の基盤を失わせる重大な事態を招来し得る」と催告の必要性が強調されたことなど最高裁判決が詳細に報告されました。また、家賃債務保証業に法的な規制、不当な求償権(取立行為)の行使禁止などが強調されました。

 特別報告「家賃保証業者の調査から~被害実態と意見要望」について藤田美佳全借連理事が報告しました。藤田理事は賃借時の保証契約について約半数の賃借人が連帯保証人と保証会社の両方を契約条件とさせられ、保証会社との契約に緊急連絡先も連帯保証人もどちらもないと賃貸住宅を借りられないので、緊急な対策が必要であると指摘しました。家賃保証は家主のための制度であり、家主の負担で保険制度を作るべきと訴えました。

 会場から4名の方が発言し、「保証業者は家賃を滞納すると分割払いにも応じてくれず、突然立ち退きを請求され、立ち退いても保証会社の審査にも落ちた。非正規でも安心して住宅を借りられる制度にしてほしい」と泣きながら訴える参加者の話に心を打たれました。

 集会には立憲民主党の小宮山泰子衆院議員、日本共産党の高橋千鶴子衆院議員、田村智子参院議員が挨拶しました。



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通常損耗に関する補修費用を賃借人が負担する旨の特約が成立していないとされた事例(最高裁第2小法廷判決)

2023年03月20日 | 敷金と原状回復
 (判決要旨)
⑴建物の賃貸借において、賃借人が社会通念上の使用をした場合に生ずる賃貸借物件の劣化叉は価値の減少を意味する通常損耗に係る投下資本の回収は、通常、減価償却費や修繕費等の必要経費分を賃料の中に含ませてその支払いを受けることにより行われている。
⑵賃借人に通常損耗についての原状回復義務を負わせるのは、賃借人に予期しない特別の負担を課すことになるから、賃借人に同義務が認められるためには、少なくとも、賃借人が補修費用を負担することになる通常損耗の範囲が賃貸借契約の条項自体に具体的に明記されているか、仮に契約書で明らかでない場合には、賃貸人が口頭により説明し、賃借人がその旨を明確に認識し、それを合意の内容としたものと認められるなど、その旨の特約(通常損耗補修特約)が明確に合意していることが必要であると解するのが相当である。
⑶原状回復の特約である本契約書22条2項自体において通常損耗補修特約の内容が具体的に明記されているということはできない。┉┉┉

 上記の判例は、最高裁平成17年12月16日 判事1921号61頁の有名な判決です。この判決によって、特約を定めても3つの要件、①特約の必要性があり。かつ暴利的ではないなどの客観的、合理的理由が存在すること。②賃借人が特約によって通常の回復義務を超えた修繕等の義務を負うことについて認識していること。③賃借人が特約による義務負担の意思表示をしていること。以上の要件に反した特約は全て無効です。ぜひ、皆さん覚えておいてください。(東京多摩借組ニュースより)
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4月から借地借家問題市民セミナー開催 4月三鷹市 5月八王子市

2023年03月20日 | 借地借家問題セミナーと相談会
 多摩借組では、今年もコロナ感染に注意しながら「借地借家問題市民セミナー」を4月~6月に三鷹市、八王子市、福生市で開催します。

地元の組合員の皆様には、セミナーの成功に向けて、宣伝や当日の受付など運営にご支援ご協力をお願い致します。参加だけでも結構です。

■三鷹市セミナー 4月22日(土)午後1時30分~4時、会場は三鷹市公会堂さんさん館会議室

■八王子市セミナー 5月21日(日)午後1時30分~4時、会場は八王子市クリエイトホール第5学習室(JR八王子駅北口徒歩4分)

連絡 東京多摩借地借家人組合

電話 042(526)1094
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相続で地主が土地売却 底地買い問題各地で発生

2023年03月17日 | 底地の売買 地上げ
 地主が亡くなり、相続が発生すると地主の相続人は底地を不動産業者に売却する事例が各地で発生しています。

 大地主ほどその傾向が強く、昨年亡くなった小平市の大地主の荒井氏の場合は、兄弟が相続しましたが、土地を不動産業者に売却する準備を進めています。

底地買い業者は関西系の地上げ屋の流れを引き継ぐものと、都内の底地買いをビジネスにする東商上場企業など様々です。底地買いビジネスに参入する不動産会社が増加しています。

 ある上場企業のホームページ見ると、「底地を持つ方の一番の悩みが、その相続税評価額大きさにあります。年間の地代収入が約200万円程度で市場価格は6000万円にも関わらず、相続税評価額が1億円超える
物件も、収益性が低い上に、相続時の課税価額が大きく、相続すると資産を減らしてしまいます」、「課税価額が高すぎる底地(貸宅地)はもう手放すべきです」と底地の一括売却を呼びかけています。

 底地買い業者は、借地に対し「底地を買い取るか、買い取れなければ借地権を売って」と迫り、買取も売却も拒否すると、地代の大幅な値上げを請求する手口は共通しています。さらに、業者の中には地代の銀行振り込みは認めず、地代通帳をつくり、毎月社員が集金に来る事例もあります。

 今まで旧地主との間で、円満な関係が続いて不安もなく生活していたのに、地主が変わったことで大変な問題が起きています。底地買い業者との話し合いは、組合を窓口にすることも可能です。地代の支払も組合事務所で行うことも可能ですのでご相談ください。

 底地買い問題は、借地人は脅しに負けず、組合と相談しながら粘り強く頑張ることです。(多摩借組ニュースより)
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岐阜県の旧雇用促進住宅が老朽化理由に明渡し請求

2023年03月15日 | 明渡しと地上げ問題
 2月26日(日)午前11時、岐阜県健羽島郡笠松で雇用促進住宅が2棟あり、78室中、居住者12世帯が残され、そのうち8世帯が集まり、立退き問題で相談会が行われた。

雇用促進住宅は、2016年に全国2900棟が民間に売却され、引き渡し後10年間は入居条件を変更ができないとされていた。ところが、昨年5月頃、笠松雇用促進住宅の「テレビの共同アンテナ」が故障し、管理会社に修理をお願いしたところ、家主は「この住宅は老朽化しており、令和5年に建物を解体する」と通告してきた。

住宅に40年前から居住している類沢勇さんは、2年前、テレビ東京の番組「ガイヤの夜明け」でブラック家主の立退き問題で出演した兵庫借組の田中組合長の映像を見て、電話番号を控えていて今回兵庫借組に連絡して、相談会を開くことになった。

参加された多くの人は70才台で、家賃は1万8千円~2万8千円。ここを出ていけば住む借家がなく、ここに住み続けたい。契約の更新を拒否されたらと不安をかかえています。家主が借家の明け渡しを求める場合は正当事由が必要で、建物の老朽化だけでは正当事由として認められない。建物の老朽化を理由に立ち退きを迫っても立ち退きを拒否すれば契約は法定更新され、住み続けることができると説明しました。

参加者8名は住み続けるために、全員組合に入って頑張ることを決意し、組合の加入申込書に記入し集会を終えました。
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家賃保証業者問題で院内集会 3月27日衆議院第1議員会館

2023年03月13日 | 保証会社とのトラブル
 賃貸住宅を借りる際に、連帯保証人がいてもいなくても家賃債務保証業者と契約しないと賃貸マンションを借りることができない、さらに保証会社の審査に受からないと契約ができない、とんでもない時代になってきました。中には、何十回と審査に落ち、住まいが借りられないと嘆く人も出てきています。

 保証業者と契約すると、家賃が3カ月以上滞納すると賃貸借契約を無催告で解除できる、家賃を2カ月以上滞納し賃借人と連絡がとれないと建物の明渡があったものとみなし家財道具を撤去する。これは昨年12月に保証会社のフォーシーズが消費者契約府違反であると最高裁で使用を禁止された契約条項です。家主でもない保証業者が賃借人を裁判にかけず一方的に追い出す不当な契約書が横行しています。それというのも、この保証会社は国の任意の登録制度はあるものの、登録しなくても営業ができ、家賃の滞納があった時に求償権の行使ができるのですが、サラ金のように法律の規制がないため、自宅への訪問、賃借人が勤める会社にまで電話をかけ、早朝深夜にもメール等で督促など勝手放題です。

 全借連では3年前から家賃保証業者の法律の規制を求め、国土交通省との交渉を数回重ね、昨年11月には多摩借組の組合員の藤田さんが保証業者の実態調査を行い、142人から回答をもらい、調査結果を発表しました。
 今年に入り、国会議員とも懇談し、下記の日程で院内集会を開催します。保証業者に対する法規制ができる法律をつくるために、院内集会に参加し、みんなで声を上げましょう。

◎日時 3月27日(月)午後2時~4時まで
◎会場 衆議院第1議員会館地階第4会議室
 午後1時半から東借連の役員が通行証を配布します。
 最寄り駅は地下鉄国会議事堂前、永田町駅です。
◎オンラインでも参加できます。ミーティングID:844 2173 0264 パスコード:430036
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通常損耗に関する補修費用を賃借人が負担する旨の特約が成立していないとされた事例(最高裁第2小法廷判決)

2023年03月13日 | 敷金と原状回復
 (判決要旨)
⑴建物の賃貸借において、賃借人が社会通念上の使用をした場合に生ずる賃貸借物件の劣化叉は価値の減少を意味する通常損耗に係る投下資本の回収は、通常、減価償却費や修繕費等の必要経費分を賃料の中に含ませてその支払いを受けることにより行われている。
⑵賃借人に通常損耗についての原状回復義務を負わせるのは、賃借人に予期しない特別の負担を課すことになるから、賃借人に同義務が認められるためには、少なくとも、賃借人が補修費用を負担することになる通常損耗の範囲が賃貸借契約の条項自体に具体的に明記されているか、仮に契約書で明らかでない場合には、賃貸人が口頭により説明し、賃借人がその旨を明確に認識し、それを合意の内容としたものと認められるなど、その旨の特約(通常損耗補修特約)が明確に合意していることが必要であると解するのが相当である。
⑶原状回復の特約である本契約書22条2項自体において通常損耗補修特約の内容が具体的に明記されているということはできない。┉┉┉ 以下略
 上記の判例は、最高裁平成17年12月16日 判事1921号61頁の有名な判決です。この判決によって、特約を定めても3つの要件、①特約の必要性があり。かつ暴利的ではないなどの客観的、合理的理由が存在すること。②賃借人が特約によって通常の回復義務を超えた修繕等の義務を負うことについて認識していること。③賃借人が特約による義務負担の意思表示をしていること。以上の要件に反した特約は全て無効です。ぜひ、皆さん覚えておいてください。
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2023年1月30日、最高裁判所令和4年12月12日判決を受けて、フォーシーズ代理人に対しお問合せを行ったところ、回答が ありました。

2023年03月04日 | 保証会社とのトラブル
http://www.kc-s.or.jp/detail.php?n_id=10001238

2023.03.03(No.10001238)

 2023年1月30日、最高裁判所令和4年12月12日判決を受けて、フォーシーズ代理人に対し下記の「お問合せ」を行いまし
た。
1.貴社ウェブサイトによれば、「住み替えかんたんシステム保証契約書」の13条1項前段及び18条2項2号について、「本判決
以前に、改訂済み」とのことだが、改訂された日時はいつか。また、ひな型を送っていただきたい。
2.貴社が旧契約書用紙を各営業所から回収・廃棄したことがわかるような証票を提示いただきたくとともに、回収・廃棄の日時(時
期)及びその日時(時期)がわかる客証票をご提示いただきたい。また、各営業所の従業員が旧契約書用紙を用いた契約締結・勧誘を
することがないという根拠となる具体的な事実及び証票(社内通達等)を明らかにしていただきたい。
3.本判決の結果を受けて、改訂後の13条1項前段の文言をさらに改訂される予定はあるのか教えていただきたい。また、改訂され
る場合(すでに改訂された場合)は、改訂時期及び改訂内容を教えていただきたい。
4.貴社が、上記判決を受けて、改訂後の条項(13条1項前段)をさらに改訂されない場合、その理由を教えていただきたい。

 上記の当団体からの「お問合せ」に対し、同年2月20日、フォーシーズ代理人から下記の回答と新しい契約書ひな形の送付があり
ました。
1.2021年4月1日
2.契約書については改訂のたびに契約書の更新・差し替えを行っている。仮に旧の契約書で保証契約の申し込みがされたとしても、
新たな契約書を送り改めて送付してもらっている。したがって旧契約書は上記2021年4月1日の改訂の際にすべて回収され、遅滞
なく廃棄されている。
3.4.本年1月1日に、次のとおり改訂した。
 「乙が支払を怠った賃料等及び変動費の合計額が賃料3ヶ月分以上に達したことなどにより、乙に賃料等の支払能力がないことが明
らかとなり、原契約及び本契約における甲丙と乙との信頼関係が破壊された場合には、丙は、無催告にて原契約を解除できるものと
し」
 
 当団体の「お問合わせ」とフォーシーズの「回答書」の詳細は、それぞれ、PDFファイルにてご確認ください。

2023年2月1日付け「お問合せ」
http://www.kc-s.or.jp/upload/f10001238_1.pdf
2023年2月20日付け「回答」
http://www.kc-s.or.jp/upload/f10001238_2.pdf
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