東京多摩借地借家人組合

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住居確保給付金の在り方を検討 生活困窮者自立支援制度在り方について厚労省が検討会

2022年05月16日 | 住居確保給付金の支給
 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、休業やシフト減・雇止め等による経済的な困窮と社会的な孤立等によって生活に困窮する人が様々な階層で広がっている。厚生労働省では、昨年10月から生活困窮者自立支援制度の在り方について特別部会とワーキンググループを設置して検討会を開始している。この中ではコロナ禍で、家賃の支払いに困り住居の喪失の恐れのある方に給付される「住居確保給付金」の在り方も議論されている。

 同給付金の対象者が①離職・廃業後2年以内の者に加え、②給与等を得る機会が当該個人の責に帰すべき理由によらないで減少し、離職や廃業と同程度の状況にある者に拡大され、支給決定件数が令和2年度に一挙に約4倍に拡大した。支給期間は令和2年度に申請を行い、支給が開始された者については最長12カ月まで再々延長を可能とする特例措置が講じられた。コロナ禍が長期化する中で、令和2年度の受給者のうち「離職・廃業等」の者が常用就職した割合は33・2%、「休業等」の者が就業機会が回復した割合は10・5%、就業機会が回復できなかった割が89・5%と高い。

 住居確保給付金について、自治体から共通して「就労を目的とした家賃補助とそうでない家賃補助との棲み分けが必要」との意見が上がっている。

 検討会の中では「住居確保給付金についても、コロナ禍にあって一定の役割を果たしてきたが、住まいを喪失する恐れのある人の多さ(裾野の広さ)が顕在化した以上、家賃補助的な施策を含め、このようなリスクについて普遍的な社会保障施策として検討する必要があるのではないか」という注目すべき意見が上がっている。
(東京借地借家人新聞5月号より)
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住居確保給付金の支給決定数 10か月間で14万4467件 緊急事態宣言延長で再支給も可

2021年05月18日 | 住居確保給付金の支給
 新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で、休業等に伴う収入の減少により、離職・廃業と同程度の状況に至り、住居を失う恐れが生じている方々に、一定期間家賃相当額を国が支給する「住居確保給付金」の制度が徐々に改善され、2020年1月から2021年2月まで10か月間に申請件数14万4467件に対し給付決定件数は12万8193件と急増し、支給済額は281億円に達し、前年度の30倍に急増しました。

 住まいの貧困に取り組むネットワークなどによる国への働きかけで、支給期間は最高9か月間が令和2年度中に申請した場合に限り、今年の1月1日以降最長12か月間に延長され、昨年末に支給が打ち切られることを回避することができました。新型コロナウイルス感染症の影響は長期化する中で、住居確保給付金の支給が終了した人に対して、「新型コロナウイルス感染症の特例」として2021年2月から3月末まで3か月間の再支給が可能となりましたが、厚労省は再支給の申請期間をさらに6月30日まで延長することを決定しました。給付延長を特例とすることは問題ですが、さらなる給付金の改善を求めていきましょう。(全国借地借家人新聞5月号より)
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住居確保給付金の支給期間が3ヵ月延長し、最大12ヶ月に、政府が方針を決定

2020年12月02日 | 住居確保給付金の支給
 国民の住まいを守る全国連絡会と住まいの貧困ネットは、11月19日の午後2時から厚生労働省に対して、住居確保給付金の支給期間の延長をはじめとする同制度の抜本改善と拡充を求める緊急要請を行いました。

また、同ネットワークではインターネットを使って集めた住居確保給付金の延長を求める署名2500人分を提出しました。要請に対して、厚労省の担当者は「各所から要望が上がっており、延長を検討している」と回答。要請は支給期間の延長以外に、公営住宅・セーフティネット住宅への転居支援、自治体の生活困窮者自立相談窓口の職員体制の改善、同給付金の支給要件、支給額の改善等を求めました。日本共産党の高橋千鶴子衆院議員も同席しました。

 厚労省はこのほど、最高9か月の支給期間を3ヵ月特例措置として延長すると発表しました。私たちのの運動や多くの住宅に困窮する人達の声がようやく届きました。住まいの貧困ネット、住まい連では今回の政府の対応を積極的に歓迎するとともに、「特例措置による延長」ではなく、通常の措置とするよう求め、同制度のさらなる改善と拡充の実現、これらを土台とした全国的な「家賃補助制度の実現」に向け、活動を進めていくとの談話を11月28日に発表しました。(全国借地借家人新聞より)
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