東京多摩借地借家人組合

アパート・賃貸マンション、店舗、事務所等の賃貸のトラブルのご相談を受付けます。

地主のお寺と粘り強く交渉し、息子名の建物を新築を承諾させる 

2016年10月31日 | 増改築と修繕
 昭島市東町の西立川駅の近くで借地をしているYさんは、借りている146・68坪の内、公道側の71坪は地主の許可を受け駐車場として貸しています。

 駐車場部分に今回息子さんが建物を建てるために地主のお寺と今年の初めから交渉してきましたが、中々地主に会うことができず、代理人を通じ契約書が昭和44年以来作成していないので作成して欲しいとの要望があり、何回か話し合いを重ね、平成26年12月1日から平成46年まで20年とすることで合意し、同時に建物の新築に関する合意書を締結しました。建物新築については承諾料を110万円を支払うことで新築工事を承諾することが明記されました。今回更新料なしで承諾料110万円はこの地域の地価相場の2%弱と妥当な承諾料であることからから了承しました。契約書には「契約期間満了の場合は、借主は貸主に対し、更新料を支払い更新するものとする」と書いてありますが、組合役員から「更新料をいくら支払うかも定かではなく、更新料の条項は不明確であり、次期更新に際しても支払わないことも可能であり、十分に交渉ができる」とアドバイスがありました。(東京多摩借組ニュースより)
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ぷらすアルファ 高齢者向けサービス破綻 身元保証業、規制を議論

2016年10月31日 | 貧困と格差
http://mainichi.jp/articles/20161027/ddm/013/040/016000c

 身寄りのない高齢者に身元保証サービスを提供する公益財団法人「日本ライフ協会」が高齢者から受け取った預託金を流用していたことが今年1月に発覚し、経営破綻した。身元保証のサービスを必要とする高齢者は多いが、事業者に対する監督官庁や規制はなく、国も実態はつかめていない。内閣府消費者委員会では現在、事業のあり方を議論している。サービスの現状をまとめた。
 神奈川県の高齢者向け施設で暮らす80代後半の男性は、日本ライフ協会の身元保証を受けてこの施設に入所した。
 10年前に妻を亡くし、身の回りのことに不自由するようになって施設に入ることを決めたが、親族に保証人を頼める人はいなかった。男性の親族は、高齢で体調が悪い上、片道2時間半ほどかかる場所で暮らしている。子どもは海外出張が多い仕事で、身元保証人にはなれなかった。
 高齢化社会を迎え、親族と離れて暮らす人や単身の世帯が増えた。「(身元保証サービスは)高齢者対象の事業では空白地帯になっていた。そこに目をつけて広がった」と男性は背景を語る。公益法人を監督する内閣府の公益認定等委員会は今年1月、日本ライフ協会に是正を勧告した。男性は「その時には既に手遅れだった。日本ライフ協会を公益財団法人に認定したのは政府なのに」と憤る。
 男性は10月、新たな身元保証会社と契約を結んだ。「こういう(身寄りの少ない)年寄りの一番困っていること」だという、入院の際の身元保証と死後事務を委託した。「役所は保証人がいなくても入院を拒否してはいけないと病院に通達しているが、病院としては保証を受けなければ心配なんだろう」と男性は話す。

 ●入会時に「預託金」

 身元保証団体の業務については明確な定義がなく、形態も一般社団法人、NPO法人、株式会社、社会福祉法人と多様だ。サービス内容は事業者によって異なるが、大きくは生前のサービスと死後の業務に分かれる。生前のサービスは、入院・施設入所時の身元保証、介護保険対象外の生活支援、医療行為への意見表示が多い。中には、生前に定期的に見守りをする身元保証団体もある。死後の業務は、本人の希望に基づき、遺体の火葬や事務手続き、住んでいた住居や残った荷物の処分などを担う。
 費用は、終身契約で一括払いのものと月額払いのものがあり、100万円単位に上ることもある。それとは別に、死後業務などの原資として、「預託金」の形で入会時に支払う形態が多く、日本ライフ協会の事件では預託金が流用された。通常は、預託金は必要経費を除き、相続人に返却される仕組みだ。
 毎日新聞の調べでは、こうした身元保証団体が北海道、東京都、愛知県、大阪府、福岡県など全国に存在している。

 ●病院の95%「必要」

 病院や施設が身元保証を求める実態を探るため、公益社団法人「成年後見センター・リーガルサポート」(東京都新宿区)は2013年に全国の▽療養型医療施設▽特別養護老人ホーム▽グループホーム▽有料老人ホーム▽サービス付き高齢者向け住宅--など計1521カ所に対してアンケート調査し、603カ所から回答を得た。
 病院の95・9%、施設などの91・3%が身元保証人などを求めていた。身元保証人に求めるのは、入院費・利用料金の支払い▽緊急の連絡先▽医療行為の同意▽遺体・遺品の引き取り▽債務の保証▽入院計画書・ケアプランの同意▽身柄の引き取り--などを挙げた。また、「身元保証人が得られないときに入所・入院を認めない」のは、病院の22・6%、施設の30・7%に上った。
 身寄りのない高齢者にとって身元保証団体は頼みの綱だ。信用して費用を払ったにもかかわらず、日本ライフ協会のような事件が起きてしまった。同センターの多田宏治理事長は今年4月、「保証を業とする法人等に対し、行政上の規制・監督をする制度を策定すべきだ」と声明を出した。
 アンケートに携わった同センター専務理事の西川浩之司法書士は、事業者による身元保証は「責任範囲があいまいだ」と指摘する。「大半のことは後見人ができる。逆に、死後事務などは弁護士や司法書士などの専門職や後見人でも(法的には)できるか疑義のあるところ。事業者が『誰もできないことをできる』という触れ込みをするのは問題だ」と語る。

 ●自治体が対応も

 東京都足立区など一部自治体では、社会福祉協議会(社協)が身元保証に準じたサービスを提供している。足立区社協は本人と面談して医療情報や資産について聞き取った上で、契約前に遺言執行者を弁護士や司法書士とする「公正証書遺言」を必ず作成する。また、希望する医療サービスに変更はないか、判断能力は低下していないかを確認するため、社協職員が定期的に本人を訪問している。ただ、人件費などの費用を全て区の補助で賄っているため、対象は住民税が非課税など資産や収入の少ない人に限っている。資産があり、判断能力のある場合は、自身で任意後見や委任契約を専門職と結ぶことができるからだ。
 消費者委員会はこうした現状を踏まえ、4月からヒアリングを実施してきた。河上正二委員長は、身元保証団体による事業について「入り口、内容、運用、すべて透明度があまりにも低い」と批判的に見ている。消費者委員会は早ければ年内にも、団体のあり方の問題点や規制の仕方について意見をまとめる。【毎日新聞 西田真季子】
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入居審査に人生の壁を見た 生きづらい女子たちへ 雨宮処凛

2016年10月25日 | 住まいの貧困に取り組むネットワーク
http://imidas.jp/column/L-60-055-16-10-G421.html

 最近、リアルに「単身女性として、先の人生への不安を突きつけられる」出来事に遭遇した。きっかけは、引っ越しを思い立ったこと。仕事の合間にネットで賃貸物件の情報を見たり、不動産屋をまわって気になるところを内見したりしていたのだが、なかなかいい部屋がない。特に私は猫飼いの身。「ペット可物件」となると、部屋探しはイバラの道だ。
 そんな中、奇跡的に様々な条件がぴったりの物件と出合った。「ここだ!」と、喜び勇んですぐに申し込んだところ、翌日に不動産屋の青年から「大変申し訳ないんですが……」と、沈んだ声で電話があった。入居審査で「NG」だったというのである。
 なんで? どうして?――混乱する私に、実直そうな青年は言った。
 「おそらく、仕事が不安定だからではないかと……」
 確かに私はフリーの物書き。しかし、今まで部屋を借りるにあたって「ペンネームは何か?」「どんな媒体に書いているのか?」などを根掘り葉掘り聞かれたことはあるものの、ここまでの鮮やかな門前払いは初めてだ。
 「それと、保証人になる予定のお父様の年齢が、65歳を超えているということもあるかもしれません……」
 自営業の父親は現在69歳。今も現役で働いているが、そんなこととは関係なく、保証人の年齢は65歳で区切られることもあるのだという。
 単身女性、フリーの不安定稼業、父親が高齢――。この3つが重なると「部屋を借りることもできない」事態が起きるということに、目の前が暗くなっていった。
 そうして、10年ほど前に取材した、ある単身女性の言葉を思い出した。高学歴だけど非正規雇用で、収入も不安定という同世代の彼女は言ったのだ。
 「今はまだいいけど、父親が高齢になったり亡くなったりしたら、単身で非正規で低収入の女性である自分は、部屋を借りることもできなくなるかもしれない……」
 頷きながらも、あの頃の私はどこかそれを「他人事」として聞いていたと思う。当時の私は30代。「賃貸物件を借りる」にあたっての苦労など、一度もなかったからだ。フリーターの時だって借りられていたんだから、大丈夫に決まってる。そんなふうに思っていた。思えば私がフリーターの頃の父は、今よりずっと若く、収入も多かったのだが。
 そうして41歳単身、フリーの物書きで、父が高齢という「三重苦」の身となった今、彼女の「悪い予想」はまさに我が身に的中したというわけである。
 そのうえ軽く傷ついたのは、不動産屋に「審査に落ちたのは、(金融機関の)ブラックリストに載っているからではないか?」と疑われたことだ。その場合、断られることがあるというのだが、当然身に覚えなどない。というか、載りようがない。なぜなら、これまで「不安定稼業」という理由から、クレジットカードの審査にも落ち続けてきたのだ。
 よって、デビットカードなるものを使う羽目になっているのだが、ネットの決済などでは使えない場合もあるし、何より毎月会費を払わなくてはいけないので高くつく。社会的信用がなければないほど、なんだか余計な費用がかかるシステムになっているのだ。
 そんなことを考えていて思い出した。今まで部屋を借りる苦労などなかったと書いたが、物書きになってから、若干の苦労が生まれていた。例えば連帯保証人がいればOKと言われていた物件なのに、「あなたの場合、仕事が不安定だから保証会社もつけないと借りられない」などと言われ、その費用として数万円を請求されたりしていたのだ。
 フリーターの時よりも、フリーの物書きという自営業になってからのほうが、社会的信用が低くなっているという現実。入居審査が年々厳しくなっているなどの事情もきっとあるのだろうが、明らかに「正社員として勤めている安定層」よりも、様々なコストが発生している気がして仕方ない。
 そんな話をある飲み会の席でしたところ、「それはポバティ・タックス(poverty
tax)だ」と言われた。ポバティ・タックス=貧困税。貧しい人ほど、より負担が重くなるような現象。例えば、今まで私の身に起きてきたこともそうだが、それだけでなく、安定した正社員がお金を借りるより貧しい人が借りるほうが利息が高くつく、なんてことは往々にしてある。貧しければ貧しいほど、利息が高い金融会社しかお金を貸してくれないからだ。その最たるものがヤミ金だろう。 「貧困はお金がかかる」 これは、貧困問題に取り組む人の間では有名な話である。金利などの話だけでなく、例えば毎日少しずつしかお金を使えないので、「食材をまとめ買いして節約」なんかもできない。米や炊飯器を買うまとまったお金もないから、毎日コンビニのおにぎりや弁当を買って結果的には高くつくような、そんな生�!
��。しかもこれが「ホームレス」状態となると、洗濯や入浴、タンス代わりのコインロッカーの開け閉めにもいちいち出費が発生してくる。 貧困でなくとも、私のような社会的信用度ゼロの人間となると、結果的には同じようにポバティ・タックスを支払う羽目になっているのだ。 改めて自分の「社会的信用度の低さ」を突きつけられ、大いに将来が不安になってきた。このまま引っ越しもできず、不安定な仕事もより不安定になり、そのうえ親が要介護状態なんかになってしまったら……。「賃貸物件の審査に落ちた」という現実によって、思考はどんどん暗黒の方向に進み、「将来は野たれ死に?」まで行き着く始末だ。 が、これは私だけの問題ではない。すべての不安定層の問題である。特に、女性。何しろ、20~64歳の�!
��身女性の3人に1人が貧困ライン以下の収入で暮らし、65歳以上の単身女性となると、貧困率は47%(高齢単身男性は29%)。実に半数なのだ。 翻って高齢男性の貧困率は、ここ数年改善の兆しが見られるという。それは団塊世代が65歳以上になっているから。高度経済成長期を生きてきた彼らには、「年金収入」という強い味方がある。よって高齢男性の貧困率は、改善しているのだ。が、高齢女性は改善していない。 私たちの世代では「年金で貧困率が改善」というおめでたい話など、起こるはずもないだろうことはすぐわかる。ということは、私たちが65歳以上になる頃の「単身女性」の貧困率は? 今だって約半数が貧困なのだ。 もう80、90%とかになっているのではないだろうか。 いろいろ考えて、自分の将来と同時に「日本の未来」まで不安になってきた。 以前、この�!
�載で「男性を中心にした時代遅れの発想による社会保障制度設計が、女性の貧困を生んでいる」という話を書いたことがある。「正社員の夫と専業主婦の妻、プラス子ども」みたいなものが標準世帯とされていることによって、そんな「標準」からもれる母子世帯や単身女性の貧困リスクが高まっているという内容だ。 そうして、以下のように続けた。 「女性は、子どもの時には『父』という男が、そして大人になってからは『配偶者』という男がいなければ貧しくなるリスクが高まるのだ。そしてそれをカバーする制度は今のところ、ない」 今、私は声を大にして言いたい。 「(保証人的なことで)頼れる男」――多くの場合は父親か夫――がいないと、女は「部屋を借りる」といった生活の基盤すら維持できないことが!
あるのだと。 私が特別不安定だから、ですむ話ではない。なんといっても、女性の6割が非正規雇用だ。そしてご存じの通り、生涯未婚率は上がり続けている。 ちなみに「入居審査に落ちて悩む私」に、「偽装結婚」をすすめる人がいた。もちろん冗談で言っているのだが、なかなか象徴的な話である。「65歳以下の正社員の夫」がいれば、今回のようなことにはおそらくなっていないのだから。 これからさらに単身・非正規雇用の女性が増加し続けていくだろうことを思うと、「部屋を借りるため」などの理由で本当に「偽装結婚」なんかのニーズが生まれるかもしれない。というか、そんなニーズが生まれてしまうこと自体が、とてつもない構造的差別なのだ。 さて、気を取り直して未だ物件を探しているのだが、「また審査に落ちないか」と連日ヒヤヒヤしている。そして!
、たかが入居審査に落ちただけなのに、「一人でそれなりに頑張って仕事してきた」これまでの人生を否定されたような気分が、私にずっとつきまとっている。 これが結構、じわじわくる。ある程度の年齢までは「一人で頑張ってる」ことが評価さえされたのに、ある年齢を超えた途端、オセロの黒と白が反転するように、すべてがマイナスとなってしまったような気分だ。 そんな時に、「女性の活躍」なんておなじみの言葉を耳にすると、なんだか遠い異国の話のように思えてくる。 いつの時代も、「持てる者」には「持たざる者」の現実など、見えないようである。
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借地借家問題市民セミナー 10月22日に府中市・ルミエール府中で開催(参加無料)

2016年10月19日 | 借地借家問題セミナーと相談会
借地借家人のためのやさしい法律の学習会と相談会

相談しておけばよかった!………というケースが必ずあります

こんな問題で悩んでいませんか?

◎賃貸借契約の更新、更新料の請求
◎借地上の建物の増改築、修繕
◎地代・家賃の増額と減額請求
◎賃貸住宅の老朽化・耐震不足を理由とす
 る明渡し
◎ブラック地主問題(借地の底地の不動産業者への売却)
◎賃貸住宅の原状回復、敷金の返還
◎大規模災害が起きた場合の借地権・借家権


日時 10月22日(土)午後1時30分開会
会場 ルミエール府中・第1会議室 

※組合役員が親切に相談にのります。
借地借家人の権利は借地借家法・消費者契約法など守られています。組合は、住まいの問題に関心のある方はどなたでも組合に入会できます。(参加無料)

東京多摩借地借家人組合

電話 042(526)1094
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東借連加盟組合の行事と催し物

2016年10月17日 | 東京借地借家人組合連合会
■城北借組「西武デパート相談会」
 11月16日(水)・17日(木)午前11時~午後5時(午後1時~2時昼食休憩)まで、池袋西武百貨店7階くらしの相談コーナー。連絡・(3982)7654。 
■多摩借組「定例法律相談会」
 11月5日(土)午後1時30分から組合事務所。相談者要予約。
「借地借家問題市民セミナー」
10月22日(土)午
後1時30分からルミエール府中(市民会館)。連絡・042(526)1094。
■葛飾借組「定例相談」
 毎週水・金曜日の午前10時から組合事務所。連絡・(3608)2251。
■足立借組「定例相談」
 毎月第2日曜日午後1時から組合事務所。連絡・(3882)0055。
■荒川借組「夜間相談会」
 毎月第1・第3水曜日午後7時から組合事務所。
 「法律相談」
 毎月第3金曜日の午後7時から組合事務所。相談者要予約。連絡・(3801)8697。
■大田借組「理事会」
10月20日(木)午後6時30分から大田区消費者生活センター。連絡・(3735)84
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10・26院内集会 「今こそ、住宅セーフティネットの拡充を!」

2016年10月14日 | 住まいの貧困に取り組むネットワーク
10・26院内集会
「今こそ、住宅セーフティネットの拡充を!」

と き 2016年10月26日(水)13時~15時30分
ところ 参議院議員会館・1階・101会議室 東京メトロ「永田町」駅すぐ。

※当日は12時30分から議員会館1階ロビーで会議室への通行証を配布します。  

〔趣旨〕 

政府の「社会資本整備審議会・住宅宅地分科会」は今年4月に「新たな住宅セーフティネット検討小委員会」を設置し、7月には「中間とりまとめ」を発表しました。
国土交通省はこれを受け、8月末の来年度概算要求で「子育て世帯や高齢者世帯などの住宅確保要配慮者の増加に対応するため、民間賃貸住宅や空き家を活用した新たな住宅セーフティネット制度を創設し、住宅確保要配慮者向けの住宅(あんしん入居住宅〈仮称〉)の改修や入居者負担の軽減等への支援を行なう」としています。
年内に小委員会の最終とりまとめ、来年国会に向け予算案とともに関連法改正案が用意される予定です。

この「新たな制度創設」などに対し、住宅困窮各層の要求に基づく、実効性のある住宅セーフティネットを求めることが重要となっています。各党国会議員の方々と共に、「今こそ、住宅セーフティネットの拡充を」議論し、実現をめざしていきたいと思います。

〔プログラム〕 

主催者あいさつ 稲葉 剛(住まいの貧困に取り組むネットワーク・世話人)
基 調 報 告 坂庭国晴(国民の住まいを守る全国連絡会・代表幹事)
各党国会議員のあいさつ
各層、当事者からの報告と発言         

〔開催団体〕 

国民の住まいを守る全国連絡会(住まい連)、日本住宅会議(関東会議)、住まいの貧困に取り組むネットワーク

〔連絡先〕 

NPO住まいの改善センター ℡ 03-3837-7611 fax 03-6803-0755
住まい連代表幹事 坂庭国晴 080-6939-5224 
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オーナーチェンジ知らずに、家賃を新家主に振り込まなかった

2016年10月14日 | 賃貸借契約
板橋区板橋のマンションに入居していた中野さん(仮名)は9月に組合事務所へ相談に来た。

「先月末に家主に振込んでいた口座が閉鎖され家賃を振込むことが出来なかった。供託したい」という話だった。確かに持参した通帳には7月末日までは振り込めていたが、8月末には振込むことが出来なかった。供託の手続きを進めることにしたが、気になることがあったので借りているマンションの登記簿を取り寄せることにした。

翌日、登記簿をみると旧家主から新家主へと2月末に所有権の移転が確認された。本人に問い合わせたところ不動産屋の訪問や手紙が来ていたことを確認した。持参してきた書類をみると旧家主や新家主からの書類、管理会社の不動産会社からの通知書が出てきた。
「見るのが怖いから見なかった」ということだった。急いで管理会社に連絡し、書類を再送付してもらい、当面10月分の家賃を指定された口座に振り込むことにした。内容証明などの書類は必ず見た上で組合に相談に来ることを確認した。(東京借地借家人新聞より)

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組合に相談し、敷金戻った

2016年10月14日 | 敷金と原状回復
 本年6月中旬まで千住元町で賃料5万円のアパートの部屋を借りていた谷川さん(仮名)は退去時、仲介業者の立会いのもと引越しが完了した。

 しかし9月になっても家主からは敷金が返還されない上、業者からは家主宛の建物改修工事見積書が届き、11万円の支払いを請求され、困って区議さんに相談。組合を紹介され直ぐに事務所を訪ねる。建物改修工事は次の入居者のための工事で、借主が故意過失で棄損したものでなければ支払うことはない。家主宛に敷金返還請求と改修工事費用は転嫁しないよう通知することを助言した。

 1週間後、業者から敷金返還と原状回復費用1万円の支払いを求める回答があった。谷川さんは業者の請求を認め、口座に敷金の残金4万円が振り込まれ、「組合に相談して正解」と語っている。(東京借地借家人新聞より)


借地借家問題のご相談は

東京多摩借地借家人組合まで

電話 042(526)1094
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家主が契約期間途中の契約解除請求 仲介した不動産屋が借地借家人組合を紹介

2016年10月13日 | 明渡しと地上げ問題
大田区蒲田で木造瓦葺2階建階下の店舗を営む牧田(仮名)さんは、賃貸建物の管理及び家賃の支払先の不動産業者の紹介で組合に入会した。

家主は3年の契約期間満了にはまだ1年6カ月もあるのに、建替えを理由に契約解除と明渡しを請求してきた。しかも、弁護士を代理人とする内容証明郵便の通知に驚き牧田さんは業者に相談。建物は充分使用に耐えられるのに期間途中での契約条項無視の解除は許されないと組合に相談するよう勧められた。

直ちに牧田さんは、組合との相談で契約の途中解除を拒否し、契約の継続を書面で通告した。諦めきれないのか家主とその弁護士は、空き物件案内のチラシを郵送して来る。立退く考えはないと毅然と対応している。(東京借地借家人新聞より)
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「建物の朽廃および特約違反を理由とする土地明渡請求が認められなかった事案」(平成24年11月28日東京地裁判決)

2016年10月11日 | 最高裁と判例集
1 事案の概要
借地人所有の建物は戦後まもなく建てられたが,平成23年の震災で外壁のモルタルが一部はがれ落ちた。借地人が外壁全体のモルタルを塗り固めたところ,地主が建物の朽廃,特約違反を理由とする解約解除により契約終了したとして,建物収去土地明渡を請求した事案である。なお,契約には「本件と地上の建物の増改築や大修繕をする際には予め賃貸人の書面による同意を得ること」との特約があった。

2 問題の所在
(1)本件建物が朽廃(借地法2条1項但書,借地法は平成4年7月31日以前に締結された契約に適用される。契約更新後も同じ。)し,借地権が消滅したか。
(2)借地人の修繕は特約に違反するか。

3 裁判所の判断
 裁判所は以下の(1)(2)により地主の請求を認めなかった。
(1)「朽廃」とは,経年変化等の自然の推移により建物としての役に立たなくなった場合であり(大審院判決昭和9年10月15日),本件建物は朽廃していない。
(2)「大修繕」とは,建物の主要構造部分の全部または過半を取り替えるなど,建物の耐用年数に大きく影響を及ぼす工事をいうので,本件修繕は「大修繕」にはあたらない。

4 コメント
建物の「朽廃」は基準が厳格なため認められにくい。また火災,風水害や地震により一挙に建物の効用を失い,取り壊しのように人為的に建物の効用を失わせたときは「朽廃」にはあたらないことも覚えておいておくとよい。自分の所有建物といえども契約に大修繕を制限する特約がないか確認していただきたい。なお建物を堅固にするのは借地条件変更として原則地主の承諾を要するため注意して欲しい。(弁護士 大竹寿幸)

(東京借地借家人新聞より)
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生活弱者の賃貸入居支援 国が新制度の構築検討

2016年10月07日 | 国と東京都の住宅政策
http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2016100602000006.html

 総務省の統計によると、全国の賃貸住宅のほぼ五戸に一戸が空き室。そこで、住む家がない人の支援に空き室の活用がしばしば検討される。しかし、「家賃を滞納されるのではないか」と渋る貸主が多く、なかなか入居に至らないのが実際だ。国土交通省は家がない人のほか、高齢者、子育て中などの世帯の入居を容易にする「新たな住宅セーフティーネット制度」の構築に来年度、乗り出す。実効性のある制度とするには、何が課題なのか考えた。


 「昔とはまるで違う生活。ありがたい」。愛知県一宮市のアパートで一人暮らしをする男性(68)は、しみじみと話す。今は生活保護を受けて落ち着いた日々を過ごしているが、膝のけがをきっかけに仕事を見つけにくくなり、九年前までは十年ほどにもわたって野宿生活をしていた。


 生活保護を受けられるようになったのは、同市のホームレス支援団体「のわみ相談所」に相談してからだ。アパートも、同相談所から紹介された。貸主の男性(58)は「自分が持っている物件の大半に、のわみ相談所で支援を受けている人が入居している」と話す。


 野宿生活の経験がある人が入居を断られることが多いのは、生活破綻の経歴があるからだ。それでも、生活の立て直しには、住居の確保が欠かせない。同相談所は、代表の三輪憲功(のりかつ)さん(69)らが、市内の個人貸主や不動産会社に協力を依頼するだけでなく、一時的に入居できるシェルターも市内八カ所に設けた。元ホームレスの人たちの学習会、生活困窮者向けの無料食堂、元ホームレスの人たちが働く「便利屋」などさまざまな形で自立を支援する。


 その支援の輪に今年八月、新たに加わったのが「良心的大家さん居住福祉一宮ネット」だ。メンバーは、相談所の活動に理解を示すようになった貸主や不動産業者ら七人。野宿生活を脱した男性のアパートの貸主もその一人だ。現在、約百人がメンバーらの賃貸住宅で生活している。


 入居者を確保して、空き室を抑えることができる一方で、家賃滞納の心配がないわけではない。男性貸主は「多少の滞納があっても『これが自分なりの支援活動』と割り切っている」と話す。


◆改修費、家賃引き下げに補助 セーフティーネット強化


 国交省は、二〇一七年度政府予算の概算要求に、住宅セーフティーネット機能の強化と、新たな仕組みの構築=図=の事業費を盛り込んだ。


 新たな仕組みは、子育て、高齢者、障害者の世帯や野宿生活の経験がある人らが入居しやすい環境を整備する目的。認定、登録のあんしん入居住宅(仮称)を募る。


 認定は、低収入などの一定要件を満たす世帯向け。貸主に、国や地方自治体が改修や家賃引き下げのための補助をする。登録の貸主は、国による改修費補助などを受けられる。自治体や不動産関係者らでつくる居住支援協議会などによる入居者支援も拡充する。


 貧困と住宅問題の関連を考える「住まいの貧困に取り組むネットワーク」などは二十六日に参議院議員会館で集会を開き、新制度導入に向けて、貸主の理解を得るための入居者支援の重要性を訴える。


 ネットワーク世話人の坂庭国晴さん(72)は「新制度の創設はよいが、自治体などがどこまで本腰を入れるかがかぎ。実効性のある仕組みにしてほしい」と話している。(中日新聞 10月6日)


 (白井康彦)
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敷金を少額訴訟で取り戻す 管理会社が家主の代理人 本当の家主を調べ直接訴える

2016年10月05日 | 敷金と原状回復
 組合ニュースNO556号(7月15日号)で紹介した八王子市のSさんは今年の4月にアパートを退去して以降、管理会社のS社(本社立川市高松町)から敷金15万2千円を上回る41万5496円の原状回復費用と称する修繕費を請求され、5月に組合に相談し、組合を交えて上記管理会社と交渉してきましたが返還に応じないために、Sさんは八王子簡易裁判所に敷金返還を求め少額訴訟を起こしました。
 賃貸借契約書には、管理会社が賃貸人代理となっており、物件所有者名に家主の名前しか書いておらず、Sさんは法務局に行って家主の住所を調べ、少額訴訟の訴状を組合の援助を受けて作成し、7月に八王子簡易裁判所に提出し受理してもらい、9月15日に裁判が行われ、当日は組合の細谷事務局長も証人として参加しました。

 少額訴訟は、小さな法廷で裁判官、司法委員、原告のSさん、被告の家主が向かい合い、法廷の後ろに組合役員、管理会社の担当社員が立ち会う形で行われました。家主は管理会社に任せっきりで、証拠として出してきた写真など説明ができず、管理会社から説明を受ける状況で、裁判官からも事前に打ち合わせを行って参加するよう注意を受けていました。

 裁判官は、家主側の提出した修繕箇所の見積書及び写真を見ながら、1カ所ごと原告・被告に質問し、Sさんは賃貸住宅に16年住み続け、家賃も更新料も1回も遅れることなく支払ってきたことや、2階が雨漏りしした時も管理会社は修理らしいことを何もしなかったことなどを説明しました。

 裁判官から打ち合わせをするので休憩し、休憩後は司法委員を交えてSさんと家主だけ呼ばれ、和解の話し合いを行いました。Sさん側で破損させた箇所や残置したエアコンの処分代、クリーニング費用などをSさんが負担し、敷金15万2千円のうち家主が10万円を返金する案を提示し、裁判所の案をSさんも家主も認め和解が成立しました。
 Sさんは立会い時に奥さんが管理会社の見積書にサインしたり、請求金額の一部6万円を管理会社に送金するなど大変不利な状況でしたが、裁判では管理会社の請求はほとんど退けられました。Sさんは「法務局の調査や裁判など初めての経験で勉強になりました。敷金も予想以上に戻り、あきらめないで少額訴訟を起こしてよかったです」と語っていました。(東京多摩借組ニュースより)

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電話 042(526)1094
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要支援者のための「住宅セーフティネット」、最近の動きはどうなっている? 不動産コンサルタント会社「リックスブレイン」代表 平野雅之

2016年10月04日 | 最新情報
http://www.homes.co.jp/cont/press/rent/rent_00342/

住宅セーフティネットとは何か

住宅セーフティネットとは、さまざまな事情により「独力で住宅を確保することが困難な人」に対して、それぞれの所得、家族状況、身体状況などに適した住宅を提供できるような制度や仕組み全般を指す言葉だ。
もともとは戦後復興期における公営住宅制度が基盤となっているものの、現代では低所得者に限ることなく、高齢者、障がい者、子育て世帯、母子家庭、父子家庭、DV被害者、犯罪被害者、外国人、ホームレス、被生活保護者など幅広い対象を想定している。戦傷病者や原爆被爆者、ハンセン病療養所入所者なども含まれる。
住宅セーフティネットの制度内容も、公営賃貸住宅の供給や民間賃貸住宅のあっせんなどにとどまらず多岐にわたる。住宅ローンの金利優遇や債務保証、自宅の借上げ制度、バリアフリー改修の支援、民間賃貸住宅への助成などはほんの一例だ。公営賃貸住宅では安心して暮らすための福祉環境の整備なども進められている。
この住宅セーフティネットをめぐる現在の状況や、これから求められる課題などについて主なポイントをみていくことにしよう。

住宅セーフティネットが必要とされる背景

住宅セーフティネットが年々その重要性を増している背景には、生活困窮者の増加がある。所得格差の問題だけでなく、母子家庭や父子家庭など「ひとり親世帯」の問題、DV被害者や犯罪被害者、障がい者への支援など、いずれも欠かすことのできない重要な課題である。このような人たちに対しては住宅以外の面での対策も進められており、経済環境や社会環境の変化により改善が進むこともあるだろう。
だが、これからの社会において避けることができないのは高齢者世帯の増加である。住宅セーフティネットの対象は広範だが、ここではとくに高齢者世帯について考えてみたい。
2016年9月19日の「敬老の日」を前に総務省が発表した人口推計(9月15日現在)によれば、65歳以上の高齢者は約3,461万人で、総人口に占める割合は27.3%になり、人数、割合とも過去最高を更新している。このうち女性は1,962万人で、高齢者割合が30.1%と初めて30%を超えた。高齢化が進むスピードも主要国の中で突出して速いという。しかし、高齢者人口の増加よりもさらに速く進んでいるのが「高齢者だけ(夫婦・単身)の世帯」の増加である。
総務省統計局の「家計調査」によれば、2014年における70歳以上の持ち家率は89.3%と、ほぼ9割が住宅を所有している。かなり高い持ち家率だとみることもできるが、裏を返せばほぼ1割の高齢者がマイホームを持たず、主に賃貸住宅で暮らしていることになるだろう。
総務省が5年ごとに実施している「住宅・土地統計調査」によれば、「民営借家」(公営借家やUR、公社などを除いた民間賃貸住宅)で暮らす高齢者世帯は、1998年に約84万世帯だったが2013年は約162万世帯と、15年間でほぼ倍増した。とくに高齢者の単身世帯は、2008年から2013年の5年間で約1.4倍となり、その急増傾向が際立っている。
高齢になっても十分な収入があれば何とかなる面はあるものの、大半は苦しい生活を強いられることになるだろう。「65歳以上の夫婦世帯」の増加は2020年頃に頭打ちとなると推計されているが、「65歳以上の単身世帯」はその後も増加が続くものと見込まれている。

公営住宅のストック数はあまり増えず、大都市圏の応募倍率は高いまま

急増する高齢者世帯数に対して、公営住宅の供給は進んでいないのが実情だ。戦後の住宅難が続いていた1951年7月1日に「公営住宅法」が施行され、国と地方公共団体が協力して「住宅に困窮する低額所得者」向けの住宅整備を進めてきたが、1972年頃をピークに供給数は年々減り続けている。2014年の供給は1万戸に満たず、ピーク時のおよそ10分の1の水準だ。2014年度末時点でストック数は約216万戸になるものの、そのうち61%にあたる約131万戸が築30年以上だという(国土交通省まとめ)。
公営住宅が増えない理由として、国や地方公共団体の財政難や、将来的な人口減少を見据えれば積極的な公共投資が難しいことなどが挙げられている。民間の空き家が年々増加し、大きな社会問題となっていることを考えれば、新規に公営住宅を建設し続けるわけにもいかない。
そのような状況の中で、公営住宅の応募倍率は高い水準となっているようだ。国土交通省のまとめによれば、とくに大都市圏は高水準であり、2014年度において東京都は22.8倍、東京圏は15.5倍、大阪府は10.5倍、大阪圏は8.8倍だった。全国平均でも5.8倍であり、公営住宅に応募しても入居することのできない世帯は相当な数にのぼるだろう。
居住水準が必ずしも高いとはいえない公営住宅に応募が集まる理由は、もちろん賃料が安いことにある。だが、「住宅確保要配慮者」に対する民間住宅の賃貸人の意識も大きな要因だ。公益財団法人日本賃貸住宅管理協会が実施した調査によれば、「大家の意識」として高齢者に対し約6割、障がい者に対し約7割、外国人に対し約6割が「拒否感」をもっているという。子育て世帯に対する「拒否感」も約1割になるようだ。従前よりは改善が進んでいるようだが、高齢者や障がい者などに対して「従前よりも拒否感が強くなっている」とする回答もみられる。民間賃貸住宅への「入居の難しさ」も、公営住宅人気の一因となっているようだ。

公営住宅に代わる住まいの整備も進められている

そのため、住宅セーフティネットにおいては、民間賃貸住宅の大家が入居者を限定しないような制度づくりも肝要である。上記調査では「入居制限する理由」で最も多かったのが「家賃の支払いに対する不安」となっているため、これを保証し不安を和らげるような制度も欠かせない。
一般的に「住宅セーフティネット法」といえば、2007年7月6日に公布・施行された「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律」を指すが、2011年10月20日に改正法が施行された「高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)」による「サービス付き高齢者向け住宅」なども含めて考えてよいだろう。
いくつかの制度にもとづいて「借上公営住宅」(民間住宅を借上げて転貸するもの)、「地域優良賃貸住宅」(地方公共団体の支援により民間が供給するもの、前身は特優賃や高優賃等)などの整備も進められている。これらの住宅整備に対して公的な支援をすることで、要配慮者の入居がスムーズになるような対策がとられているのだ。

住宅セーフティネットをめぐる最近の動き

住宅セーフティネット整備の一環として、2012年度から2014年度は「民間住宅活用型住宅セーフティネット整備推進事業」が実施されたほか、2015年度と2016年度は「住宅確保要配慮者あんしん居住推進事業」が行われている。
「住宅確保要配慮者あんしん居住推進事業」は、各地域の「居住支援協議会」などと連携し、空き家を活用して「一定の質が確保された低廉な家賃の賃貸住宅」の供給をするもので、空き家のリフォームやコンバージョンなど改修工事に対して補助がされる。補助率は対象費用の3分の1以内で、賃貸住宅の改修は50万円、事務所や自宅を賃貸住宅に用途変更する場合は100万円が上限となるほか、2016年度からは子育て支援施設を併設する場合の補助も加えられた。
その一方で、「住生活基本計画(全国計画)」(2016年3月閣議決定)において住宅セーフティネット機能強化が提起されたことを受け、4月に「新たな住宅セーフティネット検討小委員会」が国土交通省内に設置され、7月22日に「中間とりまとめ」が公表されている。ここでは「新たな住宅セーフティネットに係る具体的施策の方向性」として次の6項目が挙げられている。

□ セーフティネット住宅の安全性の確保
□ セーフティネット住宅への円滑な入居の確保
□ 安心してセーフティネット住宅に居住できる仕組み
□ 空き家・空き室の活用
□ セーフティネット住宅の情報提供等
□ 特に配慮が必要な住宅確保要配慮者世帯への対応

具体的な施策はこれから検討されていくだろうが、新規供給よりも民間住宅ストックの活用に重点が移ってきたのは近年の大きな流れだろう。それとともに、民間事業者やNPOなどの協力も得て、入居後の居住支援サービスの拡充も課題となっている。高齢者など要支援者の住まいを確保するだけでなく、その後の見守りや安否確認、緊急時の対応などへの態勢を整えなければ、民間賃貸住宅が安定的に提供されないのだ。
上記の「中間とりまとめ」では、市町村単位で「居住支援協議会」を設立することも提言されている。「居住支援協議会」とは「住宅セーフティネット法」に基づいて2011年度から設立が進められているもので、地方公共団体、宅地建物取引業者、賃貸住宅管理業者、家主、居住支援団体などで組織される。だが、都道府県単位ではすべて設立されたものの、区市町村単位では北海道本別町、山形県鶴岡市、江東区、豊島区、板橋区、八王子市、調布市、川崎市、岐阜市、京都市、神戸市、北九州市、福岡市、大牟田市、熊本市の15区市町(2016年6月末時点)にとどまるため、これを広げようとするものである。居住進協議会をはじめとする各種の支援活動の中で、宅地建物取引業者が果たすべき役割も年々その重要性を増していくものと考えられる。
要支援者の増加に対して住宅セーフティネット整備のスピードが追い付いているかどうか、制度の情報が十分に行き渡っているかどうかなど、さまざまな議論はあるだろうが、対策が徐々に進んでいることは理解しておきたい。

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建物改修工事は次の入居者のため、敷金返還請求で80%戻る

2016年10月04日 | 敷金と原状回復
 本年6月中旬まで足立区千住元町で賃料5万円のアパートの部屋を借りていた谷川さん(仮名)は退去時、仲介業者の立会いのもと引越しが完了した。

 しかし9月になっても家主からは敷金が返還されない上、業者からは家主宛の建物改修工事見積書が届き、11万円の支払いを請求され、困って区議さんに相談。組合を紹介され直ぐに事務所を訪ねる。建物改修工事は次の入居者のための工事で、借主が故意過失で棄損したものでなければ支払うことはない。家主宛に敷金返還請求と改修工事費用は転嫁しないよう通知することを助言した。

 1週間後、業者から敷金返還と原状回復費用1万円の支払いを求める回答があった。谷川さんは業者の請求を認め、口座に敷金の残金4万円が振り込まれ、「組合に相談して正解」と語っている。(東京借地借家人新聞より)


敷金が戻らない、莫大な原状回復費用が請求された

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