東京多摩借地借家人組合

アパート・賃貸マンション、店舗、事務所等の賃貸のトラブルのご相談を受付けます。

更新料の性格について賃借人に誤認させ対価性の乏しい趣旨不明な金銭

2011年02月28日 | 最高裁と判例集
 更新料の支払いを定める条項が消費者契約法に違反して無効になるかが争われています。大阪高等裁判所平成二〇年一月三〇日判決は有効であるとし、大阪高等裁判所平成二一年八月二七日判決は無効として、最高裁判所の判断を待つ状況になっています。

 妥当な判決である京都地方裁判所平成二一年九月二五日判決
 同判決は更新料条項が無効であるとしました。

「更新料は、極めて乏しい対価しかなく、単に更新の際に支払う金銭という意味が強い、趣旨不明瞭なものであって、一種の贈与的な性格を有する。本件更新料条項は、民法六〇一条に定められた賃貸借契約における基本的債務たる賃料以外に金銭の支払い義務を課すものであって、民法の規定に比して賃借人の義務を加重するものであり、賃貸人と賃借人間の情報の質及び交渉力の格差を背景に、更新料の性格について賃借人を誤認させた状況で、賃借人に対価性の乏しい相当額の金銭の支払いをさせるという重大な不利益を与え、一方で賃貸人には何らの不利益を与えないものといえ、信義則に反する程度に、衡平を損なう形で一方的に賃借人の利益を損なうものである。」

 賃借人の多くは、更新料の性格(何のために支払うものなのか)をよく認識しないまま、ただ契約締結時に更新料条項に異議を述べて騒ぎ立てても甲斐なく終わることを予感して、更新料条項の当否を不問に付して契約書に判を押しているのが通常でしょう。更新料を対価性の乏しい趣旨不明瞭な給付とした本判決は、契約締結当時の当事者の認識に重きを置いた至極妥当な判断だといえます。

警戒を要する賃借人の立場を無視する判決
もっとも、昨年、同じ京都地裁(ただし別の部)で、更新料を賃料の前払いのほか途中解約時の違約金の性格を有するものとし、更新料条項の効力を肯定した判決が言い渡されました(平成二二年一〇月二九日)。「途中解約時の違約金」というのは、従来あまり指摘がなかった観点です。

更新料を支払う慣習はない
このように更新料条項の効力についての裁判所の判断は分かれています。しかし更新料条項がない場合は更新支払義務がないことは確定した判例です。更新料の支払いと金額について合意ができなければ法定更新を主張することが適切です。 (弁護士 黒岩哲彦)

※消費者契約法第十条  民法 、商法 (明治三十二年法律第四十八号)その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し、消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項 に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。


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インターネットTV 「住まいる チャンネル」 なんで追い出されなきゃいけないの?~

2011年02月25日 | 住まいの貧困に取り組むネットワーク
【生放送アクセス】 <http://ustream.tv/channel/smichan>  【日時】 2月25日(金) 20:00~21:00

 居住権を侵害して、アパートから入居者を退去させる「追い出し屋」。
 いまや民間業者だけでなく、公的住宅でも「耐震不足」を口実に追い出し行為が始まっています。
 「追い出し屋」に対抗するのはどうすればいいのか。
 コントやクイズをまじえてお知らせします。
 
 ぜひご覧ください。


★ 番組内容(予定)

  ・ニュース on 追い出し屋
  ・コント「追い出し・自分の部屋に入れない」by ワ―カホリック(「憲法寄席」創作集団)
  ・「『地震』でゆれる高幡台団地」
  ・「住まい〇×」クイズ
  ・「住まいの相談コーナー」

  ※ツイッターでも相談を受け付けます!


【住まいの貧困に取り組むネットワーク】
 
  ブログ: http://housingpoor.blog53.fc2.com/
  メール: sumainohinkon@gmail.com
  ツイッター: www.twitter.com/sumainohinkonNW/

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追い出し屋規制法の早期制定を 対策会議が2周年シンポ開催

2011年02月22日 | 借地借家人組合への入会と組合の活動
 全国追い出し屋対策会議は、2月19日午後1時から文京区民センターで設立2周年記念シンポジウムを開催した。

 吉田邦彦北海道大学大学院法学研究科教授は「住宅政策の貧困と居住福祉法学―ハウジングプア・貧困ビジネスの現実と同法学の問題意識及び諸課題」と題して基調講演を行なった。吉田教授は「安心・安全の居住の確保は、医療・福祉の充実と密接なかかわりをなすにもかかわらず、従来諸外国と比してもわが国では、居住の公的支援を図るという発想が希薄である」と述べ、借地借家問題についても「低所得者の住宅支援、家賃規制」についての議論が不十分であると指摘した。

被害者報告では、管理会社にアパートを追い出され家財道具を処分された男性は「日払いの派遣で働きネットカフェで生活し、アパートを借りるのに4ヶ月かかった。こんな悪質業者は絶対に許せない」と発言。東借連から佐藤会長が家賃滞納や保証会社の相談は増えており、追い出し屋規制法の制定と同時に家賃補助など公的支援は絶対に必要であると発言した。最後に代表幹事の増田弁護士が継続審議になっている追い出し屋規制法の早期制定を訴えた。

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サブリース会社の落とし穴

2011年02月21日 | 最新情報
毎日放送「VOICE」が2日に「特命調査班 ~マル調~「貸主は誰か?賃貸ビジネス落とし穴」」と題して、サブリース業者による倒産被害を報じています。

サブリース会社は、借家人から預かった家賃をオーナーに支払わず、他の事業に転用したりする業者もあるとは驚きだ。借家人もサブリース会社(家主)が倒産すると敷金が戻ってこない被害も生じている。こんな商売に規制が必要だ。
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住まいの貧困に取り組むネットワーク 2周年の集い

2011年02月18日 | 住まいの貧困に取り組むネットワーク
とき:2011年3月21日(祝・月)10:30~15:00(10:00開場)
ところ:戸塚地域センター7階多目的ホール
(高田馬場駅より徒歩3分)
地図:http://www.to1.bz-office.net/gaiyo.html

 拡大し続ける「住まいの貧困」にストップをかけようと、「住まいの貧困に取り組むネットワーク」が設立され、2年が経ちました。
 混迷する国会情勢の中、「追い出し屋規制法案」は宙吊り状態になり、民主党がマニフェストに掲げた「家賃補助制度」も実現の道筋がまだ見えていません。
 一方、公的な役割を担うはずのUR(旧公団)住宅では「耐震不足」を口実に住民への退去圧力がかけられています。

 人々の暮らしを根底から支えるべき「住まい」が大きく揺らいでいます。
 住宅政策を転換し、「住まいは人権」を実現するために、今こそ共に声をあげていきましょう!

<主な集会内容(予定)>

・早川由美子監督作品『さようならUR』初上映会

・コント「追い出し・自分の部屋に入れない」 ワ―カホリック(「憲法寄席」創作集団)

・ディスカッション『なぜ今、家賃補助が必要か~私たちと住まい~』
河添誠(首都圏青年ユニオン)、稲葉剛(自立生活サポートセンター・もやい)、坂庭国晴(国民の住まいを守る全国連絡会)


*集会終了後に高田馬場駅頭にて、街頭アピールをおこないます。ぜひご協力ください。

*ドキュメンタリー映画『さようならUR』(早川由美子監督作品)

 耐震性不足を理由に取り壊しが決まった、UR(旧住宅公団)所有の高幡台団地73号棟(東京・日野市)。数年前までURは耐震改修を行うと住民に知らせていたにもかかわらず、突然の方針転換。
 (本当にこの建物は危ないの?
直すことは不可能なの?)と疑問を持った住民たちが情報公開請求で資料を請求するも、構造設計図はすべて黒塗り、決定の過程も不透明なまま。
 UR団地の削減方針が決まったのと時を同じくして発表された73号棟の取り壊し。背景にあるのは団地の削減、民営化なのか?
 偶然この問題を知った監督が、団地に暮らす人々の暮らしに密着し、住宅問題にかかわる専門家たち、UR、国交省…と取材する中で、この国の公共住宅とその将来を考えていく、異色の”住宅”ドキュメンタリー映画。

you tubeで予告篇を配信中!
http://www.youtube.com/watch?v=lrd3eaXpymg※3月16日には下記の集会をおこなう予定です。こちらもご参集ください。
 「家賃補助、公的保証実現をめざす」院内集会(仮称)
  日時 3月16日(水) 午後3時~午後5時
  会場 衆議院第2議員会館第1会議室


【主催】住まいの貧困に取り組むネットワーク
 ブログ: http://housingpoor.blog53.fc2.com/
 メール: sumainohinkon@gmail.com
 ツイッター: www.twitter.com/sumainohinkonNW/


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家賃の大幅値上げの調停が不調

2011年02月17日 | 地代家賃の増減
 国分寺市並木町の一戸建ての借家に住むHさんは、6年前に以前の借家を明渡すかわりに、新築で新しい建物を建てるので移ってほしい家主に言われ、直ぐ近くの借家に5年契約で家賃6万3000円で移転しました。新築の建物に入居できるということで以前の家賃から1万4000円もアップしました。その時も口約束で5年が経っても大幅な値上げはしないからということで、Hさんは移転に同意しました。

 ところが、5年経った昨年1月に2月分の家賃から13万円に増額するか、それが不可能なら3000万円で土地と建物を買取るよう弁護士を通じて内容証明郵便で請求されました。Hさんは、どちらも応じられないと回答したところ、家主は昨年7月に家賃を月額11万円に増額する調停を立川簡易裁判所に起こしてきました。調停では、調停委員から「値上げに応じないと裁判になったらあなたは住んでいられなくなる」と脅されましたが、Hさんはその都度組合の法律相談に参加し、調停で頑張りました。調停委員は、最終的に双方の間を取って月額7万5000円ではどうかとの案が提示されましたが、Hさんは10年間その金額で値上げしないのなら生活を切り詰めてでも応じる旨を回答しました。しかし、家主側はその提案を拒否し、調停は4回目で不調となりました。

 その後、2ヶ月が経過するが、家主からは何の音沙汰もありません。Hさんは、裁判になることも覚悟していますが、これ以上値上げされたら年金生活で暮らしていけなくなると頑張る決意です。


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無断で鍵交換、荷物廃棄  川崎の被害者 不動産会社と貸主提訴

2011年02月15日 | 追い出し屋被害 家賃保証会社
 家賃滞納を理由に、無断で賃貸アパートの部屋の鍵を交換し、荷物を処分して強制的に住居から排除する「追い出し屋」の被害にあった男性(51)がこのほど、不動産会社「白凰開発」(川崎市麻生区)と貸主に対し、損害賠償を求めて横浜地裁に提訴しました。

 訴状によると、男性は2007年5月から09年5月までアパートに入居しました。08年に、勤めていた建設会社の所属部門が経営難で廃止されて退職せざるをえなくなり、同年9月から生活保護を受給しました。ところが、市の担当者から受給の辞退を強要され、12月に受給を廃止。仕事が決まっていなかったために09年1月から家賃を滞納せざるをえなくなりました。

 その後、白凰開発の従業員と貸主らは男性の部屋のドアをドンドンとたたき、「出てってくれ。鍵を交換する」などと脅し、4月には男性が新しく決まった勤め先に研修に行っている間に部屋に侵入し、鍵を交換した上、すべての持ち物を撤去・廃棄しました。

 弁護団は、火災保険の独身世帯の家財道具再調達額にあたる300万円に慰謝料を加えた400万円の賠償を求めています。

 追い出し屋問題では、東京地裁でも、被害にあった男性(36)が、家賃保証会社に賠償を求めて提訴しています。

 追い出し屋被害者を支援している「全国追い出し屋対策会議」(代表幹事=増田尚弁護士)は、結成2周年集会を19日午後1時から東京都文京区の文京区民センターで開きます。

(しんぶん赤旗 2月15日)
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「サービス付き高齢者向け住宅」を創設/高齢者すまい法改正案が閣議決定

2011年02月10日 | 国と東京都の住宅政策
「高齢者の居住の安定確保に関する法律」(高齢者すまい法)の改正案が、8日閣議決定された。

 バリアフリー構造等を備え、介護・医療と連携して、高齢者支援サービスを提供する「サービス付き高齢者向け住宅」を、都道府県に登録する新たな制度の創設等を行なう。

 登録を受けた高齢者向けの賃貸住宅、有料老人ホームなどの事業者に対し、誇大広告の禁止、登録事項の公示、契約締結前の書面の交付・説明等を義務付ける。

 高齢者円滑入居賃貸住宅の登録制度や、高齢者向け優良賃貸住宅の供給計画の認定制度、高齢者居住支援センターの指定制度は廃止となり、補助、融資、税による支援策を充実させ、民間による供給を促進していく。また、介護保険法改正による「定期巡回随時対応サービス」等と組み合わせた仕組みも普及させていく。
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組合の催し物と行事

2011年02月10日 | 東京借地借家人組合連合会
■城北借組「西武デパート相談会」
 3月16日(水)・17日(木)午前11時~午後5時(午後1時~2時昼食休憩)まで、西武デパート7階お客様相談室。
 「無料法律相談会」
3月18日(金)午後2時から組合事務所。相談者要予約。連絡・(3982)7654。
■多摩借組「定例法律相談」
 3月12日(土)午後2時30分から組合事務所。担当は山口真美弁護士。相談者は要予約。
■江東借組「法律相談」
 毎月第2水曜日午後6時から大島総合区民センター。連絡・(3640)4694。
■葛飾借組「定例相談」
 毎週水・金曜日の午前10時から組合事務所。連絡・(3608)2251。
■足立借組「定例相談」
 毎月第2日曜日午後1時から2時、組合事務所。
 「第40回定期総会」
 3月27日(土)午後1時30分から東京土建足立支部の会館会議室。連絡(3
882)0055。
■荒川借組「夜間相談会」
 毎月第1・第3水曜日午後7時から組合事務所。
 「法律相談」
 毎月第3金曜日の午後7時から組合事務所。相談者は要予約。連絡・(3801)8697。
■北借組「法律相談」
毎月第1・第3水曜日午後7時から赤羽会館。相談者は要予約。連絡・(3908)7270。
■世田谷借組「相談会」
 毎月23日午後2時~7時まで組合事務所。連絡・(3428)0828。
■大田借組「第45回定期総会」
 3月27日(日)午後1時から大田区消費生活センター。連絡・(3735)8
481。
■東借連「第32回定期総会」
 3月6日(日)午前10時から東京都生協連会館。

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抵当権付のアパートを借りたが、入居後すぐに競売にかけられてしまった

2011年02月09日 | 借地借家の法律知識
質問
 契約時に抵当権付きの賃貸アパートであることは聞いていたが、入居後すぐに競売にかけられてしまった。退去しなければならないのか。また、敷金は戻ってくるのか。




回答
 2004年4月1日以降の新規の賃貸借契約では、競売手続き開始前から入居している賃借人の場合、競落人(競売の落札者)の代金納付時(所有権移転時)から6カ月間はそのまま居住できる明渡猶予制度が適用されます。

 そのため、競落による家主の交代があっても、家賃相当額を新家主に支払うことで6カ月間の居住が確保されますが、敷金返還は元の家主に対して請求することになります。

 抵当権が設定されている建物に入居することはリスクの高いものです。将来競売によって所有者が変更された場合、賃借権を主張できず敷金や保証金の回収ができない可能性があります。十分に検討しましょう。

 また、賃貸借契約の際に宅建業者が物件に抵当権が設定されている旨の説明を怠っていた場合には宅建業者に対し損害賠償請求できる場合もあります。

 なお、2004年3月31日までに締結された短期賃貸借契約(3年以内の賃貸借)は、同年4月1日以降更新された場合も含めて短期賃貸借制度が適用されるため、競売による家主の交代後も残りの賃借期間は居住できます。この場合、敷金の請求は新家主に行うことになっています。

(国民生活センター)


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更新料を支払う代わりに地主が超高額な地代値上げ

2011年02月08日 | 地代家賃の増減
埼玉県和光市に住む川島さんは今年の11月に更新の時期を迎える事になっていた。地主から更新について「いっぺんに更新料を支払うのは大変だろうから地代の値上げで話をつけようではないか」という提案があった。前回の更新時も、更新料のかわりに、地代をそれまでの3倍近い金額を支払うことになった。その結果、20年間で、800万円という金額になってしまった。今回も、地主の更新料請求に名を借りた地代600万円の更新料を支払うことと同じになってしまうばかりか、公租公課の10数倍の地代を支払う計算になった。

川島さん「更新料については支払う法的根拠がない」ことを説明され、今回は、更新料支払いを拒否するだけではなく、地代の値下げを請求し、合意が出来なければ調停、裁判で決着するつもりで頑張ることにした。まわりにも呼びかけ、相談会を組織し組合をつくり、地主と交渉することにした。


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地主が不当な因縁つけ明渡し請求 明渡しの理由も一転

2011年02月07日 | 明渡しと地上げ問題
 荒川区町屋に住んでいる高橋さん(仮名)は、親の代から他区で50年前から借地して、10世帯が入居できる木造モルタル2階建てアパートを経営している。3年前に親が他界し、その直後に地主も亡くなり共に相続によって現在賃貸借が続行している。

 ところが昨年10月に突然地主から通告があって「お宅のアパートの住人が家のポストを壊した。窓ガラスに石を投げガラスを割った。何の理由もなくこんな被害を受けることは容認できない。こんな危険人物を入居させている高橋さんの気が知れない。直ちに住民を追い出して更地にして土地を返せ」と要求された。

 高橋さんはアパートの管理会社を通じてアパートの入居者が間違いなくやったのか、確たる証拠があるのか正した。その結果、地主宅の防犯カメラにそれらしき人物が映っているが夜間だからはっきりしないと回答してきた。それなら、ビデオを第三者立会いの上見せてほしいと地主に申し入れたが拒否された。

 高橋さんは、管理会社を立ち合わせて改めて入居者に近所に迷惑をかけないように注意した。地主は、何時までに土地を明渡すのか期日を決めてもらいたい等と管理会社の方に度々催告してきた。高橋さんは「何の確証もないのに言いがかりは止めてほしい」と主張し、明渡しの話には一切応じなかった。昨年12月に入ると地主は理由が一変。建物が古くなったから明渡せと言ってきた。その後、地主の代理人だと称する者から「警察沙汰や裁判になるとやっかいになる」と管理会社にまで明渡しの協力を依頼してきた。高橋さんは、10年前に親が数百万円もの更新料を支払っているのに、こんな理不尽な話はないと途方にくれていた矢先、組合のポスターを見て荒川借組に入会した。地主に対し「明渡しは断固拒否する」と通告した。


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借地借家法見直す必要はない 法務省と懇談会で回答

2011年02月02日 | 定期借家制度
 借地借家法改悪反対全国連絡会は、1月24日の午前11時から法務省民事局参事官室と定期借家制度と正当事由制度の見直し問題を中心に1時間にわたり懇談した。懇談には全借連・全国公団自治協・全国公住協から8名の代表が参加した。法務省からは参事官室局付の斉藤、遠藤両氏が対応した。

 全借連の船越副会長が懇談の趣旨を説明し、各団体からも定期借家制度が公共賃貸住宅に広がり、民間賃貸住宅ではゲストハウスなど劣悪な住宅に拡大している実態を説明した。また、行政刷新会議などによる借地借家法の正当事由見直しの検討に対する法務省の見解を伺った。

 法務省は、「国交省の姿勢は一貫している。定期借家制度を今ある以上に広げることを肯定する考えはない。行政刷新会議には、借地借家法をいじる必要のないことは、大臣をはじめ政務三役の了解を得た上で、回答を返している。行政刷新会議とは年度が替わり、またやり取りがあることが予想されるが法務省の考えは変わることはない」と正当事由の見直しに明確に反対であると回答した。「今後もみなさんの現場の意見を聞かせてほしい」と全国連絡会に対して好意的態度を示していた。


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