東京多摩借地借家人組合

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住み続けたい。大東建託の強引な明渡要求には屈しない (奈良)

2011年04月27日 | 明渡しと地上げ問題
大東建託は4世帯の借家人へ昨年末から再三にわたり、立退料として60万円と引き換えに一方的に明渡を要求、時には面談を強要し時には文書で明け渡しに同意しているかのごとく引越しの催促をするなど、借家人へ居住不安を煽りました。

 1月末には、130万円と引き換えに2月末までに解約に応じなけれれば裁判所へ提訴するなどの通知が送られてきました。

 奈良市では数年ぶりの大雪が降った2月14日夜、4世帯の借家人は、大東建託と家主側の申入れに対する対応について船越康亘大借連会長を交えて検討し、77年間住み続けた96歳のお年寄りが「ここに住み続けたい。終の棲家にしたい」と身内の方によって伝えられました。「環境の良い住宅地を壊したくない。家族同然のコミニティーを大事にしたい。おばあちゃんの気持ち大事にしたい」と全員一致してお金では買われないもっと大切なものがあることを確認しました。そして、全員で誠意を持って検討したが、最終的に契約の解約には応じることはできないと家主へ回答しました。

 平成23年2月22日付毛で家主から「私の意向に添ってくださることが出来ないことが解りました」との内容証明郵便が送られて、今後は補修の必要が生じても一切責任を取ることはできない旨の意思表示がされてきました。

 4世帯の中心的な役割を担い、これまで団結して頑張ってきた居住者の1人であるAさんは、「本当に大東建託が手を引いて、みんなほっとした。居住の権利の大切さを知り、環境の素晴らしい奈良の町を守ることができました。そして、住み続ける権利を他人から侵されるのではなく、自分に選択する権利があることを勉強しました」と喜びを語っています。


(全国借地借家人新聞より)



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賃貸住宅の初期費用 名目さまざま トラブル誘発

2011年04月25日 | 最新情報
 賃貸住宅を探す際、家賃とともに選択の基準になるのが敷金や礼金などの初期費用。礼金は返還されないが、退去時に本来戻ってくるべき敷金を返さない契約になっていたり、別名目で徴収したりする物件も多く、分かりづらい。正しい知識を身に付け、納得いく契約をしたい。 (稲田雅文)

 二月に岐阜県内のアパートから名古屋市に引っ越した二十代の男性は、敷金の返却で管理会社とトラブルになった。

 月三万三千円の家賃に対し、敷金は三カ月分の九万九千円。三年住んだが「きれいに使っている」と思っていた。ところが、男性が結んだ契約では、退去時に返却する額をあらかじめ決める「敷引き」の特約があり、返却はゼロだった。

 納得できず管理会社に「少しでも返却を」と要望。しかし契約を盾に「返せない」の一点張り。敷金は原状回復に充てたと説明されたため、明細を取り寄せた。壁紙の張り替えなどで十数万円かかったとする内容だったが、「なぜ張り替えが必要なのか」と不信感を募らせる。

 敷金は、家賃の不払いや、明け渡しの際の部屋の修繕に備える目的で徴収される。関西では「保証金」と呼ぶことが多い。

 問題になるのが、どこまで借り主が修繕費を負担するのかだ。敷金返却をめぐってトラブルが多発しているため、国土交通省が賃貸住宅の原状回復についてガイドラインをまとめている。インターネットで入手できる。

 ガイドラインによれば、原状回復は、借りた当初の状態に戻すことではない。部屋や設備を大切にして暮らすことを前提に、普通に住めば発生する畳の変色、家具で付いたカーペットのへこみなどは「経年変化」や「通常損耗」で、修繕費は家賃に含まれると考える。

 借り主が負担すべきは、キャスター付きいすで付いた床の傷や、手入れせずこびり付いた台所の油汚れなど、故意や過失などがあった場合だ。

 注意したいのが特約。契約で原状回復を超える負担を借り主に課すこともできる。ガイドラインも、すでに結んだ契約は有効と考えられ、契約締結時に参考にしてほしいとする立場だ。ただ、高額の敷引き特約は、消費者契約法により無効とした判例もある。

     ◇

 「近年は、敷金以外のさまざまな名目でお金を取る契約も増え、分かりにくくなっている」と指摘するのは、名古屋市消費生活センター情報アドバイザーの高橋智美さん。

 実態を知るため、賃貸住宅の情報誌などを調べると、敷金・礼金以外に多くの表現があり、確かに分かりづらい。

 愛知県内の物件で多かったのが、礼金の表記がなく、家賃の二、三カ月の保証金を示して、「解約引き100%」「償却100%」とする表現。載せた仲介業者に聞くと、「保証金の返却はないという意味で、(実質的に)礼金を取っているのと同じ」と説明する。

 例えば、家賃二カ月分の保証金で、礼金なしでも「解約引き50%」と表示された物件だと、敷金一カ月、礼金一カ月と同じ意味になる。

 敷金・礼金を低く抑える一方、家賃の一、二カ月程度の「修繕負担金」「内装工事負担金」「契約一時金」などの名目で、契約時に別途徴収する物件も多い。

 全国展開する仲介業者は、敷金・礼金「ゼロ」と表示する物件で、家賃一カ月分前後の内装費を取る。高橋さんは「こうした契約でも、故意や過失による傷や汚れの修繕費は退去時に請求されるはず。払ったお金でどこまでカバーできるのか、契約時にきちんと聞くべきです」と語る。

 東京都内では、こうした特約の表記は少ないが、清掃や鍵交換の具体的な金額を表記する物件が多かった。ガイドラインの考え方では、借り主負担ではないはずだ。

 消費者問題に取り組む名古屋市の松沢良人弁護士は「消費者にとって分かりづらい表記が多い。比較しやすいよう統一して表示すべきではないか」と指摘する。

(中日新聞 3月3日)
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国の賃貸住宅あっせん「待った」 被災3県、誤解懸念

2011年04月21日 | 国と東京都の住宅政策
 避難所暮らしが続く被災者に、国土交通省が民間の賃貸住宅の物件情報を提供しようとしたところ、宮城、福島、岩手の3県から「待った」がかかった。仮設住宅のように無償で入居できるのか、国の方針が定まらず、混乱を招くためだ。
 国交省とリクルートは民間住宅約4万件分の家賃や間取り、築年月を掲載した情報誌を作成。東北4県版(青森、岩手、秋田、山形)、宮城県版、福島県版、茨城県版の4種類を10万部ほど印刷し、県や市町村を通じて避難所に無料配布する予定だった。
 しかし、宮城県と福島県は「当面、配布は見合わせてほしい」と回答。岩手県も受け入れたのは県と市町村用の133部だけ。結局、印刷は計2万部にとどめた。
 災害救助法では、県が借り上げた賃貸住宅は仮設住宅とみなし、2年間の家賃を国費で負担することができる。しかし、被災者が自力で賃貸住宅を借りることは同法が想定していない。
 沿岸部を中心に広い範囲で被害が出て被災者は約13万人いる。仮設住宅は足りず、避難所の中には劣悪な環境のところもある。そんな中、自力で賃貸住宅を借りた被災者の家賃も国が負担するのか、法の規定を貫くのか、法を所管する厚生労働省との調整が決着しないまま、国交省が情報誌を作った。
 一方で被災3県は、地元を離れたくない被災者向けに、各県内の賃貸住宅の借り上げを始めたばかり。国の紹介物件と重複すると困るという事情もあった。(歌野清一郎、坂田達郎)

(朝日 4月21日)

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更新料等を支払う旨の約定は、合意更新を前提としたもので、法定更新には適用されないとした事例

2011年04月19日 | 最高裁と判例集
京都地裁判決 平成16年5月18日
(ホームページ下級裁主要判決情報)

《要旨》
 建物の賃貸借契約における更新料等を支払う旨の約定は、合意更新を前提としたもので、法定更新には適用されないとした事例


(1) 事案の概要
 賃貸人Xは、平成14年2月24日、賃借人Yとの間で、建物を賃貸する旨の契約を締結した。条件は、①期間:同年3月1日から1年間、②賃料:6万2,000円、③管理費:8,510円、④更新料:新賃料の2か月分、⑤更新手続料:1万500円であった。
 Xの代理人(管理会社)Aは、平成15年2月ごろ、契約期間を平成15年3月1日から1年間などの記載のある「建物賃貸借契約継続及び改訂事項に関する覚書」という書面を送って、Yに署名・押印を求め、後に、更新料と更新手続料の支払を求めた。
 これに対しYは、本件約定は、新たに合意された賃料の存在を前提にし、その2か月分を更新料として支払うことを内容とするものであるから、法定更新の場合には適用されない、本件賃貸借契約は法定更新されているなどとして、支払を拒絶した。XはYに対して更新料等の支払を求めて提訴した。

(2) 判決の要旨
 ①借地借家法の趣旨に照らすと、法定更新の場合にも更新料を支払う旨を明確に約定している場合等合理的な理由がある場合を除いては、これを認めることは慎重であるべきである。
 ②本件約定は、文言上は、合意更新と法定更新を区別していない。しかし、法定更新の場合には更新手続に費用がかかるとは通常考えられず、手数料に関するものは、合意更新が前提と認めるのが相当である。
 ③合意更新の場合は、期間が定められ更新されるから、期間満了までは明渡しを求められることがなく、次回更新拒絶の場合でも、更新料の支払が、正当事由の存在を否定する考慮要素となる。一方、法定更新の場合は、期間の定めがなく、常に解約申入れの恐れがあり、その立場は不安定になるので、賃借人にとって、更新料を支払って合意更新する一定の利益は存することになる。
 ④この点を考慮すると、合意更新と法定更新とで、更新料の支払の要否について差が生じても、賃借人間で不公平が生じるとは言い難く、むしろ、法定更新についても更新料の支払を要するとすることの方が、合理性は少ないというべきである。本件更新約定は、合意更新を前提としたものであり、法定更新には適用されないとするのが契約当事者の合理的な意思に合致すると認められる。


(3) まとめ
 本件は、建物の賃貸借契約において、約定で更新時に更新料の支払をするとしたものの、それが合意更新のみならず、法定更新も含むものなのかがはっきりせず、争いになったのもであり、法定更新についても更新料の支払を要することは、借地借家法に照らしても合理性が少ないとした事例である。

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耐震検査で取り壊し勧告受けたと嘘の理由で明渡合意書に署名させる

2011年04月19日 | 明渡しと地上げ問題
 神戸市東灘区で文化住宅を借りているA子さんは、非正規の美容師さん。定職できず家賃も2カ月滞納し、生活不安の状態です。

 家主の代理人と称するTコンサルタントから、敷金全額返還を条件に6月末までに明け渡せと5月上旬に通知されました。震災後の神戸市の耐震検査で取壊し勧告を受けたというのが明け渡しの口実です。

 途方に暮れたAさんは、Tコンサルタントの強引な退去交渉に「明渡合意書」に署名捺印してしまいました。Aさんは、引っ越し先を探しに仲介業者を訪ねって、移転先を確保するために手付金を納めました。ところが、Tコンサルタントは、頼みもしないのに仲介業者へ同行し、引っ越し先まで確認する始末。

 この時点までは、何の疑いもなくTコンサルタントと接触していましたが、知人に相談し、急に不安を覚え、大借連を訪問。

 Aさんの話によるとTコンサルタントは、初めは宅建業の免許を持っているとの話でありました。しかし、免許番号を確認したいので教えて欲しいというと「免許は持っていない」という返事があり、無免許業者であることが判明しました。

 Aさんは、免許の無い業者では信頼できないと立ち退き交渉を中断し、家主へ連絡。家主は、文化住宅に隣接した民家の解体をしていたTコンサルタントから「ついでに文化住宅の立ち退き交渉を行い、成立したら解体して更地にする」と云われたので依頼したという。そして、家主は「条件が合わなければ従来通り住んでいてもよい。しかし、家が崩壊した場合の責任は応じない」と立ち退き条件などの話合いを拒否され、せっかく決めていた移転先も手付流れ(*)となりました。

 Aさんはもっと早く大借連を知ればこんな不安な思いをしなくてもよかったのにと悔やんでいます。



      大借連新聞より



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礼金一部無効 中途解約で返金命じる判決

2011年04月18日 | 最新情報
 大阪簡裁(篠田隆夫裁判官)は、3月18日、12万円の礼金について消費者契約法10条により一部無効として、9万円の返還を賃貸人に命じる判決を言い渡しました。産経新聞
 判決は、礼金の法的性質について、建物使用の対価である賃料の前払いであると理解し、中途解約をした場合には未使用期間に対応する返還すべきであり、未使用期間を返還しない限度で消費者契約法10条により無効となるとの判断を示しています。その上で、謝礼の趣旨もあるとして、使用期間の賃料相当額(2万円)と謝礼(1万円)を控除した9万円を返還すべきと結論づけました。
 使用の対価や謝礼の趣旨があるとの判決の理解には、にわかに賛同できませんが、「礼金も賃料だ」との賃貸人側の主張に依拠しつつ、そうであれば未使用期間については返還せよとの判断を示したものとして評価できます。早期に退去した本件のようなケースでは、礼金の弊害がいっそう当てはまります。(ローヤーズクラブより)
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近隣と比べ高過ぎる家賃値下げして!

2011年04月18日 | 地代家賃の増減
板橋区氷川町の佐々木さんは、6階建てのマンションの5階に、十数年前に引越してきた。依頼、入居した時と同じ家賃を支払っていた。

数年前、近所の不動産屋で自分たちが住んでいる同じマンションの入居募集の広告を見て、家賃が3万円も安い金額が提示されていてびっくりしたが、その時は、そんなものかと思っていた。

今年、長年勤めていた会社も定年退職して、あらためてインターネットなどで自分が住んでいるマンションの家賃を調べてみたところ、3万円も安い家賃で募集していることが分かり、十数年同じ家賃で支払っていたことに怒りを覚え、管理している不動産会社に同じマンションで同じ間取りなのになんでこんなに家賃に開きがあるのか問いただすとともに家賃の減額と支払いすぎた家賃の差額を返還するよう求めた。

管理会社は2階と5階の差で問題ないと回答してきたので、どこか相談できるところはないかと組合事務所に相談に来た。組合では「賃料の値上げ値下げは双方の合意が原則です。賃料の減額請求も賃借人が黙っていると減額をしない家主が多いです。しっかりと請求し、相手が応じない場合は調停などの法的手続きも含め検討しましょう」とアドバイスした。その後、管理会社に請求したところ一万円の減額を提案してきた。佐々木さん「組合に入会し、もっと減額できるよう頑張ると」語った。


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東京多摩借組第31回定期総会のご案内

2011年04月15日 | 借地借家人組合への入会と組合の活動
2年に1回行う多摩借組の第31回定期総会を今年は5月29日に東京都国分寺労政会館で開催致します。東日本大震災の被災地のみなさんのことを思うと大変心が痛みますが、被災地の皆さんの生活の中で、「住宅」の問題がまず重要になっています。今年の総会では、震災からの復興のための住宅・居住支援についても大いに考える総会にしたいと思います。

また何時起こるか分からない「首都圏の直下型地震」への対策として、借地借家問題も今後様々な影響が出てくると思います。さらに、この2年間で各地で頑張ってきたみなさんの経験も総会の中で交流したいと思います。

第2部の学習会では、組合の顧問弁護士の山口真美弁護士を講師にお迎えし、借地・借家のトラブルが調停や裁判に発展する事例も増えている中で、裁判や調停の手続きや仕組みについて学習します。借主にとっても紛争を解決できる手段にもなりますので、しっかりと学習しましょう。ぜひ、皆さん総会と学習会にあわせてご参加下さいますようよろしく御願い致します。

■日時 5月29日(日)午後1時集合
■会場 国分寺労政会館第2会議室
■第1部 第32回定期総会
 第2部 学習会「民事裁判と調停の仕組み」
 第2部は午後3時頃開催します。
■講師 組合顧問 山口真美弁護士
■申込み 組合事務所まで電話かFAXで
 電話 042-526-1094 FAX 042-512-7194
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中途解約の礼金返還命令 「建物使用の対価」契約無効 大阪簡裁

2011年04月14日 | 最高裁と判例集
賃貸住宅の礼金支払いを義務づけた契約条項の有効性が争われた訴訟の判決で、大阪簡裁が中途解約時の返還に応じない契約を無効と判断し、家主側に一部返還を命じていたことが13日、分かった。判決は3月18日付。原告側代理人によると、礼金の返還を認めた判決は初めて。

 原告は大阪市内の男性(24)。平成21年12月、市内の賃貸物件に入居する際、1年契約で礼金12万円を支払ったが、2カ月足らずで転居した。

 判決理由で篠田隆夫裁判官は「礼金の主な性質は賃料の前払いで、建物使用の対価に当たる」と指摘。契約満了前に退去したケースで「未使用期間に対応する礼金の返還は当然」と述べ、中途解約でも返還しないとする契約内容は「消費者利益を一方的に害し無効」と判断した。

 そのうえで男性の未使用期間を10カ月と認定し、謝礼などを引いた9万円の返還を家主に命じた。礼金条項そのものが違法とする原告側の主張については「礼金にも一定の合理性がある」として退けた。


(2011年4月14日 産経関西)
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地震で外壁剥がれる 借地人が修繕を実行

2011年04月12日 | 増改築と修繕
 3月11日に発生した東日本大震災で、荒川借組のO・Kさんから次のような地震被害の報告が組合にあった。

「我家は、平屋建てで築60年が経過し、かなりの部分が傷んでいたため、家の外壁が剥がれ落ち、畳の下の床が落ちたり、ドアの開閉も不自由となったり家の中で随所に被害が出てしまった。その後も大小あわせて何回も余震に見舞われ、家が倒壊するのではと落ち着かなかった。

最近、修繕と耐震補強工事をしなければと思い、念のため借地契約書を確認したところ、修繕するにも地主の承諾を得るよう明記してあったため、組合に相談した。組合からは、借地人が家の修繕を行なうことは自由であり、地震で建物が全壊しても借地権は存続し、例え修繕や増改築の禁止条項があっても、倒壊前の借地権の存続期間中は家を建替える権利があり、倒壊前と同様な建物を建てるのであれば地主の承諾は必要としないとのアドバイス受け、速やかに家の修繕を行なった」。

「今後、借地契約期間が満了した時に地主が無断で修繕したことを理由に借地の明渡しを要求してきたとしても、私は堂々闘う決意です」。(東京借地借家人新聞より)


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住宅ドキュメンタリー映画「さようならUR」

2011年04月09日 | 住まいの貧困に取り組むネットワーク
耐震問題で揺れるUR(旧住宅公団)の団地。
生活基盤の住居が足元から揺らぐ…。

前作「ブライアンと仲間たち パーラメント・スクエアSW1」で2009年度日本ジャーナリスト会議(JCJ)黒田清・JCJ新人賞を受賞した早川由美子監督最新作、「さようならUR」。

公共住宅問題を考える一助として、この映画を規模、営利、非営利問わず広く上映していけたらと思っています。そのため、自主上映会を開催してくださるサポーターの方を、大募集中です!
地域で、団地で、職場で、あるいはグループで、自主上映会開催に興味のある方は、ウェブサイトよりご連絡ください。

<作品ウェブサイト>
www.petiteadventurefilms.com

<あらすじ>
耐震性不足を理由に取り壊しが決まった、UR(旧住宅公団)管理の高幡台団地73号棟(東京・日野市)。数年前までURは耐震改修を行うと住民に知らせていたにもかかわらず、突然の方針転換。
UR団地の住宅削減方針が決まったのと時を同じくして発表された73号棟の取り壊し。背景にあるのは団地の削減、民営化なのか?
偶然この問題を知った監督が、団地に住む人々の暮らしに密着し、住宅問題の専門家、UR、国交省…と取材する中で、地震国・日本の公共住宅とその将来を考えていく、異色の”住宅”ドキュメンタリー映画。

制作:2011年、日本
上映時間:約70分

<推薦者のコメント>
住民の安全のためにあるはずの「耐震診断」を住民の追い出しのために使う。このURの姿勢こそ、「耐震」「偽装」ではないのか。怒りで耐えがたい震えが来る。     
ジャーナリスト 大谷昭宏

市場原理の嵐の中で吹き飛ばされる記憶と暮らし。私たちはもはや根づくことすら許されないのだろうか。73号棟で起きていることは私たち自身の未来である。
住まいの貧困に取り組むネットワーク世話人 稲葉剛
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第31回定期総会の参加と東日本大震災の救援募金のお願い

2011年04月06日 | 借地借家人組合への入会と組合の活動
組合の第31回定期総会を今年は5月29日に東京都国分寺労政会館で開催致します。東日本大震災の被災地のみなさんのことを思うと大変心が痛みますが、被災地の皆さんの生活の中で、「住宅」の問題がまず重要になっています。今年の総会では、震災からの復興のための住宅・居住支援についても大いに考える総会にしたいと思います。また、この2年間の組合員のみなさんの経験も総会の中で大いに交流したいと考えています。

第2部の学習会では、組合の顧問弁護士の山口真美弁護士を講師にお迎えし、借地・借家のトラブルが調停や裁判に発展する事例も増えている中で、裁判や調停の手続きや仕組みについて学習します。借主にとっても紛争を解決できる手段にもなりますので、しっかりと学習しましょう。ぜひ、皆さん総会と学習会にあわせてご参加下さいますようよろしく御願い致します。(総会と学習会は組合員になりますと参加できます)

■日時 5月29日(日)午後1時集合、1時15分開会
■会場 国分寺労政会館第2会議室
■第1部 第32回定期総会
 第2部 学習会「民事裁判と調停の仕組み」(午後3時頃から)
■講師 組合顧問 山口真美弁護士
■申込み 組合事務所まで電話かFAXで FAX 042-512-7194

◎3月11日に起きた東日本大震災は、世界で観測史上4番目のマグニチュード9・0を記録し、震源域は南北500キロ、東西200キロに及ぶ桁外れの震災でした。地震で発生した大津波は、青森から千葉の太平洋沿岸を襲い、街を壊し、多くの尊い命を奪いました。また、今回の大震災によって福島第1原発は最悪の事故を起こし、現在も深刻な状況が続いています。

 東北地方にも、原発の近くの南相馬市と水戸市、盛岡市に借地借家人組合があり、全国借地借家人組合連合会の事務所に先頃組合の役員の方から連絡が入り、どなたも無事であることが確認されました。東借連と全借連では、今回の大震災で被災された皆さんや被災地域の借地借家人組合の組合員に救援募金を送ることを決めました。皆さんのご支援・ご協力をよろしく御願い致します。

●送金先 東京多摩借地借家人組合
郵便振替口座にご送金下さい。口座番号 00120-8-37748
(備考欄に救援募金と明記してください)


東京多摩借地借家人組合
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マンション勧誘への規制強化、2011年度中に対応 規制・制度改革方針案

2011年04月05日 | 国と東京都の住宅政策
 内閣府は4月5日、規制・制度改革に係る方針案を民主党の内閣部門・成長戦略・経済対策PT合同会議に報告した。方針案は、1月に規制・制度改革分科会が決定した改革方針中間案から各省庁との折衝や規制仕分けを踏まえ、まとめたもの。同8日に閣議決定する予定。



 住宅・不動産関連では、規制仕分けで対象になったマンション投資への悪質な勧誘に対する規制強化について、省令や通達で対応可能なものは2011年度前半に措置を、法的措置は取引の安定性にも考慮して検討し、2011年度中に結論を得ることが盛り込まれた。また、賃貸借契約について、賃貸人による解約申し入れや更新拒絶による契約終了をめぐる紛争の適切な解決に資するため、借地借家法の正当事由制度が問題となった裁判例の整理・分析結果を2011年度に可能な限り速やかに公表するとしている。
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大震災で建物が破損 地主の承諾不要 速やかに修繕

2011年04月05日 | 増改築と修繕
 3月11日に発生した東日本大震災で、荒川借組のO・Kさんから次のような地震被害の報告が組合にあった。

「我家は、平屋建てで築60年が経過し、かなりの部分が傷んでいたため、家の外壁が剥がれ落ち、畳の下の床が落ちたり、ドアの開閉も不自由となったり家の中で随所に被害が出てしまった。その後も大小あわせて何回も余震に見舞われ、家が倒壊するのではと落ち着かなかった。

最近、修繕と耐震補強工事をしなければと思い、念のため借地契約書を確認したところ、修繕するにも地主の承諾を得るよう明記してあったため、組合に相談した。組合からは、借地人が家の修繕を行なうことは自由であり、地震で建物が全壊しても借地権は存続し、例え修繕や増改築の禁止条項があっても、倒壊前の借地権の存続期間中は家を建替える権利があり、倒壊前と同様な建物を建てるのであれば地主の承諾は必要としないとのアドバイス受け、速やかに家の修繕を行なった」。

「今後、借地契約期間が満了した時に地主が無断で修繕したことを理由に借地の明渡しを要求してきたとしても、私は堂々闘う決意です」。


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敷引契約で最高裁が不当判決 高過ぎなければ特約は有効

2011年04月01日 | 最高裁と判例集
 賃貸マンションの借主に返還される敷金から、家主が無条件に一定額を差引くと定めた賃貸借契約の特約(敷引特約)が消費者契約法に基づき無効かどうかが争われた訴訟の判決で最高裁第1小法廷(金築誠志裁判長)は3月24日「特約は原則として有効」とする初の判断を示し、差引かれた敷金の返還を求めた借主側の上告を棄却した。請求を棄却した1,2審判決が確定した。

 敷引特約は関西地方や福岡県などで慣習化している。同種訴訟では地裁や高裁で特約を無効とする判断が相次いでいたが、判決は「特約にはあらかじめ敷金から差引く額を決めてトラブルを防止する意味があり、貸主の取得額が賃料などに比べて不当に高くなければ有効」と述べた。

 訴訟の原告となった借主は、06年に入居時に敷金40万円を納めた。退去に特約に基づき21万円を差引かれたため「部屋の傷や汚れと無関係に一定額を差引く特約は無効」と訴えていた。(毎日新聞3月25日報道)


 本件は京都市の賃貸マンションで、家賃は1ヶ月9万6千円の約定で、保証金を40万円預け、返還は入居期間が1年未満が控除額18万円、2年未満は21万円、5年以上34万が控除される。5年以上入居すると敷金は6万円しか返ってこない。借主は平成18年に契約し、平成20年4月30日に明渡している。最高裁は、平成17年の判決で通常損耗等の補修費用は賃料に含まれているので、その補修費用を賃借人に負担させることは「賃借人に予期しない特別の負担を課すことになるので賃借人が補修費用を負担することになる通常損耗の範囲が契約書に具体的に明記されているか、契約書で明らかでない場合には口頭により説明し、賃借人がその旨を明確に認識し、それを合意の内容としたものと認められる」とした。

契約書優先、消費者保護に反する

しかし、今回の判決では「通常損耗等の補修費用を敷引金の額について賃借人は明確に認識した上で契約を締結しているので、賃借人の負担について合意しているので、補修費用は賃料には含まれない」、「18万円ないし34万円を保証金から控除する敷引額は、本件建物に生ずる通常損耗の補修費用として通常想定される額を大きく超えるものとまではいえない」、「本件敷引金の額が高過ぎると評価することはできず、本件特約は消費者契約法10条により無効であるとはいえない」と先の最高裁判決と全く異なる判断を下した。要するに補修費用に当てる敷引の金額が契約書に「明確」に書いてあるから、敷引金は家賃ではない。家賃の2倍~3・5倍強の敷引金は消費者に不利益な特約ではないという。18万~34万円の敷引金は高くはないという最高裁の裁判官の感覚にはあきれるばかりだ。消費者保護にあきらかに逆行する判決である。

最高裁の更新料裁判にも影響か?

今後、6月に弁論が開始される注目の更新料の最高裁の裁判の行方や現在見直しが行なわれている原状回復のガイドラインにも重大な影響を与えそうだ。更新料について最高裁に過度な期待は持たない方がよさそうです。皆さんは契約書には十分に注意しましょう!
  (東京多摩借地借家人組合ニュース)

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