

享年14歳 若すぎる少年の旅立ちは
当時の私達に大きな影響を残していった
当時の私達に大きな影響を残していった

康誠がこの世を去ってから一ヶ月・・・。
私達キョウダイ達は、毎日通っていた道場を
休みがちになっていた・・・。
康誠のいない道場・・・若かった私達には
彼の死の意味を悟るまでにはいたっていなかった

それでも、少しずつ前を向こうとしていた私達を
師匠は優しく見守ってくれていた

しかし、私はある時、そんな師匠に・・・。
透明「先生・・・。」
師匠「どうした
」


透明「先生は、康誠を止めてくれるんじゃなかったんですか 

先生なら何とかできたんじゃないんですか

円に聞きましたけど、康誠がどうしても試合に出るって
言い張っていたらしいですけど、こうなるくらいなら、
力ずくでも、康誠を病院に運ぶことはできたんじゃ
ないんですか
ないんですか

先生は、悲しくないんですか 

自分を慕っていた弟子が死んでしまったんですよ



先生は、何でもできるんですよねぇ

それじゃ、康誠を生き返らせてくださいよ 
」


師匠「・・・そうだな・・・すまない。」
そう言うと、師匠は奥の部屋へ入っていった・・・。
透明「なんだよ
いつもそれだけじゃないか 
」



分かっていた・・・あの時、康誠は既に死を受け入れて
いたのだと・・・そして、康誠の寿命はもう尽きていたと・・・
分かっている・・・分かっているはずなのに・・・
観似手が暴走してしまえば、誰にも止めることはできない
分かっているはずなのに・・・
師匠にあんなこと、言いたかったわけじゃないのに・・・
いたのだと・・・そして、康誠の寿命はもう尽きていたと・・・
分かっている・・・分かっているはずなのに・・・

観似手が暴走してしまえば、誰にも止めることはできない

分かっているはずなのに・・・

師匠にあんなこと、言いたかったわけじゃないのに・・・

自暴自棄になっていた私は、当たり所がなく、師匠にまで
くってかかっていた・・・。
しばらくして・・・珍しく道場にキョウダイ達が集まっていた。
私達は、あまり会話も無く、ただただ自分の観似手を制御する
練習だけをしていた・・・。
私は、ノドが乾いた為、道場の奥にある台所へ

透明「
」

なんだろう
・・・奥の部屋から何か聞こえる・・・。

私は、ゆっくりと一番奥にある部屋の前に

木戸の隙間から、中を覗いてみる・・・。
透明「
」

そこには、師匠が座っていた

小さいが、見た目立派な仏壇の前で何かを話している・・・。
師匠「・・・康誠・・・俺は、お前を救うことが
できなかった・・・俺は、師匠失格だよな

・・・康誠・・・本当にすまなかった

だが、俺はお前の大切なキョウダイ達を
守り大人にしてやらなくてはならない
守り大人にしてやらなくてはならない

お前の死を無駄にしないためにも・・・。
しばらくすれば、俺もそっちに行くから
お前の修行の続きは、

そっちでしような



どうかそれまでは、お前もアイツらを見守ってやってくれ・・・
」

透明「
」

深々と頭を下げている師匠の目には、涙がこぼれていた・・・。
初めて師匠の涙を見た私は、この時まで康誠が亡くなってからも
涙を見せない師匠の心は鋼でできているのではないかと疑って
いたのだ・・・。
涙を見せない師匠の心は鋼でできているのではないかと疑って
いたのだ・・・。
当たり前だった
私達をいつも優しく、励ましてくれた師匠が

康誠の死を悲しまないワケはない

師匠は、きっと毎日こうして康誠と話していたのだろう

私達よりも、何倍も何十倍も悲しいはずなのに・・・。
それでも、私達を励まそうと守ろうと、普段と変わらない
接し方をしてくれていた師匠に、私は何てことを・・・・。
私は、このことを皆に告げ、康誠の死を力に変えることを
キョウダイの誓いとした
キョウダイの誓いとした

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
藤堂「・・・ぐすっ
・・・康誠さんの観似手は、

一体、何だったのですか
」

透明「康誠の観似手は、どんなものだったのかは、
分かりませんでした
・・・でも、観似手を

覚醒させてしまった康誠は、五感の内の1つ、
触覚に類する感覚機能や生命の根本となる
気の伝達機能が弱く、一部消失していたと
聞いています・・・。」
触覚に類する感覚機能や生命の根本となる
気の伝達機能が弱く、一部消失していたと
聞いています・・・。」
藤堂「そうだったのですか・・・すみませんでした

そんなお辛い、想いをされている方に、
簡単に覚悟があるなどと・・・
」

透明「いえいえ
こちらこそすみませんでした


藤堂さんには、藤堂さんの理由がある
はずなのに、興奮してしまって・・・

でも、これだけは覚えておいてください

私はこの後も、立て続けに色々な死と
いうものに直面しました!
いうものに直面しました!
16歳の時に、キョウダイ以外でできた初めての友を失い、
同時期に、大切な人を失った・・・。
そして、私に生きる道を教えてくれた師匠とも・・・。
死というものは、私達からすれば修行の終了を
意味し、あの世に帰るだけなような気がしますが

身近な人を失うというのは、本人が考えるよりも
もっと、周りの人たちに影響を及ぼすものなのです

死から学べることもありますが、それでも心にあった
何かを失う感覚は、どんなものよりも辛く重いもの
なんです・・・私は康誠を失い、半身をもがれた
何かを失う感覚は、どんなものよりも辛く重いもの
なんです・・・私は康誠を失い、半身をもがれた
ように感じました
その感覚は今でも忘れることは

ありません

だから、藤堂さんにも能力者としてではなく、
人間として、自分の命を軽く認識して欲しくないのです
人間として、自分の命を軽く認識して欲しくないのです

あなたを失えば、あなたを必死に育ててくれた方や
一緒に頑張ってきた方々も私と同じ想いをしてしまいます

それが、自分で望んだ能力によるものとなれば、尚更です

どうか、そのことだけは覚えておいてください
」

藤堂「そうですね
・・・肝に銘じます
」


康誠の死から得たもの・・・私の中で変わったもの・・・

能力者は、自分の死を軽くみてしまう。
私は生き急ぐ藤堂さんが心配でたまらなかった・・・。
続く ・・・。







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