引越しで折れてしまった椅子の修理に近くの家具職人を訪ねたのは春だった、
椅子の修理は見えないところに鉄の補強を入れるしかないという
それなら自分でやってしまえとお断りしたが
工房の片隅にはどっしりとしたリネン フォールドのパターンのカボードがあった、
頼まれ物かなと聞くとどうやら売り物らしい、
値段を尋ねると驚くほどの安値であった、
虫食いも無く秋まで預かってもらえるかと交渉すると
黒く薄汚れたニスも剥がしておいてくれるというのでデポジットを置いて帰り
キッチンの改装も終わる頃運んでもらうことにした。
この家具はどうやら近くのシャトーからタペストリーと一緒に買ったものだという。
Linen Fold Paneling という古くからある彫り方で
回りにはワインの葉やドングリも彫られている、
これはもっと大きな家具の一部でこの下には奥行きのあるカボードが付いていたらしく、
足元に空間のあるのもおかしいしこれだけでは少しプロポーションが悪い気がする。
未だ車輪の上に乗っているが台座を作ってもらうことにした。