久しぶりに昔のヴォトレをしたいと、古いレッスンテープを出した。
それは40代半ばから、およそ10年間声楽家に個人レッスン受けて
いたが、先生が結婚し地方へ移住するため、残念ながら終わりになった。
霊感のとても強い先生で、いろいろと工夫してご指導頂き、スタッカート
ポルタメント、ロングトーンなど、先生の美しい声で「次はポルタメントで」とか、「もっと頭の後ろから声を出して」など,レッスン中のご注意も懐
かしかった。最後はいつも「コンコーネ」を二回唄ったが、それは思い
切り声を出して歌えるのがとても楽しかった。

その後お茶を入れて下さって、色々おしゃべりしたが、感性が鋭いので
私と波長が合って、娘とそう変わらない年なのに、いろいろ教えて
頂くことも多く、ある意味で私のカウンセラーのような存在でもあった。
懐かしいそのテープで久しぶりでヴォイトレをしたら、音程はさほど
変わらないと思ったが、さすがにロングトーンはそれほど長くはでき
なかった。

指導業だった私にとって最も大切なのは声だったが、長年休まずに
トレーニングしているためか、声はあまり老化していないのだと嬉しく
なった。その時代はビジネス界で講演依頼が多かったのは、講演後の
リラクゼーションの効果のためだと聞いたことがあった。
たとえ老いても、大切にしたい声は「私の宝物」のだから・・・