久方ぶりに羽根木公園へ行ったのは、家にいるとベッドで寝てばかりいる
夫を歩かせたいと思ったからだ。時間は4時ごろで日も当たらず、比較的
涼しかったから。一緒に歩くと夫の体調がつぶさに感じられるが、やはり
この前に来た時より衰えているのが見てとれ、公園に着く前に「どこかに
座りたい」と言った。
公園の入り口に近いベンチに座って、あたりを眺めたが、秋の気配が
色濃かった。しばらく休んでから「上にいってみる?」と聞いたら、「折角
来たんだから行こうか」と言ったので、入り口の階段ではなく、なだらか
なスロープをゆっくり上がった行ったが、木が緑から秋色に変わっていた
のは梅だった。イチョウ並木に差し掛かったら、「あのベンチで座りたい」
と言った夫。
この前来た時より明らかに足は衰えているが、林の中にあるベンチは心地
よかった。この前来たときはウオーキングロードを3,4回休みながら
1週(660メートル)したが、昨日は全くその気はなさそうだ。
「私だけ1週歩くね」と言ったら「ここで待っている」と答えた。
日ごとに衰えていく夫を見つめながら、秋は深まっていく。
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