静岡県立短大の非常勤講師控室に、この3月まで学長だった鬼頭宏さんの本が置かれています。面白そうなので、そのうちの『人口から読む日本の歴史』を手に取ってみました。
1.平均余命が一番長いのは何歳のときでしょう? 何を当たり前のことを聞いているんだ!?と思われる方がほとんどと推測します。現在はもちろん0歳のときです。
でも江戸時代はそうではなかった。5~6歳のときだったと。いかに幼く命を落とす子どもが多かったことか。七五三祝いは単なるライフイベントではなかったってことですね。
2.日本をはじめほとんどの国では、女性のほうが長命です。男性に比べて、平均寿命が6歳くらい長い。でも世界を見渡すと、南アジア(インド、バングラデシュなど)を中心に、男女差があまりない国もあります(逆にロシアの男性は早死にで有名、女性より10歳以上短命) 日本でも昭和初期まで、男女ほぼ同じだったそう。
男が早く死ぬ理由はいくつでも言えますね(自殺、労災、事故死など)。じゃ女だけの早死にリスクは? 最大のものは出産です。昔は(今でも一部の国では)、出産は文字どおり命がけだったのでしょう。
3.生まれてくる子どもの男女比は? 男が少し多い(女100に対して105くらい)ですが、ほぼ半々です。
ところが江戸時代の史料によると、第1子・第2子については偏差がないのに、第3子以降になると男のほうが多い。特に末子は圧倒的に男の子。江戸時代に産み分けはないでしょうから、第3子以降については、生まれた女の子が間引かれたこと(嬰児殺)が強く疑われるそう。
昨今一番深刻な人口問題は、急激な人口減少でしょう。機会があれば、そのうちに。
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