公立図書館にはいろいろな本がある。どんな本があっても市民は、その本の内容を行政が支持しているとは思わない。同様に、県や市の施設ではいろいろな集会が開催される。同じように集会のテーマや主張に行政が関与するはずがない。当たり前のことである。
なのに県が開催する展覧会となると、その展示物をあたかも県が支援しているように勘違いされるようだ。私はこれまで、愛知県の大村知事には好印象をもっていなかった。だが、今回の一件で認識を改めた。当然だろうが、以上の表現の自由のイロハを踏まえた見識は尊敬に値する。不明をお詫びする。
それにひきかえ、名古屋市の河村市長と大阪府の吉村知事は…… 自分が、あるいは市民が是認するものしか県や市は展示してはいけないらしい。そんなことを許したら、日本は北朝鮮や中国のような政府が是認するもの一色になってしまうことが分からないのだろうか。自分はこの作品を嫌悪するが、展示スペースを提供し妨害は断固はねのけると言えば、拍手喝采だったろうに。
大村知事は「哀れだ。この程度のレベルの人が大阪の代表なのか。表現の自由を規定した憲法21条をまったく理解していない」と吉村知事を評しているそうだが、全く同感だ。
追記 「表現の不自由展・その後」を企画した津田大介氏が、朝日新聞(8月21日)で、今回の騒動について『税金を使った文化事業に政治家や行政が口を出すのが当然であると考える人が多い』と語っています。公立図書館の蔵書を考えれば、それは間違いであることは明らかなのに……
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