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合衆国最高裁、全米で同性婚支持-異性婚限定の州法に違憲判決

2015-07-01 00:00:11 | 法・裁判

注目された判決が先週末、世界を駆け巡りました。
争点は、結婚を異性間に限定し同性婚を認めていない州法は合衆国憲法に違反するか? 連邦最高裁判所は5対4の1票差で、yesと答えました。
2年前と同じくケネディー裁判官の法廷意見は、結婚は憲法上尊重すべき「基本的権利」であって、長い間結婚を異性カップルに限定することは自然なことと考えられてきたが、同性婚の排除が「基本的権利」の中核的意義に反することは現代においては明らかだとしています。
2年前の結婚防衛法違憲判決では、州が認めた同性婚は連邦政府も尊重すべしという判断でしたが、さらに一歩を進めて、同性婚の権利を「基本的権利」と認めたわけで、賛否はともかく明確な理由づけと言えそうです。

「基本的権利」(fundamental right)は学問上の概念で、米判例によれば、基本的権利を制約するには非常に重要な利益を実現するための必要不可欠の手段であることが求められます。他の方法では非常に重要な利益が害されるってことですね。

追記 ニューヨークタイムズによれば、ケネディー法廷意見は、社会の変化とともに発展する「生きた憲法」の考え方だという。「人権規定や修正14条を起草し批准した世代は自由のすべてを知っているとは考えなかった。彼らはすべての人が自由-その意味を我々は知っている-を享受する権利を保護する憲章を将来の世代に託したのである」
当然のごとく、原意主義者(憲法は起草者の読み方に従って解釈すべしという考え方)のスカリア裁判官らの激しい反発を招いた。「法廷意見は修正14条に、同条批准時に生きていたすべての人とそれ以降もほとんどの人が見すごしてきた『基本的権利』を発見した」
珍しくロバーツ首席裁判官も、法廷意見は「法的判断ではなく意志の表明(an act of will)」と強い言葉で非難している。さらに、同性婚の権利が州民投票や議会で認められたのは11州と首都だけだとして、原告らにとっても統治プロセスを通じた勝利のほうが望ましかったのではないかと指摘している。
これに対して、法廷意見は「本件の争点は、同性カップルが結婚する権利を憲法が保障しているのかという法的問題である」と反論している。

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