まだ十代だった頃、どうしても行きたくない場所に行くのをキャンセルして
当てもなく映画館に入り、たまたま上映していた「放課後」という映画を観た。
自分とあまり変わらぬ年齢の「栗田ひろみ」という可愛い女優さんが主人公の映
画。
その映画のテーマ曲が、この曲「いつのまにか少女は」だった。
映画よりも、この陽水の曲が私の胸に響いた。ほんの些細な出来事に「行きたく
ない」と思い、嘘をついた日。この曲を聴くたび、少女から大人になるあの頃の
自分に思いを馳せる。
「断絶」という陽水のアルバムにはこの曲の他にお気に入りの「傘がない」という
ブルース曲がある。こちらは時々カラオケでも歌うけれど、洋楽よりも点数が伸び
ない(笑)この人の歌の上手さには脱帽する・・。
大昔、甲斐バンドやチューリップや海援隊といったグループに交じって、よくライブ
に出ていて、ステージでも独特の喋りをしてくれた。さだまさしさんも、当時はグレ
ープというデュオを組み、バイオリンを弾きつつ歌っていた。ハイトーンが時々裏返
るけど、やはりしみじみ聴かせてくれる人だった。
あの頃のことも、曲を聴くと懐かしくて堪らず・・幸せな時代だったなと思う。
井上陽水 1992 SPARKLING BLUE (日本武道館)