ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

「から騒ぎ」

2012-09-15 22:48:58 | 芝居
8月26日舞台芸術学院内ホールで、オックスフォード大学演劇協会(OUDS)来日公演、シェイクスピア作「から騒ぎ」を
みた(演出:マックス・ギル)。

毎年英国から学生たちが来日し、若々しい芝居を見せてくれる。

スペイン領シチリア島メッシーナ。知事レオナートの屋敷は、内戦に勝利したドン・ペドロ一行を迎えてにぎわっている。
若き伯爵クローディオは知事の娘ヒーローに一目ぼれ。友人ベネディックはベアトリスと口論ばかり。主君ペドロの作戦で、
二組のカップルは晴れて恋仲になる。
クローディオとヒーローの挙式が迫る中、ペドロに恨みをもつドン・ジョンとボラチオは2人の仲を裂こうと企む。計略に
はまったクローディオはヒーローに裏切られたと誤解し、結婚式の場で彼女を面罵してしまう。この顛末を不審に思った
司祭は、ヒーローが失意のあまり死んだことにして、クローディオの心を取り戻そうとする。
一方ベアトリスはいとこを辱めたクローディオを許せず、ベネディックにある頼みごとをする。
悪意ある嘘と善意の嘘が入り乱れる中、若き恋人たちは互いの愛を貫けるのか・・・?

字幕はほぼ小田島訳。

今回の演出は舞台を1950年代のシチリアのマフィアに設定。若きクローディオはピストルを懐に入れる。

舞台上には衣装掛けが。これ最近流行だからかと思ったが、特にそういうわけではなかった。途中ベアトリスが隠れるのに
使っただけ。

ドン・ペドロ役のマット・ギャヴァンはセリフがクリアで聞き取り易い。
ベアトリス役のルビー・トーマスは背が高く、美人で声がハスキー。
ベネディック役のジョーダン・ウォーラーはうまいが、セリフが若干聞き取りにくい。
ヒーロー役のジェシカ・ノーマンは背が低くて可愛い(どちらも戯曲の設定上必須)。
修道僧役のアンドリュー・マコーマックは声が素晴らしいが、笑い過ぎる。
レオナート役のウィリアム・ハッチャーは声も演技も素晴らしい。第4幕の嘆きの場では大いに泣かされた。

ダンスシーンで男性陣がランニング姿なのはいただけないが、何種類も面白いダンスを披露してくれて楽しい。
若さはじける舞台だ。

ベネディックはあずまやの後ろに隠れ、飲み物を運んできた女性を引っ張り込んで衣装を取り換える!ズボンの上に
ワンピースを着て男3人の前に出て来て掃除したり飲み物を下げたり・・。その時何度か「スクーズィ」と言う。
イタリア語で「失礼」 という意味らしいが、字幕に訳を出してくれないのはサービス精神に欠ける。以前は
こういう時、日本語を使って客席を喜ばせてくれたのに・・・。

2度目の結婚式の場で、女3人が白い花嫁衣裳を着て白百合の束を持って登場。

ラスト、書記がドン・ペドロにドン・ジョンのことを報告しピストルを渡すと、即座にドン・ペドロが部屋から走り出た
かと思うと銃声3発!裏切り者は粛清されたらしい。

「から騒ぎ」は、かつてケネス・ブラナーの映画を見たが、なまの舞台はたぶんこれが初めて。
芝居の楽しさ、面白さを心ゆくまで味わうことができた。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする