ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

ゼレール作「真実」

2018-04-02 17:08:34 | 芝居
2月26日東京芸術劇場シアターウエストで、フロリアン・ゼレール作「真実」を見た(訳:鵜山仁、演出:西川信廣)。

作者は1979年生まれ。2011年作のこの芝居は、これが日本初演。

医師のミシェル(鍛冶直人)は親友ポール(細貝光司)の妻アリス(渋谷はるか)とホテルでいつものように昼下がりの情事を楽しんでいる。
帰り際、アリスはミシェルに不満をぶつける。「こんなデートじゃなく、たまには週末に遠くへ行って過ごしたい・・・。」彼女を失いたく
ないミシェルは週末の旅行を承知し、午後の会議も体調を理由に欠席する。この会議の欠席や浮気旅行のアリバイ作りをめぐってミシェルは
大騒動を繰り広げるが、次第に真相が明らかになっていく・・・。そしてミシェルの妻ロランス(浅海彩子)の表情にも・・・。

奥行きのほとんどない狭い舞台の中央にベッドが1台。頭部が奥側。ベッドの左側は白、右側が赤に塗られている。正面の低い壁の左右にドア。
壁も白と赤に塗り分けられていて、いかにもふざけた軽い感じ。
音楽はシャンソン。
休憩無しの2時間弱。
 
ミシェルは親友の妻と浮気していたが、その親友はミシェルの妻とだいぶ前からデキていた。しかも間抜けなミシェル以外の3人(彼の妻、
親友、親友の妻)は、ずいぶん前からすべてを知っていて、彼に対してだけ知らないふりをしていたのだった。
ラストで彼がそのことで妻をなじると、驚いたことに妻はシラを切る。そしてミシェルはやっぱりコロッとだまされる。
その結果、妻は潔白で彼だけが悪者となり、今後の二人の関係は、圧倒的に妻に有利になるのだった。・・・。

回り舞台をうまく使っていた。

フランスらしいエスプリの効いた会話が面白かったが、最後に疑問が残った。
疑問 ➀ アリスは夫の浮気を知っていたし、自分の浮気のことも夫に告白していた。だが、それならなぜ、愛人の前で罪の意識に苦しむ
    (ふりをした)のか?
   ➁ 叔母との電話の一件も、全部茶番だったことになるのではないか?
     だとすれば、単に一時の笑いを取るために、理屈を無視して無理に作ったシーンなのか?!
 
4人芝居だが、役者の中には演技のあまりうまくない人もいたのが残念。最近の文学座ではこういうことが時々ある。
創立80周年記念と銘打っての上演にしてはお粗末。







コメント
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