ウィリアムのいたずらの、まちあるき、たべあるき

ウィリアムのいたずらが、街歩き、食べ物、音楽等の個人的見解を主に書くブログです(たま~にコンピューター関係も)

なぜ、出口戦略が異なることになるのかを説明しなきゃ!と出口戦略の専門の立場から吠えてみる

2020-05-11 08:53:26 | そのほか
出口と言えばゴール!ということで、大学院でゴール指向分析(いわば出口戦略導出)を専門としてきた立場から言うと・・・・

NHKスペシャル

新型コロナウイルス 出口戦略は
https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/episode/te/5GYYJPZ869/

は、一般の人がみたら、「結局、出口戦略はどうしたらいいの?」ってなってしまうでしょ。とくに番組の途中で言っていた、尾見先生の「オーバーシュートをなくす」というのが出口なのか、コロナを収束させるのが出口なのか、経済はどうかかわるのか・・・ゴール指向分析とかやっていない人は、さっぱり分かんなかったと思うよ・・・

専門の立場から説明しよう。




■ゴールは3つに分かれるので、出口戦略も3つに分かれる。

まず、出口の状態が「コロナを収束させる」は一緒でも、現状が違う場合には、ゴールに向かう戦略は異なる!というのが、ゴール指向、とくにKAOSの人たちの考え方(自分はこれにのっとっている)

 そこで、KAOSの人たちは、ゴールを
   現状(P)→最終目標(Q)
 という形で表す。

 現状は、以下の3種類に分かれる。
    感染者はいない
    感染者はいるが、だれが感染しているか特定できる
    感染者がいて、誰が感染しているか特定できない(わからない)

 なので、ゴールは3つに分かれる。

    (1)感染者はいない→コロナ収束(=感染者はいない)
    (2)感染者は特定できる→コロナ収束(=感染者はいない)
    (3)感染者は不特定→コロナ収束(=感染者はいない)




■(1)感染者はいない→コロナ収束(=感染者はいない)

 感染者0の岩手県や最近感染者がいない県がこれにあたる。

 「感染者はいない→感染者はいない」つまり、現状を変えないというゴールで専門的には維持ゴール(の中のとくに回避ゴールですかね)というもので、このゴールを実現するには、「現状を変える可能性のあるものを叩き潰す」。現状、内部に感染者がいないので、外部から感染者が来ると、現状が変わる可能性がある。よって、外部からの感染者をなくす。つまり、

    出口戦略は、水際作戦

 「来ないでください」と言っても人は来るだろうから、具体的には
・来た人の中で、コロナの可能性のありそうな人は追い返す
   駅や観光地の入り口で検温して、高かったら追い返す。
   追い返せなさそうだったら病院送りにする。

・コロナの人が来ても、ほかの人が感染しないようにする
   マスクしてない人は、マスクを配るなどなど。

ただし、現実的にはどこから来るかわからないので、県内の人は、
フェイスシールド、マスク着用でこまめに消毒するとか

で、経済を再開してよいことになる。




■(2)感染者は特定できる→コロナ収束(=感染者はいない)

 具体的には、感染者はいるが、「経路が特定できない感染者」
が0の状態。これって、ないんじゃないかな?あったっけ?

 この場合は感染者を隔離する。そうすれば、
   非感染者は、(感染者は隔離されているので)感染者と
   染色しないから、感染しない
   感染者は死ぬか回復する
 ので、いつかは感染者0になり、コロナ収束する。つまり

   出口戦略は「隔離」

 一刻も早く感染者をみつけ、隔離する。

 ちなみに、この場合現状と目標が違っているので、「達成ゴール」
というのになる。「達成ゴール」の中でも、実現可能な案があるゴール




■(3)感染者は不特定→コロナ収束

 もし、(2)と同じようにやるなら、隔離政策で、感染者はわからないので、みんな隔離=ロックダウンとなってしまう。しかし、このゴールって何のためにやってるんだっけ(上位ゴール)を考えると、命をまもるためとなる。ロックダウンやって、経済的に困窮して、自殺者を増やしてしまうと、上位ゴール「命を守る」が達成できないので、この案は「採用できない」
 よって、達成ゴールのなかでも、実現可能な案がないゴールとなる。

 この場合はゴール分割して、達成可能な部分を行う。

 どこで分割するかというとオーバーシュートしない、つまり医療崩壊しないというところで分割する。

したがって、「感染者は不特定→コロナ収束」のゴールは
  感染者が不特定→医療崩壊しない
  医療崩壊しない→コロナ収束
の2つにわかれる。この上のゴールが尾見先生の挙げていた、「オーバーシュートさせない」というやつ。

(3-1)感染者が不特定→医療崩壊しない

の出口戦略は

 ・崩壊しそうなところの資源供給
    保健所の人員?
    PCRの能力?
    宿泊施設?
    病院のベット?
    人工呼吸器?
    人工心肺?
  足りているかチェックし、たりないところを補う。

 ・現状維持以下の新規感染者数
  これにするためには、感染の原因、つまり、感染者と非感染者の
  分離。具体的にはさっきの
  フェイスシールド、マスク着用でこまめに消毒するとか


(3-2)医療崩壊しない→コロナ収束
 治療薬を利用するとか・・

 実際には、(3-1)を達成すれば、オーバーシュートはおこらないので、この時点で、緊急事態宣言解除となるけれど、そうなると、感染者と非感染者が接触することになるので、分離する戦略を立てなければならない。

 具体的には、パチンコ屋さんは、従業員はフェイスシールド、マスク着用、パチンコ台の間をビニールシートでしきる、お客さんがマスクなかったら配る、店内に入る前に検温するとかの対策をやらないと、新規感染者数が増えて、医療崩壊してしまう。

 各国の体制はここができていないので、崩壊してしまう。
 日本もここをやらないと(いまやっていない)、緊急事態解除後にほうかいしてしまう。韓国のように。




あとは、具体的な目標数値に落とす。ごれはゴール指向のGQMという分野で私の専門ではないので、この辺で話を終える
(ほかに、ゴール指向で有名なのはi*とNFRフレームワーク。GQMの専門は早稲田の鷲崎先生。ゴール指向全体は山本先生なので、マスコミがゴール指向に興味持ったら、まあ、そちらをあたってくれ)

  
 

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