令和3年7月20日(火)
花火大会 : 花火
種々の火薬に配色剤を調合して張り子の玉に詰め、それを
筒に入れて点火、夜空に打ち上げて興ずる火技をいう。
玉の大きさは、五寸玉、一尺玉等と呼ばれる。
火薬や発火剤の工夫に依り、夜空に絢爛たる色彩の絵模様
を描くのは見事である。
花火は近年とみに豪華になり、コンピューター操作により
一度に何発もの花火玉を打上げ、途切れる間もなく夜空を
焦がす風情は圧巻である。
先日の中日新聞朝刊コラム「中日春秋」に花火の記述が在
った。今年は画家の山下清没後50年、を紹介していた。
『この夏も夜空は淋しい儘の様だ。 昨年に続けて各地の
花火大会の中止の知らせが相次いでいる。自由に旅が出来
るのも、まだ先だろう。花火を愛し旅に生きたその人なら
無念な夏ではとふと思う。 画家の山下清である。
最高傑作とも言われる貼り絵に「長岡の花火」がある。
山下清作品集より、長岡の花火
民芸運動の柳宗悦と英国人陶芸家のバーナード・リーチが
或る部屋でこの作品を見た。二人は他の話題を忘れた様に
、、、眺め尽したそうだ。誰の作品との比較か不明だが、
「五十年後に残るのはこの花火の方じゃないかな」とリー
チが話した。(池田満寿男、式場俊三著「裸の放浪画家・
山下清の世界」)
画家が亡くなって今年は五十年、十二日が忌日である。
本物の花火が程遠い五十年後の夏、本の中にその作品を見
る。光跡、星、人、、、と、 花火の一夜を凝縮した様な
技である。 芸術の素人は両国、富田林など「その花火の
絵や花火以外の作品などに感動させてもらった。生前から
山下清を低く見る事があったそうだが、どうなのだろう。
「みんなが爆弾なんか作らないで、きれいな花火ばかり
作っていたら、きっと戦争なんて起きなかったんだな。」
残したという言葉が今も味わい深い。平和への思いを込め
故大林亘彦さんが撮った映画「この空の花・長岡花火物語」
(2012年作品)にも、その言葉は登場している。
存在感は今なおだろう]
(中日新聞朝刊コラム:中日春秋より引用した)
今年も各地の花火大会は中止。両国、長岡花火大会、
全国新作花火大会、大曲全国花火競技大会等々、、、
名古屋港みなと祭りも2年連続で中止となった。
今年は、サプライズ花火が昨夜(19日)打上げられた。
夜7時30分、1000発の花火がガーデン埠頭から
打ちあがる、、、僅か20分程、、、それでも綺麗な
花火が夜空に大音響とともに上がると、ベランダに
飛び出し、、、そこら中から歓声があがった。
今年は新型コロナウイルス対策に当たっている医療従
事者らに感謝を届けるため、行政機関、港湾関係団体
等が協賛して企画されたようである。
今日の1句(俳人の名句)
たまゆらのあてどなくなる遠花火 松澤 昭