遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

滝 たき

2021-07-29 17:09:08 | 日記

令和3年7月29日(木)

滝 : 男滝、女滝

岐阜県、養老の滝

 

滝が夏の季語になったのは比較的新しく、明治以降である。

木々の緑の中から直下する滝の豪壮さや涼しさは、夏に相

応しい景と言える。

古き時代(万葉集の頃)には、「滝」は「たぎ」と読み

瀬の急な斜面を流れ落ちる水、つまり急湍をいい、今風に

いう滝は垂水といった。平安時代以降は垂直に落ちる水を

「たき」と清音で読むようになった。

宮崎県、高千穂峡

 

滝が夏の季語になってから、他の季節の滝は春の滝、秋の

滝、冬の滝(亦は凍滝)等と季節の言葉を冠して用いる様

になった。

岐阜県、付知峡

 

滝の中でも水量が殊に多く、勢いのよい音をたてる滝を、

「男滝」(おだき)、水量はそんなに多くなくて優美な姿

で流れ落ちる滝を「女滝」(めだき)と呼び、この二つを

合せて「夫婦滝」という。

 

「作り滝」は納涼のために、庭園等に人工的に作った滝を

いう。

 

名古屋市の大曾根に在る「徳川園」は、1695年に

尾張藩主徳川光友の隠居所で在った「大曾根屋敷」を改築

人工的に木曽三川(木曽、長良、揖斐川)、濃尾平野、伊勢

湾等を配し、園内に山、湖、池、渓流等を加え、牡丹園や

菖蒲田等を作り、尾張の豊かな国を表現している。

龍門の滝

大曾根の滝

その中に人口の滝の「龍門の滝」「大曾根の滝」を配した。

四季折々の庭園の中で、滝はより一層夏の暑さから涼を感じ

られ、吟行の折りなどにホットさせてくれる、、、、、。

 

今日の1句(俳人の名句)

急くときは急くべし男滝真直ぐに   有馬 朗人