遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

潮路句会

2021-07-16 16:37:42 | 日記

令和3年7月16日(金)

潮路句会

此の処コロナ感染と体調不良に託けて、月一度の潮路句会例会

に参加せず、毎月「投句」のみの参加を続けています。

皆さんメゲズに参加し、少人数での吟行にも出かけて居られる

様子、、、殆どの方がコロナワクチン2回目接種(高齢者向け)

を終了され、暑さにめげず、梅雨空の中参加されている。

私は、中々重い腰が上げられず、出不精のまま、、、、、

前回の句会報が届いたので紹介したい。

 

潮路句会例会

兼 題 : 朴(はん)の花、当季雑詠

一滴の日照雨に兆す草いきれ     玲 子

※日照雨:そばえ、通りあめのこと

暮れなづむ十薬の花仄明り      輝 子

影つれて野菜畑舞ふ梅雨の蝶     政 子

池の面の影も素早き夏燕       美保子

篠笛の高音に揺れて薪能       勝

祖父よりの預かりし田の畔を塗る   魚 青

雨雲の広ごる山路朴の花       美智子

御手洗の濯ぎ落ちくる鴨足草     ヤギ爺

※鴨足草:ユキノシタ


かくらん

2021-07-15 16:50:39 | 日記

令和3年7月15日(木)

霍 乱 : かくらん

もがき苦しみ手を激しく振り回す意味の「揮霍撩乱」(きかく

りょうらん)の略語である。

江戸時代、漢方で用いられた病名であるが、食中毒や暑気中り

によって起きるとされる。吐いたり下したりする諸病の総称。

コレラやチフス、細菌性の食中毒も含まれていただろうが現在

では、飲食物が原因で激しい嘔吐や下痢を伴う急性胃腸カタル

のことをいう。吐き気、嘔吐等から日射病(熱中症)等も。

よく使われる言葉に「鬼の霍乱」がある。この言葉は、平常は

とても壮健な人が病気になる事の例えをいう。

 

俳人・夏井いつきさんの著書「絶滅寸前季語辞典」に「霍乱」

が記述されていた。私(ヤギ爺)初めて「霍乱」が夏の季語に

あることを知った。

絶滅寸前季語辞典:夏井いつき

 

「霍 乱」 (夏井いつき著:絶滅寸前季語辞典より引用した)

暑気中り、食中毒によって起る。吐いたり、下したりする症状

の総称。

「大歳時記」によると、江戸時代に漢方で用いられた病名、、、

国宝、病草紙・霍乱の女(京都国立博物館)

平安時代に描かれたもの。 六道(仏が善悪の業に依っておもむき住む

六つの迷界、地獄・餓鬼等の絵が「地獄草子」等にこの霍乱の絵が似る

事から、これを六道の苦しみ、人道の苦しみの一つとし霍乱を挙げた)

 

ほーほーナルホドと思いながら、ついでに「大辞典」も引いて

見る。暑気中りによって起る諸病の総称、現在では普通日射病

を指す。おいおい、私の信頼してきた「大歳時記」と「大辞典」

よ、 こんな所に違った見解なんて出さないでくれ、、、

困惑しながらも冷静に読み比べて見ると、どちらも「現在では」

の一言が問題のようである。

「日本国語大辞典」(全ニ十巻)は、教員時代最初のボーナス

をはたいて買ったもの。

かたや「カラー版新日本大歳時記」(全五巻)は昨年待望の改

訂版が出たということで、直ぐに注文した新品のお品。

どちらの記述も正しいとすれば、江戸時代には原因はともかく

吐いたり、下したりするもの全てが霍乱であったが、昭和55

年頃、つまり私(いつき)が「大辞典」を買った頃は霍乱は、

日射病であった。が、平成も五年を過ぎるあたりになると、急

性胃腸カタルが主流を占め、今に至るということか、、、、。

そんな正体すら確定出来ない季語をどう詠めばいいのか? と、

と困惑しつつ例句探せば、さすが大虚子、こんな手が在った

かと, 口あんぐりの一句、、、

 

字が違うが、俗にいう「撹乱」は、かき乱すという意味。

世の中を、、、。治安を、、、、。

トランプが世界を攪乱した。

 中国が世界を攪乱している等。

 

俳人の名句

霍乱にかからんと思ひつつ歩く   高濱 虚子


狐のカミソリ

2021-07-14 16:28:09 | 日記

令和3年7月14日(水)

狐の剃刀 : キツネノカミソリ

ご近所の庭先に、百合を細長くした様なオレンジ色の花

が咲いた。キツネノカミソリである。本来8月頃に開花

する花だが、今年は少し早い様だ。

そう言えば今日(7月14日)、北陸地方が梅雨明けを

宣言した。(例年より2週間程早いとの事)

狐の剃刀は、ヒガンバナ科の多年草で山地の林下に群生

する。 暗黒色の根茎を持つ、有毒植物。

春先、20cm程の剃刀状で白緑色の葉を数本出す。

8月頃に葉が枯れてから花柄を出し、先端に数個のユリ

に似た6弁で黄赤色の美しい花をつける。

この花の和名のキツネノカキソリは、葉の形に由来する。

食用とされる、「カンゾウ」等によく似ているが毒性が

強いので、決して口にしてはならない。

カンゾウ(我々には見分けが難しい)

 

白鳥庭園の池の畔の山道(人口)を行くと、狐の剃刀が

所々にオレンジの美しい花が、これから見頃を迎える。

 

愛知県豊田市稲武の夏焼城ケ崎に在る「大平井公園」は、

狐の剃刀の群生地として知られている。

 

名古屋市内の小学校では、毎年「夏期講習」でこの地で

合宿を行う。 子供達にとって初めて親元を離れ外泊を

し、野外学習を行う。(私の子供達も経験している)

昨年に続き、「新型コロナウイルス」感染予防のため、

今年も中止となった。(残念だがやむを得ぬか)

「大平井公園」の狐の剃刀は、毎年8月が見頃を迎える

が、今年は早くも開花している様だ。

かなり山深い場所で、熊の出没注意の看板が出ている。

熊の出没は年々多くなっている様で要注意、一人で出か

けぬようにとのこと、、、、、、

 

今日の1句(俳人の名句)

きつねのかみそり一人前と思ふなよ   飯島 晴子


ところてん

2021-07-13 16:36:31 | 日記

令和3年7月13日(火)

心 太 : ところてん

九州、中国・四国地方で梅雨明け宣言があった。

この地方では、昨日の午後2時頃、凄まじい雷雨となった。

午前中の晴天が嘘の様に、俄かに黒雲が沸きだし時折稲光、

雷鳴が轟き、突風が吹き、瞬く間に土砂降りの雨となる。

暫くして、カミさんがずぶ濡れとなり帰宅した。

「暫く、待機してればイイのに、、」「もう出てたから」

1時間程して雷鳴も止み、雨も上がった。

やがて、嘘の様に日差しが戻ってきた、、、、、、、

今年は梅雨入りが20日以上も早かったので、この地方も

2,3日中には「梅雨明け」宣言があるだろう、、、、、

 

 

今日(6月13日)、昼前にカミさんが「暑い暑い」を連発

しながら、体操教室から戻って来た。

帰りに市場に寄ったらしく、買い物袋をドサッと下ろす。

中から総菜などと共に、「ハイ、コレ」と心太が、、、、

冷たいものが欲しくなる季節がやって来た。

天草

天突き

心太(ところてん)は、海藻の天草煮て溶かし、型に流して

冷し固めた食品で、「天突き」と呼ばれる用具で麺状に突き出

し、酢醤油や糖蜜等をかけて食べる。

東海地方では、三杯酢にゴマを添えて、箸一本で食べる(啜る)

のが普通であったが、今では箸二本で食べている。

心太全体の98%以上は水分で、残りの成分は多糖類(アガロー

ス)、殆ど栄養価は無いが食物繊維として整腸作用がある。

又、「寒天」はところてんを戸外で凍結乾燥させたものである。

心太、古くは奈良時代の書物に、「心天」(こころてん)との

記述がある。一説には「心太」を「こころぶと」と呼ばれて居り、

それが「こころてい」となり、転じて「ところてん」となった

とも云われている。

 

今日の1句(潮路句会より)

力抜く術(すべ)を知りたる心太   玲 子

ギヤマンの小鉢に突かれ心太     


含羞草

2021-07-12 16:27:17 | 日記

令和3年7月12日(月)

含羞草 : オジギソウ、ミモザ

ブラジル原産。 日本へは江戸時代の末期に渡来した。

マメ科の多年草、日本では一年草

茎はまっすぐに伸び30cm程、細毛と棘がある。

夏から秋にかけて葉腋に花柄を出し、淡紅色の小さな花を

球状に付ける。 花の後には莢を生じる。

葉は合歓の木の葉に似て、僅かな刺激にも反応して垂れ下

がり、眠った様に見え「眠り草」とも呼ばれる。

又、温度や光、電気などの刺激にも敏感に反応する。

吟行等の折り、この葉を見つけ指先に触れると、忽ちに

葉が垂れ下がり、「おじぎ」をした様に見えることから

この名があるといわれている。

 

今日の1句

含羞草触れとめどなく大欠伸   ヤギ爺

大欠伸:おおあくび