「古都逍遥 京都・奈良編」「花の詩」「日常のこと」や花や風景写真

 京都・奈良を中心に古刹・名刹や「花の詩」等の紹介。花や風景写真、オリジナルの詩、カラオケ歌唱など掲載しています。

【蓮華寺】(れんげじ)

2006年12月10日 12時30分20秒 | 古都逍遥「京都篇」
 白川通りを北上し、花園橋を右折して大原方面へ向かうと蓮華寺がある。奥まった所で目立たないために訪ねて来る人は少なかったのだが、「京都の秋」というガイド番組で紹介されるやいなや、大勢の人たちが立ち寄る寺となったものの、就学旅行の拝観は受け付けていない。
 私が、蓮花寺をはじめて訪ねたのはかれこれ30年ほど前になろうか。京都の隠れ寺、侘寺を散策して、参道や庭の片隅を彩る野花、茶席に添える花を写真に収めて歩いていたころだ。当寺の敷石の傍にも都忘れ、シランなど私好みの野花の被写体が多く見られ、その一角に「蓮花寺型燈篭」が佇んでいる、スリムで形容の美しい燈篭だ。
 当寺は、元西八条塩小路あたりにあった古寺で、寛文2年(1662)加賀前田家の家臣・今枝民部近義が祖父・今枝重直の菩提となすため当地に移し再興した天台宗派寺院。
 再興にあたって石川丈山、狩野探幽、木下順庵、隠元禅師、木庵禅師など当時の文化人が協力。そのためか、小造りながら随所随所にその形態を残している。庭は池泉式庭園(江戸時代初期)。一目で視野に入るほどの池なのだが、右に亀石、左に鶴石、対岸の森は蓬莱山を象徴している定番構造ではあるが、紅葉のシーズンはそれは極楽浄土の世界を彩る。安井寂勇住職に話を伺うと、本尊は阿弥陀如来で鎌倉時代の作。本堂に安置されている螺鈿(らでん)厨子は15世紀初期のもので狩野探幽が原画を描いたものという。

 交通:京都バス大原方面行き上橋(かんばし)下車、叡電叡山本線三宅八幡下車すぐ。
 
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