
[花言葉]尊敬、なつかしい関係
『百(もも)に千(ち)に 人は言ふとも 月草の 移ろふ心 吾持ためやも』 万葉集・作者不詳
「さまざまに他人は言い立てても、私はツユクサ染めのような移り気は持ちません」。
つゆくさほど呼び名の多い草は外にないかも知れない。
例えば、蛍が好んで止まることから「ホタル草」。また、染物屋が自前の着衣を美しく染めて着飾ることから「コウヤノオカタ」。無論、コウヤは紺屋のことで、オカタは主婦のことを言う。だから紺屋の妻が好んで染めたということになろう。他に、ソメグサ、エノグバナ、アイクサ、ウツシグサなどと呼ぶ方言も見られる。これらはすべて、ツユクサが染料として用いられていたことを示している。
万葉集のツユクサは、ツユクサの美しい花びらを布に摺りつけると色が着く故の名である。
万葉集には9種のツユクサの歌が見られる。その内の3種は衣に染める性質が歌われ、他の歌はツユクサの染めのすぐに消える性質が詠まれてある。
『つゆくさに 衣ぞ染むる 君がため まだらの衣 すらむと面ひて』
(ツユクサで着物を染めます。あなたのために色のついた着物を摺ろうと思います)。 愛する人のために衣を美しく染めましょうという思いが込められている。