やまちゃん奮闘記

1970年代から海外に出かけ、滞在した国が合計26か国、21年の海外生活が終わりました。振り返りつつ、日々の話題も、

なぜVWは不正をしなければならなかったか? やはり、日本の技術に勝つため?

2015-10-04 | 乗り物
今回起きた独VWの排ガス規制における不正は、まさに青天の霹靂(へきれき)というべき驚愕(きょうがく)の不祥事だ。なぜ、天下の大企業がここまでインチキをやらねばならなかったのか?

絶対にばれないと考えていたのか疑問がある。

最初のなぜ、「インチキをしなければならなかったか」であるが、背後にあるのは日本のハイブリッド技術に負けていたことがある。

米国市場で売れ筋の日本のハイブリッド車と燃費で競争できる商品はというと、ディーゼル車しかない、という状況に追い込まれていたのだ。しかし、排ガス規制はディーゼル車には厳しすぎるという、現状である。

ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンに比べて燃費が良い反面、排ガス浄化が難しい。ガソリンエンジンに比べ、窒素酸化物(NOx)の排出量が多いのだ。

それから、従来のポート噴射式を採用するガソリンエンジンでは問題視されなかった粒子状物質(PM)も排出される。このNOxとPMを同時に減らすのが、実は難しい。

NOxは、燃料を高温で燃焼すると発生しやすい特徴がある。一方、PMを減らすには燃料の燃え残りが少なくなるよう高温で燃やし尽くす必要がある。

しかし高温では、NOxが多く出てしまう。NOxを減らすには燃焼温度を下げればよいが、それでは逆に燃料の燃え残りができ、PMが生じやすくなるというジレンマが生じる。


何故、インチキがばれないと考えていたのだろう?

昨今のクルマは、ソフトウェアの集合体といっても過言ではない。走行性能から環境性能、そして安全に至るまで、コンピューター制御に依存し、プログラムの内容はブラックボックス化している。

排ガス検査の当局者など専門家ですら、試験で基準を満たしているなら、不正を見破るのは容易ではないだろうと考えたか?


創業の志を忘れ、売り上げ至上主義に走ったVW。これまで真摯()な汗で築き上げてきた信頼は一気に崩れ去った。

これは、VWの例にとどまらず、また自動車にとどまらず、あらゆる物づくりを源とする企業にとって、決して人ごとではない。←深読みチャンネル「フォルクスワーゲンの謀略と落とし穴」から

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