今夜8時からのNHK番組「セカイでニホンGO!」が面白かった。
ウルトラマンやウルトラセブン、ウルトラQに出た怪獣の話。
NHKはCMがないのでリズム良く見られる。
バルタン星人。
小さい頃、「蝉」をイメージしたと聞いていたが、今日製作者の話を聞いたら、「アメリカザリガニ」。
当時、外来種のアメリカザリガニは、日本を侵略するんじゃないかというぐらいたくさん小川にいたらしい。
バルタン星人は家族で宇宙旅行中だったが、狂った科学者の核実験がもとで自分の星が爆発してしまった。
帰る場所がなくなったバルタン星人は宇宙船修理のため地球まで来たら、たまたま自分たちが住める環境だったので、「ここに住む」って決めた。
しかし地球人はそれを許さず戦いになった。
そして、ウルトラマンのスペシウム光線でやられた。
泣かせるじゃないか。
ゲスラ。
ブラジルのトカゲが、たまたま輸入品のカカオ豆と一緒に日本に運ばれて来た。
そしてたまたま東京湾の汚れた水を飲んで、怪獣になった。
最後はウルトラマンにやられて東京湾に沈んだ。
この当時の東京湾はヘドロで凄かったもんな。
悲しいじゃないか。
ジャミラ。
元々は宇宙飛行士。
人間だったんだ。
しかしロケットに乗っているとき、事故によって水の無い惑星に墜落。
母国は国際批難を恐れて事実を隠した。
そして救助を待つ間に宇宙飛行士はジャミラになってしまった。
「ジャミラは元地球人ということを隠して、あくまでも怪獣ということで殺してしまえ!」
という命令に従って、科学特捜隊はジャミラと戦う。
最期はウルトラマンにやられ、赤ん坊の泣き声に似た断末魔の叫びを発して死ぬ。
悲しすぎるじゃないか。
ペスターという石油を食べる怪獣も出た。
酔っぱらいおやじがペスターを最初に発見し、警察に届けに行ったが警察は信じないというお約束の流れのハシリ。
夢が壊れるような話だが、子供心に「あ、これ人が二人入ってる」って思いながら見ていた。
二人入っているから満足に戦えず、ウルトラマンではなく科学特捜隊にやられてしまう。
石油依存に対する警鐘だったのかな。
哀れだ。
どの話も人間の身勝手、エゴによって「敵」になってしまったという悲しい理由があった。
見ていたときは感じなかったけど、製作者は子どもに向けてメッセージを送っていたんだね。
こんな深い理由があったなんてびっくりした。
番組には出なかったが、カネゴン。
お金が主食で常に食べていないと死ぬ。
金の亡者であった少年(ガキ大将、死語か。ちなみに名前は加根田金男)が変身した怪獣。
これ、いろいろあって最後はちゃんと少年に戻るのだが、家に帰ってみると、カネゴンが銀行で食い残した小銭を横取りした金男の両親が、二人ともカネゴンになってしまう。金男は呆然、見ていた俺は唖然。親がカネゴンになるなんてショックだった。
怪獣って妖怪みたいなもんで、人間の心の奥にあるやましさとか、自然に対する恐れとかがあったんだな。
ちゃらい番組、見習え。